ナンキンオシ(南京鴛、学名:Nettapus coromandelianus)は、カモ目カモ科に分類される鳥類の一種。
分布
中国南部、南アジア(パキスタン、インド、バングラデシュ)、東南アジアで繁殖する。中国南部で繁殖した個体は、冬季インドネシアやオーストラリア等の南方に渡り越冬する。
日本では、沖縄県与那国島で1972年3月[1][2][3]、沖縄県多良間島で2010年6月に[4]観察されている。また、2010年5月には大阪府でも観察されており、この個体には、足環などの飼育されていた痕跡はなく、関西の動物園でも本種を飼育していた動物園はなかったことから、自然渡来した可能性が高いと考えられる[5]。
形態
全長約33cm。日本で記録されたカモ科の鳥としては、最も小型の種類に属する。雄成鳥は頭部は白色だが、額から頭頂は黒褐色。背中から尾は黒色で体の下面は白色である。雌の成鳥は、顔の茶色の通眼線があり、体の上面はやや褐色味をおびる。
生態
淡水域の湖沼や湿地、河川、マングローブ林などに生息し、小群かつがいで行動する。
食性は植物食で、水草や植物の種子などを食べる。こうした食物を、水中に頭をつけて採る。
繁殖形態は卵生。樹洞に営巣する。1腹6-8個の卵を産み、抱卵日数は22-24日である。
亜種
以下の2亜種に分類されている。
- Nettapus coromandelianus coromandelianus ナンキンオシ
- Nettapus coromandelianus albipennis オオナンキンオシ
絶滅危惧評価
参照・注釈
参考文献
- 上田恵介監修 『小学館の図鑑NEO 鳥』 小学館、2002年、136頁。
- 『世界の動物|分類と飼育 ガンカモ目』、財団法人東京動物園協会、1980年、44頁
外部リンク
関連項目
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