ネルテン=ハルデンベルク (ドイツ語 : Nörten-Hardenberg ) は、ドイツ連邦共和国 ニーダーザクセン州 ノルトハイム郡 に属すフレッケン (フレッケンは古くから市場開催権 など一定の権利を認められた町。以下、本項では便宜上「町」と記述する)である。
地理
ネルテン=ハルデンベルクはネルテンの森の西の張り出し部沿いを南北に流れるライネ川 の谷に位置しており、南はボーヴェンデン 、北は郡庁所在地のノルトハイム に接する。大学都市ゲッティンゲン は 10 km 南にある。北西約 20 km にゾリングがあり、北東約 30 km からハルツ山地が始まる。
ネルテン=ハルデンベルクとその集落内でいくつかの小川がライネ川に注ぐ。ハルステ川(パーレンゼン近郊)、ヴェーンデ川とローデバッハ川(ともにアンゲルシュタイン近郊)、エスポルデ川(リュトゲンローデ近郊)およびベーヴァー川(ネルテン=ハルデンベルク近郊)である。
隣接する市町村
ボーヴェンデン (南)、ハルデクゼン (西)、モーリンゲン (北西)、ノルトハイム (北)、カトレンブルク=リンダウ (東)
自治体の構成
以下の集落が、ネルテン=ハルデンベルクの地区に属す。
アンガーシュタイン(南部)
ビスハウゼン(東部)
エルヴェーゼ(北西部)
ネルテン=ハルデンベルク
パレンゼン(南西部)
ズーダースハウゼン(東部)
ヴォルブレヒツハウゼン(西部)
歴史
ネルテン=ハルデンベルク周辺の定住は、出土品が示すように、鉄器時代 にまで遡る。この地域は8世紀 初めにマインツ司教 によってキリスト教 化された。ライネガウの高台に位置するノルトガウに位置するこの村は、布教の出発点として好都合であった。その上、中世のハルスター軍用道路とライネタール街道との分岐点に位置するこの場所では、古くから歳の市が開催されていた。この世紀の中頃には聖マルティーニ教区教会の礎が築かれた。800年から1000年までの間にネルテン近郊のライネンホルツに城砦が建設された。995年 にこの村が初めて文献に記録された。その60年後に聖ペーター修道院 が設立されている。1098年 と1103年 にマインツ司教ルートハルトがネルテンに滞在した。この頃、城砦は堅牢に改築された。この改造については1105年 の文献に初めて記載されている。また、ネルテン助祭長 区が創設された。1500年 頃にはこの助祭長区はアインベック を包含し、西はゾリングからリッポルツベルクとハン・ミュンデン との間付近を境界としていた。また、南はヘーデミュンデン(現在はハン・ミュンデンの市区)、フリートラント 、ルステンフェルト 、エッツェンボルン(現在はグライヒェン の一部)までを管轄した。その2年前にシュタイナ修道院(後のマリエンシュタイン修道院)が設立された。ネルテンは助祭長所在地であり、この地方の行政中心となった。城砦は1287年 にマインツ司教から貴族のハルテンベルク家とロスドルフ家に担保として出された。1303年 、フレッケン特権がハルデンベルク家に移譲された。1346年 にこの町は修道院とともに完全に破壊された。1357年 にハルデンベルク家の当主が城砦の所有者として現れた。ネルテンは、1360年 にフランクフルトの都市特権を有する都市となったが、1365年 に再び破壊された。おそらく1369年 から1389年 までの間に市場町の再建が行われた。こうした事情は、市場税の納付や通関税の引き上げなどから研究がなされており、ネルテンは既述の2つの街道に面する位置にあることで利益を得ていた。この事が、交易の刺激が司祭町区の設立など町の社会資本に強い影響を及ぼし易い傾向を形成していたと考えられている。
マテウス・メーリアンの銅版画に描かれた1654/1658年頃のハルデンベルク城とネルテンの町
1599年 と1616年 に大火が起き、それぞれ町のかなりの部分が焼失した。1700年 に伯爵家の穀物酒の蒸留所が設立された。ネルテンでは1717年 から、年3回の市場が開かれるようになった。マインツ司教は、ハルデンベルク家のネルテンにおける所有権と裁判権の請求を1744年 に最終的に認可した。1812年 に修道院は解散した。1851年 、ハルデンベルク家の貴族裁判権は解消され、1852年 から1859年 までネルテンは王の直轄地となった。1854年 にネルテンはハノーファー南鉄道のルートに入った。1873年 にネルテンに製糖工場が開業した。1885年の行政改革によりネルテンはノルトハイム郡に属すフレッケンとなり、その区裁判所が裁判を管轄することとなった。1894年にカトリックのマルティーニ教会が新しく建設され、10年後にプロテスタント=ルター派の教会が建造された。
1928年 から1929年 に「市町村管理法修正規則」に基づき、マリエンシュタインとハルデンベルクがネルテン=ハルデンベルクに統合された。この際の法令は当時のプロイセン 宰相オットー・ブラウン と内務大臣アルベルト・グルツェンジンスキによって議会を可決したもので、一方では地方の民主化を、他方では自治体の管理維持費の削減を意図したものであった。
