既存のバイナリの実行プログラムの持つ並列性にはばらつきがある。ものによっては命令間の依存が全く無く、常に並列に実行可能なこともある。逆に依存関係が多く、並列性がほとんどない場合もある。例えば、a = b + c; d = e + f という命令列は依存関係がないため、並列に実行可能である。しかし、a = b + c; b = e + f という命令列は依存関係があるため、並列に実行することはできない。
同時に実行可能な命令数が増えると、依存関係をチェックするコストも急激に増大する。また、そのチェックをCPUのクロックに合わせて実行時に行わなければならないという事実が事態をさらに悪化させる。研究によれば、命令の種類を n、同時実行可能な命令数を k としたとき、依存関係チェックの回路規模は 、時間は かかるとされている。数学的には、この問題は順列における組合せ数学の問題である。
マイク・ジョンソン著、村上和彰監訳、『スーパスカラ・プロセッサ- マイクロプロセッサ設計における定量的アプローチ -』、日経BP社、ISBN 4-8227-1002-5 (原著 Mike Johnson, Superscalar Microprocessor Design, Prentice-Hall, 1991, ISBN 0-13-875634-1)
Sorin Cotofana, Stamatis Vassiliadis, "On the Design Complexity of the Issue Logic of Superscalar Machines", EUROMICRO 1998: 10277-10284
Steven McGeady, "The 1960CA SuperScalar Implementation of the 80960 Architecture", IEEE 1990, pp. 232-240
Steven McGeady, et al., "Performance Enhancements in the Superscalar i960MM Embedded Microprocessor," ACM Proceedings of the 1991 Conference on Computer Architecture (Compcon), 1991, pp. 4-7