リーガMX(Liga MX スペイン語発音: [ˈliɣa ˈeme ˈekis])は、北中米カリブ海サッカー連盟に加盟するメキシコの国内プロサッカーの最上位リーグである。現在はBBVA Méxicoが公式スポンサーとなり、リーガBBVA MX(Liga BBVA MX)として知られる[1]。
北中米カリブ海地域ではトップレベルといわれ、メキシコのサッカーを支える充実したリーグである。資金の潤沢なクラブも多く、中南米諸国の代表選手が多数プレーしている。長らくメキシコ代表は、ほとんどが国内クラブの選手で構成されていた。1998年から2015年まで招待参加していたコパ・リベルタドーレスでは2001年に準優勝したクルス・アスルを始め、メキシコのクラブは準優勝3回、ベスト4以上の成績を8回マークし、南米の強豪クラブにも引けをとらなかった。暦年後半(秋)にシーズンが開幕し、翌年の暦年前半(春)にシーズンが終了する。
日本人としては、2017年にパチューカに入団した本田圭佑が所属していた。
参加クラブ数は18クラブ。1シーズンは2ステージ制であり、それぞれのステージごとに優勝を争う。前半戦(8月-12月)のステージをアペルトゥーラ(Apertura、開幕ステージ)、後半戦(翌年1月-5月)をクラウスーラ(Clausura、閉幕ステージ)と呼称する。
レギュラーシーズン(リーグ戦)はそれぞれのステージ全18チーム1回ずつの総当り方式となっており、各チーム17試合ずつを消化した時点での上位8チームがリギージャ(Liguilla)と呼ばれる決勝トーナメントに進出する。
リギージャ準々決勝はリーグ戦の成績に基づいて「1位vs8位」「2位vs7位」「3位vs6位」「4位vs5位」のタスキがけ方式で対戦する。ホーム・アンド・アウェーの2試合の合計得点とアウェーゴール数が同じ場合はリーグ戦の順位が上だったチームが勝ち上がるが、決勝戦ではアウェーゴールルールは適用されず、延長戦、PK戦を行う。各ステージの優勝チームと準優勝チームには特典として次年度のCONCACAFチャンピオンズリーグ出場資格が与えられる。
なお、2010-11シーズンまでは18チームが前2シーズンのリーグ戦のみの合計成績(勝ち点・得失点差)により、3グループに分けた上で[2]、グループに関係なく1回ずつ総当たり方式で対戦し、グループ内の順位と、総合順位によりリギージャに進出するチームが決められていた。
2020-21シーズンは新型コロナウイルス感染症と闘う医療従事者を称えて、開幕ステージが「トルネオ・ガーディアンズ2020(Torneo Guardianes 2020)」、「トルネオ・ガーディアンズ 2021(Torneo Guardianes 2021[注釈 1])の名称となった[3][4]。
メキシコではかねてから試合中にサポーターらが同性愛に対する差別的チャントを歌うことが問題になっており[5]、メキシコサッカー連盟はFIFAから15以上の制裁を受けていた[6]。そのため、リーガMXの会長は各クラブはサポーターがそれぞれのスタジアムでホームチームの名前を叫ぶことを推進する義務があると述べつつ、2021-22シーズンは「トルネオ・グリタ・メキシコ・アペルトゥーラ2021(Torneo Grita México Apertura 2021, またはGrita... México A21)」、「トルネオ・グリタ・メキシコ・クラウスーラ2022(Torneo Grita México Clausura 2022, またはGrita... México C22)」に名称変更した。Grita[注釈 2]はスペイン語で叫ぶを意味し、「差別的チャントではなく自分達が応援するチームの名前を叫ぼう!」というメッセージが込められている[7]。
シーズン表記の (I) はインビエルノ(Invierno、冬季ステージ)、(V) はベラーノ(Verano、夏季ステージ)、(A) はアペルトゥーラ(Apertura、開幕ステージ)、 (C) はクラウスラ(Clausura、閉幕ステージ)、(B)はビセンテナリオ(Bicentenario、独立戦争勃発から200年目の節目の年)の略。1970年は1970 FIFAワールドカップ開催の関係で「メヒコ70(México 70)」、1985-86シーズンは1986 FIFAワールドカップ開催の関係で「プローデ85(Prode 85)」と「メヒコ86(México 86)」という短期トーナメントだった。
※クルス・アスルの発祥はイダルゴ州であり、現在も下部組織がイダルゴ州にあるためダービーとして認識される