フランス語訳聖書

聖書のフランス語訳の先駆者、ジャック・ルフェーヴル・デタープル
広く読まれてきた『エルサレム聖書』(1954年)はエルサレム・フランス聖書考古学学院に依る。

フランス語訳聖書(フランスごやくせいしょ、フランス語: Traductions de la Bible en français)は、キリスト教聖書フランス語への翻訳である。

概要

ラテン語聖書を使っていた中世にいくつか試訳が行われた後、近代になって様々に行われた[1]。最初にフランス語へ翻訳して印刷されたのは神学者人文科学者の『ジャック・ルフェーヴル翻訳聖書』で、1530年にアントウェルペンで行われた。これは1535年にピエール・オリヴェタン英語版により大きな改訂が行われた。この聖書は1550年にルーヴェンで出版された最初のカトリック聖書の基礎となっていて、これはニコラ・ドゥ・リューズ(Nicholas de Leuze)とフランソワ・ドゥ・ラルバン(François de Larben)の作である。そして、1695年に完成した『ポール・ロワイヤル聖書』(Bible de Port-Royal)、その改訂版(1724年)はカトリックおよびプロテスタントに広く読まれた。

フランス以外に住むフランス語使用者は、スイスの神学者の『ルイ・スゴン翻訳聖書』(1880年完成、フランス語略称:LSG)を使う人も多い。これは1975年から1978年にかけて現代フランス語も使用して改訂されて、この改訂版はアメリカ聖書協会からも出版されている。2007年には完全に現代フランス語に訳した『スゴン21』(Second 21)がジュネーヴ聖書協会から発行されている。

20世紀になってカトリック教徒に広く使われた聖書に、エルサレム・フランス聖書考古学学院により1954年に出版された『エルサレム聖書』があり、多くの注釈付きでプロテスタントにも尊重されている。この聖書の改訂版は『エキュメニカル訳聖書』(Traduction œcuménique de la Bible、略称:TOB)としてカトリック・プロテスタントの共同訳聖書として出版されて、その後日本の『共同訳聖書』および『新共同訳聖書』を含めた各国の共同訳に大きな影響を与えている。

現代語の翻訳ではまた、2000年に完成してビブリカ(Biblica)から出版された『種まく人の聖書』(Bible du semeur、略称:BDS)もあり、これは考えの上で『ルイ・スゴン訳聖書』に寄っており、より現代語に近い。それから、1987年に聖書協会世界連盟(英語略称:UBS、フランス語: Alliance Biblique Universelle)が出版した『現代フランス語聖書』(Bible en français courant、略称:BFC)もある。

ユダヤ教の聖書『タナハ』(キリスト教聖書の旧約聖書)のフランス語版『ラビの聖書』(Bible du Rabbinat)は、1906年に完成され、1966年に改訂された。

また、エホバの証人により、1974年に『新世界訳聖書』が出版され、1995年に改訂された。

フランス語聖書の一覧

中世・近代現代のフランス語聖書の一覧と各聖書の簡単な記述は、上のWikipediaフランス語版の記事にある。

フランス語比較

おもなフランス語聖書におけるフランス語の比較を示す

フランス語訳 創世記 (Genèse) 1章1節–3節 ヨハネによる福音書 (Jean) 3章16節
ルイ・スゴン翻訳聖書
Louis Segond (LSG)
Au commencement, Dieu créa les cieux et la terre. La terre était informe et vide: il y avait des ténèbres à la surface de l'abîme, et l'esprit de Dieu se mouvait au-dessus des eaux. Dieu dit: Que la lumière soit! Et la lumière fut. Car Dieu a tant aimé le monde qu'il a donné son Fils unique, afin que quiconque croit en lui ne périsse pas, mais qu'il ait la vie éternelle.
種まく人の聖書
La Bible du Semeur (BDS)
Au commencement, Dieu créa le ciel et la terre. Or, la terre était alors informe et vide. Les ténèbres couvraient l'abîme, et l'Esprit de Dieu planait au-dessus des eaux. Et Dieu dit alors: Que la lumière soit! Et la lumière fut. Oui, Dieu a tant aimé le monde qu'il a donné son Fils, son unique, pour que tous ceux qui placent leur confiance en lui échappent à la perdition et qu'ils aient la vie éternelle.
現代フランス語聖書
Bible en français courant (BFC)
Au commencement Dieu créa le ciel et la terre. La terre était sans forme et vide, et l'obscurité couvrait l'océan primitif. Le souffle de Dieu se déplaçait à la surface de l'eau. Alors Dieu dit : « Que la lumière paraisse ! » et la lumière parut. Car Dieu a tellement aimé le monde qu'il a donné son Fils unique, afin que quiconque croit en lui ne soit pas perdu mais qu'il ait la vie éternelle.
参照:
日本語訳

新共同訳聖書
初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。 神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。

脚注

参照項目

外部リンク

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