チャーチル・カレッジ (Churchill College) は、ウィンストン・チャーチルを記念して1958年に設立された、イギリスのケンブリッジ大学を構成するカレッジの一つ。
歴史
1955年、首相退任後程なくして、シチリアで休暇を過ごしていたチャーチルは、ジョック・コルヴィル(英語版)及びフレデリック・リンデマン(英語版)と共に、新たな教育機関の設立について話し合った[1]。チャーチルは、アメリカのマサチューセッツ工科大学に強い感銘を受けており、そのイギリス版のようなものを求めていた。だが、より穏当に、科学・技術を専門とするカレッジをケンブリッジ大学に創設する方向へと計画は進んでいった[2]。もっとも、チャーチルは、科学者以外の者も含めて総合的な教育・環境を学者やフェローのために確保したいと考えていた。そのため、土地経済学と神学・宗教学を除いた全分野(ただし、後に転部してこれらを専攻することも可能)で学生を受け入れることになった。
最初の大学院生は1960年、学部生はその1年後から受け入れが始まり、1966年に完全なカレッジとしての承認が得られた[3]。当初の受入学生はすべて男性であり、1972年まで女性の学部入学は許可されていなかった。
科学・技術系に偏った傾向は現在のポリシーにおいても見られ、毎年、受入学生のうち約70%は科学技術系専攻でなければならないと規定されている[4]。また、カレッジ生のうち3分の1は、大学院進学志望者となるよう努めるとの規定もある。
ケンブリッジ大学ラジオ(後のCam FM)は、1979年から2011年までチャーチル・カレッジから放送されていた[5]。
建造物
伝統
チャーチル・カレッジは比較的新しいカレッジであり、近代的かつ進歩的であることを誇りとしている[6]。伝統といえるものも比較的少ない。フォーマル・ホール(英語版)(時間は固定、給仕付き、出席者はガウン着用)の代替として、インフォーマル・ホール(カフェテリア形式の食事)が1971年から導入されている。限られた大学の晩餐会を除き、フォーマル・ホールでも学生らのガウン(英語版)着用は義務付けられていない[7]。
入学晩餐会(Matriculation Dinner)や学者の宴(Scholars' Feast)といった特別な食事会の際、学寮長は、まず女王に、次に「ウィンストン卿に」乾杯を行う。その他のフォーマル・ホールでは、フェローが退席した後、上級生によって通常行われる。後者の伝統は2000年代初頭に始まったもので、学生らが乾杯の音頭をまず「ウィンストン卿に」、次に「女王に」と逆の順番で言っていたのが習わしとなったものである。
ノーベル賞受賞者(卒業生及び所属研究者)
著名な卒業生
脚注
External links
座標: 北緯52度12分45秒 東経0度06分13秒 / 北緯52.2126度 東経0.1036度 / 52.2126; 0.1036