HD DVDでは、ドルビーTrueHDが必須コーデックとなっており、HD DVDプレーヤーでは、2.0chステレオのドルビーTrueHDビットストリームの伸張と復号をサポートが義務付けられている。ただし、実際のHD DVDプレーヤーは5.1chサラウンドのデコードをサポートしていた。また、ドルビーTrueHDの音声トラックのみを収録という形態も可能となっている。実際にドルビーTrueHDを再生する場合は、再生機器と視聴機器のHDMIケーブルの接続も必須となり、S/PDIFを使用すればドルビーデジタルに音源が劣化してしまう。
BD-Videoでは、ドルビーTrueHDはオプションの1つであり、補助音声トラックとして存在する。Blu-rayプレーヤー側で再生必須なコーデックはリニアPCM、ドルビーデジタル、DTSデジタルサラウンドのみとなっており、すべてのBlu-rayプレーヤーがドルビーTrueHDの再生をサポートしているわけではない。また、競合規格のDTS-HDマスターオーディオの方がライセンス代が安い傾向にあるため、近年のブルーレイは、通常ドルビー規格はドルビーデジタルで歯どまりする傾向にあり、代わりにDTS、DTS-HDを両者とも一枚のBD-ROMに含有させる傾向にある。
HD DVDでもBD-Videoでも、ドルビーTrueHDの機能自体は同じで、最大7.1chサラウンド(96kHz/24bit)となっている{BD-Videoでは、5.1chサラウンド(192kHz/24bit)というエンコードも可能}。最大ビットレートは18Mbpsで、実際の映画タイトルのビットレートは5Mbps程度が割り当てられている。ドルビーTrueHD はダウンミキシングが可能であり、プレイヤーは必要に応じて、例えば5.1chサラウンドの音声トラックから2.0chステレオ信号を生成できる。