1947年 にライヤースハウゼン近郊のローデタールで肥料工場「ケーニヒスハル=ヒンデンブルク」が活動を再開した。1958年 に重要な南北の交通軸の一部となるアウトバーン A7号線のネルテンからノルトハイム の区間が開通した。1974年 に地域再編・行政改革がなされた。1987年 にフランス のボンドゥフル との姉妹自治体 協定が締結された。
貴族家
おそらくネルテンに起源を持つと考えられる貴族家ネルテン家は、中世後期に断絶した。最後の頃は近隣のゲッティンゲンに拠点を置いていたと考えられている。
1000年頃には、マインツ大司教の領主代行として非貴族の一門がネルテン城に拠った。この一門は、一貫した家族経営・領土経営に成功し、ネルテンで土地と権利を取得した。彼らはその後、その城がハルデンベルクにあったことにちなんでフォン・ハルデンベルクと称するようになった。現在もこの町には、フォン・ハルデンベルク家の末裔が住んでいる。この一門では、プロイセンの宰相で、国家改革を推進したカール・アウグスト・フォン・ハルデンベルク (1750年 - 1822年)が特に有名である。
行政
姉妹自治体
文化と見所
ハルデンベルク城趾
ハルデンベルク城趾
中世の地下墓室を持つマリエンシュタイン修道院
聖マルティン教区教会
ネルテンのユダヤ人墓地
シュティフツ広場のキリスト十字架像
スポーツ
ネルテン=ハルデンベルクでは毎年、ブルク・トーナメントが開催される。これは国際的な障害飛越競技 の重要な大会である。ネルテン=ハルデンベルクには、射撃ハウスやテニスコートをはじめ、多くの体育館や競技場がある。SSVネルテン=ハルデンベルクは「アン・デア・ビュンテ」でサッカー のホームゲームを行っている。近郊には36ホールのゴルフ ・リゾートもある。
年中行事
6年ごと(2011年現在最後に開催されたのは2009年)に伝統的なシュッテンホフが何日にもわたって開催される。この祭は木曜日にシュッテンホフを掘ることから始まる。祝祭テントでの様々な音楽イベント、献花、大規模な祝祭パレードなどが行われ、シュッテンホフをマルクト広場に埋める花火大会で幕を閉じる。
伝統的な「金の鞭」騎馬・障害飛越大会は毎年夏に城址の麓で開催され、世界の乗馬界のエリートが参加する。この大会が閉幕する土曜日の晩に行われる城から発射される大規模な花火大会は特別な経験である。
経済と社会資本
ネルテン=ハルデンベルクには穀物酒蒸留所ハルデンベルク=ヴィルテンAG(創業1507年)の本社があり、南部の工業地区には工業用グリップ製造・表面加工技術のスペシャリストであるローデAG(創業1925年)がある。
リュトゲンローデ地区にはジュース製造のバッカース・ベスター(創業1932年)が本社を置いている。
参考文献
Nörten-Hardenberg . 6. Auflage. Mering: WEKA, Informationsschriften- und Werbefachverlag, 1997. 26 S.
Flecken Nörten-Hardenberg : Hrsg. in Zusammenarbeit mit dem Flecken Nörten-Hardenberg. - Nordhorn: BVB-Verlags-Gesellschaft, 2007, 36 S.
Adolf Kellner (Hrsg.): Nörten-Hardenberg : mit den Ortsteilen Angerstein, Bishausen, Elvese, Lütgenrode, Parensen, Sudershausen, Wolbrechtshausen ; gestern und heute . Geiger, Horb am Neckar, 2005. ISBN 3-86595-033-7
Anne-Christin Wien: Nörten-Hardenberg : eine Siedlung der jüngeren vorrömischen Eisenzeit ; die Grabung 1984 . Halle an der Saale, 1994.
Carl Osseforth: Geschichte der St.-Martini-Kirche und des Chorherrenstiftes St. Peter zu Nörten-Hardenberg . Lax, Hildesheim, 1955.
Alfred Bruns: Der Archidiakonat Nörten . Vandenhoeck & Ruprecht, Göttingen, 1967. (Zugleich: Göttingen, Univ., Diss., 1967)
これらの文献は、翻訳元であるドイツ語版の参考文献として挙げられていたものであり、日本語版作成に際し直接参照してはおりません。
引用
外部リンク