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この項目では、中華人民共和国の国務院総理について説明しています。満洲国の国務院総理については「国務総理大臣」をご覧ください。 |
国務院総理(こくむいんそうり、英語:Premier of the State Council of the People's Republic of China)は、中華人民共和国において首相に相当する官職。中華人民共和国の最高国家行政機関である国務院を主宰する。
同国における呼称は中華人民共和国国務院総理(ちゅうかじんみんきょうわこくこくむいんそうり)[1]。建国当初は政務院総理と呼ばれていた。日本語ではそのまま「国務院総理」と表記されることがあるし、また「首相」と訳されることもある。
選出・任期
中華人民共和国憲法(1982年憲法)の規定によると、国家主席の指名に基づいて全国人民代表大会で選出され、国家主席が任命することになっている。しかし、憲法に中国共産党による国家の領導(指導)が明記されているため、実質的な人選は中国共産党中央委員会によって行われている。
国務院の任期は全国人民代表大会の任期と同一とされているため、通常、国務院総理の任期は5年。連続3選は禁止されている。華国鋒時代(1976〜1980)以外には党主席とは別の人間が務めており、しかも総書記と同じ人間が務めることは一度もない。
職権
- 国務院の活動を指導し、行政全般を指揮監督する。
- 国務院を代表し、全人代及び全人代常務委員会に対して、国務院の活動に関する責任を負う。
- 国務院の活動における重大な案件について、最終決定権を行使する。
- 国務院の構成員(副総理・国務委員・各部部長・各委員会主任・監査長・秘書長)を指名する。また、全人代および全人代常務委員会に国務院構成員の罷免を要求する。
- 国務院常務会議ならびに国務院全体会議を招集し、主宰する。
- 国務院が発布する決定・命令・行政法規・全人代及び全人代常務委員会に提出する議案や人員の任免に署名する。国務院総理が署名することにより、その法令は効力を有する。
- 国務院令を発布し、行政法規の制定と廃止・特別行政区行政長官の任免・戒厳令の宣布と解除を告示する[2]。
1989年の第二次天安門事件に際して党内の対応が分裂したとき、李鵬が総理の権限において戒厳令を発動させたことは、政局に大きな影響を与えた。
中華人民共和国首相の一覧
脚注
- ^ 例えば2008年3月16日に公布された、「温家宝を国務院総理に任命する中華人民共和国主席令」には「根据中華人民共和国第十一届全国人民代表大会第一次会議的决定、任命温家宝為中華人民共和国国務院総理」とある。
- ^ ただし布告のみであり、実際の軍部隊の動員権などは党中央軍事委員会、国家中央軍事委員会が持つ。
関連項目
外部リンク