この項目では、データブックについて説明しています。世界の国の一覧については「国の一覧 」をご覧ください。
『世界の国一覧表 』(せかいのくにいちらんひょう)は、日本でかつて年1回発行されていた、世界各国の諸情報を掲載したデータブック である。
概要
国際交流 を設立目的とし、雑誌 ・図書 の出版やその他の普及・広報を事業としていた外務省 所管の財団法人 である「世界の動き社」[ 1] が、2007年 まで発行していた世界 の国家 の基礎的な情報を掲載した年刊 のデータブック である。1998年 版以降は「国際理解のための基本データ集」とのサブタイトルがついていた。本書は「各省庁及び政府関係機関が編集・監修した書籍を収録した」としている全国官報販売共同組合から年1回発行される「政府刊行物等総合目録」に掲載されていた。2007年版を最後に本書『世界の国一覧表』は廃刊となり、発行元であった世界の動き社も解散している[ 2] 。2008年以降は株式会社「リブロ」が「世界の国情報」という名称の本書とほぼ同じ内容の本を出版している。この「世界の国情報」も本書と同様に「政府刊行物等総合目録」に掲載されている。
本書における「国」
本書に掲載されている「国」は、「わが国(日本)が承認(国家承認 )している国と日本」であって、国際連合加盟国 や他の国連加盟国が承認している国連非加盟国 であっても、日本国が承認していない国は掲載されていない。日本国が承認していないが外交関係を有している北朝鮮 (朝鮮民主主義人民共和国)、台湾 (中華民国 )、及びパレスチナ自治政府 (パレスチナ国 )は、「国」としてではなく、香港 ・マカオ と同等の国に準じて扱われる「その他の地域」として掲載されている。
本書の編集者
本書の編集者は1997年までは外務省の担当部局、1998年から2007年までは世界の動き社となっており、1998年以後外務省は「編集協力」という形で参加している。外務省の担当部局は年によって以下のように変遷している。
1973年版から1981年版まで 外務省情報文化局
1982年版から1984年版まで 外務省情報文化局国内広報課
1985年版 外務省大臣官房国内広報課
1986年版 外務省情報文化局
1987年版から1989年版まで 外務省大臣官房国内広報課
1990年版および1991年版 外務省外務報道官
1992年版および1993年版 外務省大臣官房国内広報課
1994年版から1996年版まで 外務省外務報道官
1997年版 外務省大臣官房国内広報課
国名等の表記の基準として
公的な文書における外国 の国名 や首都名 の日本語 での表記については外務省大臣官房総務課が定める『国名表』と呼ばれるものによるとされており、本書を含む外務省が編集ないし監修しているさまざまな文書・出版物もそれによっているが、『国名表』そのものは外務省の内部文書でありそれ自体を入手することが困難であるのに対して本書は政府刊行物センターを含む一般の書店で広く販売されており安価に入手出来ることから、旧通商産業省 の所管であった日本工業規格 の『JIS X 0304 国名コード』における日本語の国名表記の部分のような公的性格をもった文書や出版物においてもしばしば国名などの表記の基準を『国名表』ではなく本書そのものによるとされていることがある。本書の廃刊後は,外務省ウェブサイト「各国・地域情勢」で用いられている表記が外務省の公式見解となっていると見られるが、一部の国名表記方針は本書と異なっている。
かつては日本の教科書や地図帳における国名の表記は原則『世界の国一覧表』によるものと定められていたが[ 3] 、廃刊後は同基準が「- 外務省公表資料等信頼性の高い資料によること」と改訂されたことをふまえ、外務省ホームページ「国・地域」[ 4] などの表記が教科書等に採用されるようになった[ 5] 。
内容
収録内容は年によって多少異なるものの、おおよそ新しいものになるほど収録内容は増加しており、それに伴って本書のページ数も増加している。
本書の表題そのものでもあり、内容面でも中心となる「世界の国一覧表」には、それぞれの国について、その国旗 、面積 、人口 、主要言語 、首都 、独立年月、国連加盟年月、GDP 、通貨 単位、為替レート 、公館 の設置、貿易 額等が掲載されている。「その他の主な地域」には、日本国が承認していないが国連に加盟していたり多くの国が承認していたりする国及び国に準じて扱われる地域について「世界の国一覧表」と同様の内容が掲載されている。
また本書にはそれ以外に以下のような内容が掲載されている。
書誌情報
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク