タンゴ
サンバ の太鼓演奏(ブラジル)
ラテン音楽 (ラテンおんがく)は、中南米 発祥の音楽の総称で、『中南米の音楽』を意味するラテン・アメリカ音楽 (英語 : Latin American music )とほぼ同一の音楽ジャンルの概念を指す[ 注 1] 。キューバ ・カリブ系、ブラジル 系など、それぞれに音楽的特徴があり、また、ラテン・アメリカ 系移民の多いニューヨークやロサンゼルスが、北米におけるラテン音楽の本場でもあるなど、成り立ちや歴史も複雑であり、一言では言い表せない。
スカ 、ロックステディ 、レゲエ の発祥地、ジャマイカ は主に英語が使われ、いわゆるラテン諸語 圏ではないが、音楽においてはラテン音楽とみなされることが多い。また、中南米諸国が植民地 であった時の宗主国 であり、発生起源にも影響しているヨーロッパ のラテン諸語圏(主にポルトガル 、スペイン 、イタリア )を含めた音楽を指すこともある。
概要:特徴
ラテン音楽[ 2] とされるものには沢山のスタイルが存在し、アフリカ系アメリカ人 の音楽的伝統要素を持つ音楽や、ヨーロッパ (スペインなど)やアフリカ 、中南米、先住民族 の音楽が混じった物も存在する。かつては一部の人間により、ラテン音楽はアフリカの影響を全く持たないものであるとか、ヨーロッパや中南米先住民族の要素を持たないアフリカ音楽そのものである、といった二極論が展開されていたが、21世紀には、一般的にラテン音楽は、さまざまな音楽要素や地域性・民族性が融合したものであると見なされている。さらに言えば、スペイン音楽の様式と、アフリカ音楽のリズム 、ヨーロッパの和声 などはラテン・アメリカ諸国の音楽の要素であり、これはスカ 、レゲエ 、ジャズ 、ソウル・ミュージック 、R&B 、ファンク、ゴスペル、ブルースなどと共通点を持っている。
日本においては、特にスペイン語圏のものに限って用いられることも多く、ラテン音楽専門のレコードショップなどでは、ボサノヴァなどの洗練されたブラジル音楽を一切扱わない店もある。またブラジル音楽を愛好する人たちからも「ブラジル音楽はラテンではない」という意見もある。
詳細:音楽的特徴
ラテン音楽の浮き立つようなリズム はアフリカ直系の2拍子と3拍子の複合リズムや、現在のスペイン民謡や中南米各地の民謡に見られる8分の6拍子(2ビート)と4分の3拍子(3ビート)の交互進行である。ソンやサルサのように、これらのリズムが融合して発展したものも多い。
ラテン音楽のメロディ はフリギア旋法 に近い「ミの旋法」と呼ばれるスペイン起源の音階 が定番となっている。循環コード とソロ楽器の即興 という定番のコード進行 も、16世紀にヨーロッパで流行した流儀である。
ラテン音楽の歴史
戦前には、すでにタンゴが海を渡って、アルゼンチン以外の国にも伝わっていた。戦後になるとペレス・プラード のマンボや、トリオ・ロス・パンチョスによるマリアッチの影響を受けたポップスなどが人気となった。さらにティト・プエンテの「オイェ・コモバ」、モンゴ・サンタマリアの「ウォーターメロン・マン」、ウィリー・ボボの「イヴィル・ウェイズ」などの楽曲も発表された。プエンテとウィリー・ボボの曲は、ラテン・ロックのサンタナ が優れたカバーを発表し、ラテン世界以外にも広く知られるようになった。ラテン系のミュージシャンにはチーチ&チョンやティアラ、ロス・ロボスらもいる。
主なジャンル
関連項目
脚注
注釈
^ 必ずしも和製英語 というわけではないが、英語の"Latin music "は字義通りでは今日ほとんど伝わっていない「古代ローマ の音楽」を意味する。
出典
参考文献
外部リンク
国別
大アンティル諸島 小アンティル諸島
リーワード諸島 ウィンドワード諸島 リーワード・アンティル諸島
その他
旧オランダ領アンティル アンティグア・バーブーダ ヴァージン諸島 ガイアナ キューバ グアドループ コロンビア ジャマイカ スリナム セントクリストファー・ネイビス セントビンセント・グレナディーン セントルシア タークス・カイコス諸島 ドミニカ国 ドミニカ共和国 トリニダード・トバゴ ハイチ バハマ バルバドス プエルトリコ ベネズエラ ベリーズ ホンジュラス マルティニーク 関連項目