マーク・リボー [ 1] (Marc Ribot、1954年 5月21日 - )は、アメリカ合衆国 のギタリスト 、作曲家 。主に実験音楽 、フリー・ジャズ の分野で活動し、また、トム・ウェイツ 、SION 、エルヴィス・コステロ 等のシンガーソングライター とも共演している。
来歴
ニュージャージー州 ニューアーク 出身。
1978年 にニューヨーク に移り、ジャック・マクダフ やウィルソン・ピケット のバック・バンドを経て[ 2] 、1984年 、ラウンジ・リザーズ にアート・リンゼイ の後任として加入。個人では、ジョン・ゾーン のメジャー・デビュー作『復讐のガンマン〜エンニオ・モリコーネ作品集 (The Big Gundown)』の制作にも協力した。その後、ラウンジ・リザーズのメンバーとジャズ・パッセンジャーズ を結成。
セッション活動
セッション・プレイヤーとしてジョン・ルーリー と共にトム・ウェイツ 『レイン・ドッグ 』(1985年)に参加、その後もウェイツのアルバム制作やツアー・メンバーに加わり、日本でリボーのプレイは高い評価を得る。日本のシンガー・ソングライターSION のアルバム『春夏秋冬 』(1987年)にも参加し、以後、SIONと親交を深めていった[ 3] 。リボーの表現力は多くのシンガーに共感を得る存在となり、ビートニク のアレン・ギンズバーグ とポール・マッカートニー が連名で発表したシングル「Ballad of the Skeletons」(1996年 )に参加している[ 4] 。
また音楽プロデューサー のT・ボーン・バーネット が手がける作品に関与することとなり、エルヴィス・コステロ のアルバム『スパイク 』(1989年)への参加以降、度々共演するようになった。2007年 には彼のプロデュースした、アリソン・クラウス とロバート・プラント のアルバム『レイジング・サンド 』に参加し、アルバム発表後のツアーにも同行、レッド・ツェッペリン の曲などを演奏した。矢野顕子 との2008年 のアルバム『akiko 』の制作にも大きく寄与して、そのアイデアを生かしてレッド・ツェッペリンの曲を取り上げている。
ソロ、リーダー・グループ活動
1990年 、初のリーダー・アルバム『Rootless Cosmopolitans』をAntilles Records から発表、自作曲に加え、ジミ・ヘンドリックス 、ビートルズ 、デューク・エリントン の曲を独自の解釈で演奏している。またノイズ 、フリー・ジャズ をミックスしたグループであるシュレックや、キューバのギタリスト、アルセニオ・ロドリゲスの楽曲を演奏した『マーク・リボーと偽キューバ楽団』名義でライブ活動を行うことにより評価されている。サルサ の伝説、ジョー・バターンと共演する他、このバンドで2001年 に来日している。単独のギター演奏によるパフォーマンスやアルバムをリリースしていてビートルズ やアルバート・アイラー の曲がたびたび取り上げられている。また2005年 にはインディペンデントのレーベルPI Recordingsから、アルバート・アイラーのトリビュート・アルバム『Spiritual Unity』をヘンリー・グライムスとのカルテットで発表。アイラーの微妙なヴィブラートをギターで表現している。リーダー名義ではないがジャズ・パッセンジャーズ のヴィブラフォン 奏者であるビル・ウェア とのデュオ作『サー・デューク (Sir Duke)』でデューク・エリントン の楽曲を構築している。2007年 には、トリオ編成のセラミック・ドッグを結成、2008年 にファースト・アルバム『パーティー・インテレクチュアルズ』発表。
ジョン・ゾーン の主宰するレーベル 、ツァディク から、様々なカテゴリー(映画音楽 、現代音楽 、急進 的ユダヤ音楽 )のアルバムを制作している。
ギターそのものの特性を生かしたビブラート、スクラッチ、ピッキング・ノイズやアンプ、スピーカーを使った歪み、フィードバックなどに特徴があるのがマーク・リボーのギター・スタイルでもある。
共演アーティスト
「来歴」で触れたアーティストは除く。姓またはバンド名の五十音順。
他多数
※公式サイトのバイオグラフィー およびMarc Ribot>Credits(allmusic.com) を参考に選定。
ディスコグラフィ
オーストリアで演奏するマーク・リボー(2010年)
リーダー・アルバム
Rootless Cosmopolitans (1990年)
『レクイエム・フォー・ホワッツ・ヒズ・ネーム』 - Requiem for What's His Name (1992年)
Marc Ribot Plays Solo Guitar Works of Frantz Casseus (1993年)
『シュレック』 - Shrek (1994年)
Subsonic 1: Sounds of a Distant Episode (1994年) ※フレッド・フリス との連名
The Book of Heads (1995年) ※ジョン・ゾーン との連名
『ドント・ブレイム・ミー』 - Don't Blame Me (1995年)
Shoe String Symphonettes (1997年)
『キューバとの絆〜アルセニオ・ロドリゲスに捧ぐ』 - The Prosthetic Cubans (1998年) ※with Los Cubanos Postizos
Yo! I Killed Your God (1999年)
『!ムイ・ディベルティード! (めっちゃ愉快!)』 - ¡Muy Divertido! (2000年) ※with Los Cubanos Postizos
『セインツ』 - Saints (2001年)
Scelsi Morning (2003年)
Soundtracks Volume 2 (2003年)
Spiritual Unity (2005年)
Asmodeus: Book of Angels Volume 7 (2007年)
Exercises in Futility (2008年)
『パーティー・インテレクチュアルズ』 - Party Intellectuals (2008年)
Silent Movies (2010年)
『ユアー・ターン』 - Your Turn (2013年) ※with セラミック・ドッグ
『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』 - Live at the Village Vanguard (2014年) ※with Henry Grimes and Chad Taylor。マーク・リーボウ・トリオ名義
『ライヴ・イン・トーキョー』 - The Young Philadelphians: Live in Tokyo (2016年) ※with ヤング・フィラデルフィアンズ
『ホワイ・アー・ユー・スティル・ヒア?』 - YRU Still Here? (2018年) ※with セラミック・ドッグ
Songs of Resistance: 1942–2018 (2018年)
脚注
外部リンク