Share to: share facebook share twitter share wa share telegram print page

ヘジテイション・マークス

『ヘジテイション・マークス(Hesitation Marks)』
ナイン・インチ・ネイルズスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル エレクトロニカ
エレクトロ・ロック
時間
レーベル コロムビア・レコード
The Null Corporation
プロデュース トレント・レズナー
アッティカス・ロス
アラン・モウルダー
ナイン・インチ・ネイルズ アルバム 年表
ザ・スリップ
2008年
ヘジテイション・マークス
(2013年)
テンプレートを表示

ヘジテイション・マークス』(Hesitation Marks)はアメリカ合衆国インダストリアル・ロックバンドナイン・インチ・ネイルズ(以下、NIN)の8枚目のスタジオ・アルバム2013年9月3日にリリースされた。タイトルはリストカット時のためらい傷(傷痕)を意味している[1]。 2009年の活動休止後、初めて発表された作品であり、「イヤー・ゼロ~零原点…」以来、再びメジャーレーベルを通して発売された。第56回グラミー賞で最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞にノミネートされた[2]

背景

2009年2月にその年に行われるツアーをもって、当面の間、NINの活動を休止することがトレント・レズナー(以下レズナー)から発表された。ジェーンズ・アディクションとのジョイントツアーや8月のサマーソニックでの来日公演を含むツアーを終え、活動を休止した。

NINの活動休止後、レズナーは妻らと結成したハウ・トゥ・デストロイ・エンジェルスの活動を本格化させた。 またデヴィッド・フィンチャーが監督を務めた映画「ソーシャル・ネットワーク」(2010年公開)のサウンドトラックをアッティカス・ロスと共に担当した。同サウンドトラックは第68回ゴールデングローブ賞作曲賞[3]ならびに第83回アカデミー賞作曲賞[4]を受賞した。二人は続けて2011年にフィンチャーの次の作品「ドラゴン・タトゥーの女」のサウンドトラックを担当した。(2014年の「ゴーン・ガール」も手がけている。)

2012年にレズナーより活動再開が示唆され、翌2013年2月に正式に活動再開とツアー日程が公表された。その中には、7月に開催されるフジロックフェスティバルへのヘッドライナー出演も含まれていた[5]

製作、レコーディング

制作は2012年に始まり、1年を通して水面下に進められていた[6]。「ゴースツ I-IV」、「ザ・スリップ」と同じくアッティカス・ロス、アラン・モウルダーと共に制作された。 当初、インタースコープ・レコードより発売予定のNINのベスト・アルバムに新曲を2曲( "Everything" と "Satellite")収録するつもりでセッションを始めたところ、アルバムとして発表できるだけの曲ができた。

レコーディングには、フリートウッド・マックリンジー・バッキンガムザ・フーディアンジェロジョン・メイヤー・トリオ等の活動で知られ、本作リリース後のツアーの一部にも参加したピノ・パラディーノや、2005年以降NINのスタジオ・アルバム、ライブ活動に参加しているアレッサンドロ・コルティーニ、「ザ・フラジャイル」や「ゴースツ I-IV」にも参加しているエイドリアン・ブリュー、本作リリース後のツアーに参加したジョシュア・ユースティスアイラン・ルービンらが参加している。

アートワーク

アートワークは「ザ・ダウンワード・スパイラル」や「クロージャー」のパッケージデザインを手がけたラッセル・ミルズが再び起用された。 US盤と日本盤、オーストラリア/EU盤の通常CDはそれぞれアートワークが異なる。アートワークには、漆喰、油脂、アクリル、ワイヤーの他、血や土が使用されている[7]

リリース

「イヤー・ゼロ~零原点…」(2007年)をユニバーサル・ミュージックインタースコープ・レコード)からリリースして以降、「ゴースツ I-IV」、「ザ・スリップ」は自身の立ち上げたレーベル(The Null Corporation)からリリースしていたが、本作ではメジャーレーベルであるコロムビア・レコードよりリリースされた。

