バブソン大学 (英語:Babson College )は、アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 のウェルズリー 町にある私立大学である。起業家 教育に特化した大学であり、アントレプレナーシップ の分野で世界的に高い評価を得ており、また、ファミリービジネス出身者が多く、卒業生・在校生を跨いだ繋がりにも強みを持つ。Enter Money Magazineが2014年に発表した「教育の質、投資価値、卒業生の年収」を元にした大学ランキングでは全米655の大学中1位とされたほか、2016年にはForbesが選ぶ「留学生が選ぶべき大学ランキング」で1位に選ばれた。
歴史
バブソン大学は、1919年に起業家 ロジャー・バブソン によって設立されたビジネス専攻に特化した教育機関である。設立当初は”Babson Institute”という名前だったが、1969年に”Babson College”に改名された。ロジャー・バブソンは、教室での授業とビジネス・トレーニングを組み合わせたカリキュラムを志向し、教授陣は学者ではなく、実務家 (ビジネスマン )で大半を構成するとともに、講義形式の授業を少なくし、実務的な経験・知識の獲得に重きを置いた。学生は、グループプロジェクトやクラスプレゼンテーションなど教室内の活動だけでなく、工場へ訪問し実際の生産工程を観察したり、企業のマネジャーや役員と会うなど、幅広い課外活動も行う。
The Babson Globe
キャンパス
ボストン の西20キロメートルにあるウェルズリー 町、バブソンパーク(Babson Park)にあり、敷地面積は1.4平方キロメートルに及ぶ。重さ25トン、直径8メートル50センチの大地球儀 (The Babson Globe)があり、キャンパスの象徴的存在となっている。この地球儀は、ロジャー・バブソンによって、1955年に20万ドルの費用をかけて造られた。1994年に修復工事が行われ、元は回転する仕組みとなっていたが、現在は回転しない。2005年現在において、世界で2番目に大きい地球儀である。
大学
バブソン大学には、学士課程(bachelor of science degree in business administration)と修士課程(master of business administration = MBA )がある。修士課程であるビジネススクール は、F.W.オーリン ビジネススクール(F. W. Olin Graduate School of Business)という名称である。2008年現在、3,439人の学生がバブソン大学に在籍しており、内1,851人が学部生である。
MBA
バブソン大学のMBA コースは、2020年現在、USニューズ(USニューズ&ワールド・レポート )のランキングで27年連続でアントレプレナーシップNo1に輝いている。他校でもアントレプレナーシップと呼ばれる授業はあるが、バブソンではその量、質ともに群を抜いている点が評価されている。会計や経済学の授業であっても、アントレプレナー(起業家)の立場であればどうすべきか議論され、すべての科目において“アントレプレナーシップ”がキーワードとなっている。
MBAコースは、1年制MBA、2年制MBA、イブニングMBA、ファストトラックMBAの4つのコースがある。2年制MBAは、約55人のクラスが3クラスあり、全体で160人程度と、他校と比べて学生の数が少ないのが特徴である。そのため、多くの教授はすべての学生の顔と名前を覚えるなど、教授の学生に対する面倒見がよい。インターナショナルスチューデントは、全体の40%ほどを占め、国際色豊かである。
卒業生
豊田章男 -トヨタ自動車株式会社代表取締役会長
岡田元也 -イオン取締役兼代表執行役社長
岡谷健広 -岡谷鋼株式会社代表取締役社長
ウィリアム・D・グリーン–アクセンチュア 元会長
ロジャー・エンリコ–ペプシコ 元会長
高橋徳行 -日本の経済学者。専門は起業学
阿部修平 -スパークス・グループ株式会社代表取締役社長
佐藤誠一-佐藤製薬 株式会社代表取締役社長
村田純一 -村田機械 株式会社代表取締役会長
清水陶治-東宝不動産株式会社代表取締役元会長
外部リンク