『ワイルドシングス』(Wild Things)は、1998年のアメリカのサスペンス映画。
人気高校教師による女子高生レイプ事件を軸に、男女の駆け引きが繰り広げられる。
1980年代に青春映画のスターとして人気の高かった俳優ケヴィン・ベーコンが、製作総指揮を行った。興行的成功を収めたためにシリーズ化され、続編としてビデオムービーが3本作られたが、どれも内容に本作とのつながりは無い。しかし、作中で何度もどんでん返しが起こることや、男性1人と女性複数人によるグループセックスが描かれることは、シリーズ全作に共通する特徴である。
あらすじ
フロリダ州の静かな港町ブルーベイ。高校の進路指導教諭サム・ロンバートは、教え子でもある女子生徒ケリー・バン・ライアンからレイプされたと訴えられる。サムが生徒から人気のある教師だったこと、ケリーの母サンドラが地元でも有名な富豪だったことなどから、センセーショナルな事件として町を大きくにぎわす事態へ発展する。
無実を訴えるサムは、頼りなさげなボウデン弁護士に弁護を依頼する。その頃、地元警察の刑事レイ・デュケの捜査の結果、ケリーの同級生スージー・トーラーもかつてサムにレイプされていたことがわかる。サムに圧倒的に不利な状況の中で公判が始まるが、ボウデンはスージーが偽証を行っていることを証明する。自暴自棄となった彼女は、自身のレイプ被害が嘘であること、さらに自分はケリーの友人で、彼女のレイプも狂言であることを明かす。サムの無実が確定し、彼は示談金850万ドルを勝ち取る。
裁判の夜、サムはスージー、さらにケリーと喜び合う。実はサンドラから大金を騙し取るために始めから3人が仕組んだ狂言だったのだ。町の者全てが彼らに騙される中、唯一デュケだけは3人に疑いを持ち、独断捜査を始める。デュケの捜査に動揺したスージーはサムに助けを求めるが、逆にサムは彼女が自白してしまうことを恐れる。サムは彼女を海岸に呼び出して撲殺し、それを目撃していたケリーに死体の隠匿を手伝わせる。
翌日、スージーの歯や血痕が見つかり、警察は彼女が何者かに殺害されたと断定する。しかも、ケリーの車から彼女の血痕が発見され、彼女がスージー殺害に関わっていると確信したデュケは、バンライアン邸を訪れる。ところがデュケとケリーはもみ合いになり、デュケはケリーを誤って射殺してしまう。デュケも肩を負傷し、正当防衛が認められたものの、独断捜査を咎められ、免職処分される。
後日、どこかのリゾート地。くつろぐデュケの元にサムが現れる。実は2人は組んでおり、ケリーとスージーの殺害も彼らの計画のうちだったのだ。そして2人はヨットで沖合いに出る。
サムは示談金を独り占めするため、隙を見てデュケを殺害しようとするが、反撃に遭う。事態は一転し、デュケは勝利を確信するも何者かに殺害される。それは死んだはずのスージーだった。実はスージーはサムと組んでおり、偽装死だった。だが、2人が喜び合うのもつかの間、サムはスージーに殺される。
その頃、デュケの同僚の女刑事は、スージーをよく知る男から彼女がIQ200の天才児であることを聞かされていた。
浜に戻ったスージーはボウデン弁護士から示談金を受け取り、どこかへと去る。
登場人物
- レイ・デュケ
- ブルーベイ警察の部長刑事。
- 精悍な男でしばしば上からの命令を無視して事件の捜査を行う。
- サム・ロンバート
- ブルーベイ高校の教師。進路指導教諭。
- 整った顔立ち、ヨット部顧問という来歴で生徒達、特に女生徒からの人気が高い。
- スージー・トーラー
- 女子高生。
- スラムの生まれで、素行が悪いことで有名な不良少女。
- ケリー・バン・ライアン
- 女子高生。
- 美人で母は金持ちという誰もが羨む美少女。彼女がサムにレイプされたと訴えたところから映画は幕を開ける。
- ケネス(ケン)・ボウデン
- 弁護士。サムの弁護を担当。
- 頼りなさそうな初老の男。だが、相当なキレ者で裁判ではスージーの偽証を明らかにする。
- サンドラ・バン・ライアン
- ケリーの母。地元で有名な富豪。
- 金と美貌を笠に、男遊びを行っている。
- トム・バクスター
- 弁護士。
- サンドラの恋人で、やり手の弁護士。金遣いが荒い。
キャスト
脚注
外部リンク