メジャーレーベルと再び契約することになったのは、アメリカ国外へも自作を適正な形で流通させるためだとしている[8][9]

公式サイトを通じて購入すると、通常のマスタリング版の他、“Audiophile Mastered Version” と呼ばれる高級オーディオ機器での再生用に特別にマスタリングされたバージョンをダウンロードできる[10]

アメリカでは、発売初週に107,000枚を売り上げ、Billboard 200で3位を記録した[11]。2013年12月までに187,000枚を売り上げた。 カナダでは、発売初週に12,000枚を売り上げ、NINとして初めて、アルバム・チャートで1位を記録した。9月にはゴールドディスクに認定された。 イギリスでは、12,286枚を売り上げ、バンド史上最高位となるチャート2位を記録した。

反響・評価

Metacriticによると、ケラング!ローリングストーン等、40媒体におけるレビュー平均は77/100であり、批評面では概ね好意的に評価された[12]

第56回グラミー賞で最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞にノミネートされた他、ローリングストーン[13]ステレオガム[14]スピンにおいて2013年のベスト・アルバム一覧に挙げられた。日本においても、rockin'onの”2013年ベスト・アルバム50枚!”において23位に選出された[15]

収録曲

"The Eater of Dreams"を除き、全曲、作詞作曲は、トレント・レズナー。("The Eater of Dreams"はアレッサンドロ・コルティーニとの共作。)

  1. The Eater of Dreams - 0:52
  2. Copy of a - 5:23
  3. Came Back Haunted - 5:17
  4. Find My Way - 5:16
  5. All Time Low - 6:18
  6. Disappointed - 5:44
  7. Everything - 3:20
  8. Satellite - 5:03
  9. Various Methods of Escape - 5:01
  10. Running - 4:08
  11. I Would for You - 4:33
  12. In Two - 5:32
  13. While I'm Still Here - 4:03
  14. Black Noise - 1:29

脚注

  1. ^ Hesitation Marks”. ローリング・ストーン. 2015年12月24日閲覧。
  2. ^ Grammy Awards 2014: Full Nominations List”. billboard. 2015年12月24日閲覧。
  3. ^ Winners & Nominees 2011”. 2015年12月24日閲覧。
  4. ^ The 83rd Annual Academy Awards”. the Internet Movie Database. 2015年12月24日閲覧。
  5. ^ NINE INCH NAILS、BJORK 出演決定!出演アーティスト第1弾発表!”. 2015年12月24日閲覧。
  6. ^ トレント・レズナー、ナイン・インチ・ネイルズの新作は完成していると語る”. RO69. 2015年12月24日閲覧。
  7. ^ ナイン・インチ・ネイルズ、新作のアートワークに実際の血を使用”. RO69. 2015年12月24日閲覧。
  8. ^ Trent Reznor on Nine Inch Nails’ Columbia Signing: ‘I’m Not a Major Label Apologist’”. SPIN. 2015年12月24日閲覧。
  9. ^ ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー、アルバムの価格の問題について語る”. RO69. 2015年12月24日閲覧。
  10. ^ nine inch nails:hesitation marks (audiophile mastered version)”. nin.com. 2015年12月24日閲覧。
  11. ^ Ariana Grande Debuts At No. 1 On Billboard 200”. 2015年12月22日閲覧。
  12. ^ Hesitation Marks by by Nine Inch Nails”. metacritic. 2015年12月24日閲覧。
  13. ^ 50 Best Albums of 2013”. Rolling Stone. 2015年12月24日閲覧。
  14. ^ The 50 Best Albums Of 2013”. stereogum. 2015年12月24日閲覧。
  15. ^ 「2013年ベスト・アルバム50枚!」『rockin'on』第43巻第2号、ロッキン・オン、2014年2月。 

外部リンク

Kembali kehalaman sebelumnya