ラウル・ルイス (Raúl Ruiz, 1941年7月25日 - 2011年8月19日) は、チリの映画監督・作家。48年のキャリアの中で100本以上の作品を製作した[1][2]。
来歴
1941年7月25日、チリのプエルト・モントで生まれる[3]。父親は船長、母親は教師。神学と法律を学びながら、1956年から1962年の間にロックフェラー財団の支援を受けて100本もの戯曲を執筆した。1962年にアルゼンチンのサンタフェ映画学校に入学するも一年で中退。1963年にチリのテレビ局で編集スタッフとして働く傍ら、同年に最初の短編『La maleta』を製作する。1965年からはメキシコのテレビ局にも勤務した。その後、チリに帰国し、1967年に長編処女作『El tango del viudo』を発表。2作目の『Tres tristes tigres』(1968年)は翌1969年のロカルノ国際映画祭で金豹賞を受賞した。
その後も長編・短編を問わず矢継ぎ早に作品を発表していたが、1973年でチリでクーデターが発生するとフランスへ亡命。以後、パリを拠点に映画製作を行う。1999年にはマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の最終篇となる『見出された時』をジョン・マルコヴィッチ、カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアールらを起用して映画化した。2010年の『ミステリーズ 運命のリスボン』は4時間を超える大作であった。
2011年8月19日、パリにて70歳で死去した[4]。
作品
- 長編劇映画のみ記載。短編、ドキュメンタリー、テレビ映画なども多数製作。
- El tango del viudo (1967年)
- Tres tristes tigres (1968年)
- ¡Qué hacer! (1970年)
- La colonia penal (1970年)
- Nadie dijo nada (1971年)
- Palomita blanca (1973年)
- Palomilla brava (1973年)
- El realismo socialista (1973年)
- La expropiación (1974年)
- Diálogos de exiliados (1975年)
- La vocation suspendue (1978年)
- L'hypothèse du tableau volé (1978年)
- Jeux (1979年)
- Images de débat (1979年)
- Teletests (1980年)
- Musée Dali (1980年)
- Le borgne (1980年)
- The Territory (1981年)
- Het dak van de Walvis (1982年)
- 水夫の3クラウン Les trois couronnes du matelot (1983年)
- 海賊の街 La Ville de Pirates (1983年)
- La ville de Paris (1983年)
- Bérénice (1983年)
- Point de fuite (1984年)
- La présence réelle (1984年)
- ロック公国/ジャゾンIII世 Régime sans pain (1985年)
- アルマ橋で目覚めた男 L'éveillé du pont de l'Alma (1985年)
- Treasure Island (1985年)
- Mammame (1986年)
- Richard III (1986年)
- Dans un miroir (1986年)
- 盲目の梟 La chouette aveugle (1987年)
- Mémoire des apparences (1987年)
- Le professeur Taranne (1987年)
- Derrière le mur (1989年)
- The Golden Boat (1990年)
- La novela errante (1990年)
- Basta la palabra (1991年)
- L'oeil qui ment (1992年)
- Miroirs de Tunisie (1993年)
- ファドの調べ Fado majeur et mineur (1994年)
- Viaggio clandestino - Vite di santi e di peccatori (1994年)
- 三つの人生とたった一つの死 Trois vies & une seule mort (1996年)
- 犯罪の系譜 Généalogies d'un crime (1997年)
- 悪夢の破片 Shattered Image (1998年)
- 見出された時-「失われた時を求めて」より- Le temps retrouvé, d'après l'oeuvre de Marcel Proust (1999年)
- 夢の中での愛の闘い Combat d'amour en songe (2000年)
- 無邪気さの喜劇 Comédie de l'innocence (2000年)
- Les âmes fortes (2001年)
- ある日 Ce jour-là (2003年)
- Une place parmi les vivants (2003年)
- Vertige de la page blanche (2003年)
- Responso (2004年)
- Días de campo (2004年)
- Le domaine perdu (2005年)
- クリムト Klimt (2006年)
- 贈り物 Le Don (2007年) オムニバス『それぞれのシネマ』の一篇
- Agathopedia (2008年)
- La maison Nucingen (2008年)
- El pasaporte amarillo (2009年)
- A Closed Book (2010年)
- ミステリーズ 運命のリスボン Mistérios de Lisboa (2010年)
- 向かいにある夜 La noche de enfrente (2012年)
脚注
外部リンク