ドミニオン(dominion, Dominion)は英語の一般的な単語で、頭文字が小文字のdominionでは「支配権」や「支配領域」を元来は意味し、頭文字が大文字のDominionの場合は「自治領」を意味していた。そのためかつてイギリス帝国領土だったカナダ・インド・パキスタンなど各地で使われていた。例えばその当時のカナダ正式名称はDominion of Canadaであり、あるいはインドの正式名称はDominion of Indiaであり、そしてこれらの国では略して自国のことを単にドミニオンと呼んだ時期があるため、一部地域ではドミニオンは自国を示すニュアンスがある。
また、聖書には詩篇72番8節(欽定訳聖書による):He shall have 'dominion' also from sea to sea, and from the river unto the ends of the earth.(王が海から海まで、大河から地の果てまで、'支配'しますように)という記述があり、ここで記述される支配には抑圧的な支配ではなく、穏やかで平和的な秩序だった世界というニュアンスが含まれる。よって単語の訳語としては支配ではあるが、含まれるニュアンスは日本語の支配とは幾分違う。このニュアンスが違う「支配」を司る天使である主天使もドミニオン(Dominions)と使われるため、それらから天使名から派生した名称も存在している。
欧米では比較的良い印象があり、独立や自立、あるいは平和や平穏に近いイメージ、あるいは他の干渉を受け付けないというニュアンスがある単語でもあるため、企業名などに使われることも多い。カナダ5大銀行であるトロント・ドミニオン銀行や、アメリカの電力会社ドミニオン・エナジー、あるいは投票システムを提供するドミニオン・ヴォーティング・システムズなどもこの名称を冠している。また、変わったところではゲームの名称や漫画名、曲名、軍艦名、プロレス興行名、SF上での名称などにも転用されている。
領土、領地の意味からの派生
企業、商業、興行
主天使に由来する名称
イギリス海軍の艦艇