『トゥームストーン』(原題: Tombstone)は、1993年制作のアメリカ合衆国の西部劇映画。
概要
世に言う「OK牧場の決闘」と、それに関連する抗争を題材にした西部劇映画。
トゥームストーンの町を主な舞台に、アープ兄弟と無法者集団「カウボーイズ」との抗争が描かれている。ジョージ・P・コスマトス監督。ワイアット・アープはカート・ラッセル、ドク・ホリデイはヴァル・キルマーが演じた。中盤で「OKコラル銃撃戦」を描き、その後のヴァージル・アープ闇討事件、モーガン・アープ殺害事件を経て、ツーソン駅構内でのワイアットによるフランク・スティルウェル殺害と報復開始宣言から「カウボーイズ」の殲滅までが描かれている。
アクションを重視した娯楽作品だが、史実に基づく設定(完全に忠実というわけではなく演出的な変更はある)に、こだわって作られている。
同一事件を描く従来の作品では、クラントン一家を敵役とし、両者の抗争の決着をOK牧場での決闘でつける、というストーリー形式のものが多い。史実は、クラントン一家をメンバーに含む集団とアープ一家との政治的背景を伴う対立が、OKコラル近辺の写真館横の空き地で半ば突発的に起こった銃撃戦を契機に、実力行使状態に陥り、闇討の殺害事件を経て、それぞれ別の保安官資格をもつ両者が互いに相手集団を無法者呼ばわりして法執行の名のもとに付け狙うという異常事態に発展したのが真相である。初めて史実の流れに基いて作られた映画がジョン・スタージェス監督の『墓石と決闘』で、それ以降に同事件を題材として作られる映画は、史実の流れに基づいたストーリーの組立をおこなっている作品が多い。
本作品では、「カウボーイズ」のリーダー格としてカーリー・ビル・ブロシャスとジョニー・リンゴをクローズアップしている[3]。OKコラル銃撃戦に居合わせなかった両者それぞれとの決戦は、アイアン・スプリングスでのカーリービル一味の待ち伏せ事件と、オークグローブでのリンゴとドク・ホリディとの決闘[4]として描かれており、これをもって作品全体のクライマックスとしている。
作品冒頭のナレーションはロバート・ミッチャムが担当しており、そこで流れる映像は映画史上最初の西部劇と言われている『大列車強盗』を意識したものとなっている。
ビリー・クレイボーン役で、ワイアット・アープ三世がカメオ出演している。
キャスト
※括弧内は日本語吹替。
- 保安官。疲弊しきっている妻のために前の仕事をやめてトゥームストーンに来た。丸腰でありながらガンマンを威圧する威厳を持つ。
- 悪党。ワイアットの旧友。ギャンブラーでもあり一流のガンマン。酒場の用心棒もやっている。しかし、肺を病んでいる。
- ワイアットの兄。
- ワイアットの弟。
- 一味を率いている男。薬物を使っている。
- ガンマン。血も涙もないとされる。
- 舞台女優。トゥームストーンで出会ったワイアットに惹かれる。
- ドクの恋人。銃を扱える。
- 牧場主。
- 郡保安官。しかし悪党を抑え込む力はない。収税吏でもある。
- 市長。
- クラントン兄弟の一人。ドクとのポーカーゲームでイカサマしたと突っかかる。
- クラントン兄弟の一人。
- ワイアットの妻。
- ヴァージルの妻。
- モーガンの妻。
- 執行官。ビルに撃ち殺される。
- ジョセフィーンと一緒にトゥームストーンに来た男。
- ギャンブラー。
- ギャンブラー。
参考文献
- ^ “Tombstone”. The Numbers. 2011年3月15日閲覧。
- ^ “Tombstone”. Box Office Mojo. 2011年3月15日閲覧。
- ^ 史実ではオールド・マン・クラントンはOKコラル銃撃戦より前の時点でアープ兄弟との抗争とは無関係に亡くなっており、アイク・クラントンは銃撃戦現場に居合わせたが銃を持っておらず逃走している。
- ^ 史実のジョニー・リンゴはゲイリービル近辺で死体として発見されており、状況から見て自殺の可能性が高いとされている。ワイアットが殺したとの説はあるが、真相は不明。
関連作品
外部リンク
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