ダガーラは、東宝の特撮映画『モスラ2 海底の大決戦』に登場する架空の怪獣。
ニライカナイの古代文明の科学者により、高度な遺伝子操作技術を用いて汚染された海の汚染物質を食べさせるために古代の海洋生物のDNAと毒を食べるバクテリアの遺伝子を合成して作り出された遺伝子怪獣[出典 9]。当時、発生していた海洋汚染を改善するための生体海洋浄化システムとして誕生したが、体内で取り込んだ海洋汚染物質を濃縮してベーレムと呼ばれる生物を大量に変換・排出する欠陥の性質を持った結果、それによる汚染を拡散させてニライカナイ文明を滅ぼした[出典 10]。その後は海底にて長い眠りについていたが、現代において化学物質の影響で再び海洋汚染が進んだことをきっかけに復活すると[1]、原子力潜水艦を破壊して石垣島に上陸し[6]、本能でニライカナイの遺跡(ピラミッド)に自身への脅威になる存在があると察し、それを破壊しようとする[15]。
極めて凶暴な性格で、水棲に適した形態の前足に水かきを持ち、後脚は鰭となっているほか、上空から攻撃するモスラに対抗するため、背面の翼を巨大化させて大幅に機動力を向上させた飛行形態[出典 11]に自己進化して空を飛び[16]、口からは猛毒を視覚化した光線を吐く。水中戦を得意としており、モスラを海へ引きずり込んで崖に激突させるなど知能や戦闘力も高く[15]、絶体絶命の窮地に追い込む。また、両肩の口状の器官からベーレムを吐き出す。
ニライカナイ遺跡の2度目の襲撃直前には、ベーレムによる毒攻撃が効果的と判断して閃光とともに両肩の排出口が肥大化し、翼が大きくなった最終形態[出典 12](完全体[出典 13])に進化する。一度に撃ち出せるベーレムの数が増え、格段に攻撃力が上がり、射撃精度や射程距離も上がっている[15]。水中モードに変身したモスラとの水中戦の末、ミクロ化したモスラに体内のベーレム発生器官を破壊されて力尽きると、最後はモスラに引き上げられてピラミッドの上に激突し、ともに爆発して消滅した。
『月刊コロコロコミック』に掲載された坂井孝行による漫画版では、「ダガーラ」とは古代ニライカナイ語で掃除機を意味する単語であり、ダガーラの正体は汚染された海を浄化するために生体改造された1匹の小さな魚だった。モスラに敗れた後、ダガーラはベルベラに「母親に再会する夢を諦めてモスラを助けた航平のような人間がニライカナイにいれば、自分が改造されることはなかっただろう」と言い残して息絶える。ベルベラの手には1粒の魚卵が遺され、彼女はその卵にイードゥ(親友)という新たな名を与えた。
作中では、超重龍爆炎を放つ際に肩の2つの棘が開く描写がある。
2017年公開のアニメ映画『GODZILLA 怪獣惑星』では、人類がオーストラリア大陸を失う原因となった怪獣であることが、公式サイトで説明されている[34]。
その前日譚である小説『GODZILLA 怪獣黙示録』では、2017年11月末に初確認され、アメリカ海軍のシーウルフ級原子力潜水艦「シーウルフ」が南緯47度9分 西経126度43分 / 南緯47.150度 西経126.717度 / -47.150; -126.717の深海にて接触したものとされる。2週間後、アメリカ領サモアにてニミッツ級空母「サラトガ」所属機をはじめとするアメリカ海軍との交戦で負傷するが、ベーレムの毒のために追撃できなかった軍を尻目に海中へ姿を消す。その3日後には、パゴパゴ港へベーレムが流れ着いたことによる細菌感染症で住民の3分の1が死亡し、公式記録ではこれが初の存在確認ということになっている。さらに2週間後の12月25日には、毒素への危惧からオーストラリア海軍が攻撃できなかったため、シドニーへの上陸を許してニューカッスルまで蹂躙されてしまい、首脳部の壊滅で一時的な政府機能の混乱の中で下された攻撃命令により、致命傷を負う。しかし、瀕死で飛行して海中で死亡したために海洋がベーレムで汚染されてしまった結果、後に「赤いクリスマスの惨劇」と呼ばれるパンデミックと飢餓が発生し、海洋汚染で外国からの救援も受けられず2018年までに300万人が犠牲となり、推定で約670万人が死傷したされている[35]。