中国共産党第二十次全国代表大会(ちゅうごくきょうさんとうだいにじゅうじぜんこくだいひょうたいかい)は、2022年10月16日から22日に中華人民共和国の首都北京市で開催された中国共産党の全国代表大会(党大会)である。習近平党総書記(最高指導者)の三期目を決める大会。略称は、中共「二十大」、あるいは中共「第二十回党大会」。
大会機構
日程
大会は2022年10月16日午前10時に開会した。習近平総書記、胡錦濤元総書記を先頭に主席団常務委員が登壇したが、江沢民元総書記は欠席した[6]。
初日の開幕式では、習近平が第19期中央委員会を代表して報告を行った。習近平は、第19期に当たる過去5年間だけではなく、自らが総書記に就任して以来の10年間を包括する形での報告を行った。
報告は、以下15の章立てに分けて行われた。
- 過去5年の活動と新時代の10年の偉大な変革
- マルクス主義の中国化、近代化の新境地を切り開いた
- 新しい時代、新しい歩みに向けた中国共産党の使命と任務
- 新しい発展局面の構築を加速させ、高い質を持った発展を引き続き推進する
- 科学・教育立国戦略を実践し、近代化建設を支える人材開発を強化する
- 発展の全過程で人民民主を実践し、人民が主人公であることを保障する
- 全面的な法による統治を堅持し、法治国家中国の建設を推進する
- 文化への自信と自己改革を推進し、社会主義文化の新たな輝きを創造する
- 民生と福祉の増進により人民生活の質を向上させる
- グリーンな発展を後押しし、人と自然の調和と共生を促進させる
- 国家の安全を守る機構と能力の近代化を推し進め国家の安全と社会の安定を断固として守る
- 人民解放軍創設100年の奮闘目標を達成し国防と軍隊の近代化で新局面を切り開く
- 「一国二制度」を堅持し十分に機能させ、祖国統一を推進する
- 世界の平和と発展を促し、人類運命共同体の建設を推し進める
- 党の厳格な管理を揺らぐことなく維持し、新時代の党の建設という新たな偉業を力強く推し進める
22日に閉会した。
胡錦濤の「途中退席」事件
10月22日の閉会式で習近平の隣に座っていた胡錦濤が何らかの理由によって途中退席を求められ、スタッフにより会場外に連れ出される事件[7]が発生した。国営新華社通信の英語版ツイッターは胡の退席理由について「体調不良」だったと説明した[8]が、後述する人事問題が背景にあったものとみられている。
選出委員
大会で205人の中国共産党第20代中央委員会委員が選出された[9]。このうち、現職の政治局常務委員だった李克強(国務院総理・共産主義青年団(共青団)派)、栗戦書(全国人民代表大会常務委員会委員長(中国語版)・習近平派)、汪洋(中国人民政治協商会議全国委員会(中国語版)主席(中国語版)・共青団派)、韓正(国務院筆頭副総理・上海閥)の4人が中央委員から外れることになった。
全体会議
第二十回全国代表大会の終わりから第二十一回全国代表大会まで、数回(慣例では7回)の中央委員会全体会議を開催する予定がある[10]。
第二十次中央委員会第一次全体会議
第二十回全国代表大会が閉会した翌日(10月23日)に開催。この会議で新しい中国共産党の指導部である中央政治局常務委員会委員が選出された[11]。
- 中央委員会総書記:習近平
- 中央政治局常務委員会委員:
- 中央政治局委員:
- 中央書記処書記:蔡奇、石泰峰、李干傑、李書磊、陳文清、劉金国、王小洪
- 中央軍事委員会:
- 中央規律検査委員会:
政治局員の人事の特徴としては、第19回より1人少ない24人となり、慣例の女性政治局委員は1人もいないということである[12][13]。
また、胡錦濤が北戴河会議で最高指導部入りを要望していた国務院副総理の胡春華が土壇場で政治局員から外されて団派は最高指導部から一掃されたが、この人事は胡錦濤の退席事件の一因だったとみられている[14][15][16]。
出典
関連項目