スモークサーモン(英: smoked salmon)あるいは燻製サケ(くんせいサケ)は、魚料理のひとつ。塩漬けしたサケを燻煙乾燥して燻製にしたもの。
スモークサーモンには脂乗りのよいキングサーモンが向いており、日本ではベニザケが使われることも多い。日本では燻製法は冷燻が一般的で、あらかじめしっかり塩漬けにし、塩抜きと乾燥ののち、20 °C前後の温度で時間をかけて燻煙する。またこのようなスモークサーモンは欧米ではロックスと呼ばれる。欧米では一般的にスモークサーモンといえば火を通したものを指す。
そのままスライスして食べるほか、サラダやマリネ或いはサンドイッチの具としても用いられる。クリームチーズとの相性が良く、この組み合わせはベーグルサンドの代表的な具材としても知られる。
日本での生産
1954年(昭和29年)東京都江東区で設立された三洋食品の創業者佐々木敬一は昭和31年頃に都内のホテルの料理長より北欧風のソフト・スモーク・サーモンの存在を聞きつけ、開発に着手した。東京會舘並びにパレスホテルの支援と助言を得ながら、2年の開発期間を経て1958年(昭和33年)にアラスカから輸入したキングサーモンを原料とした、日本初のソフト・スモーク・サーモンが完成し、東京會舘、パレスホテルを中心にデビューした[1]。
1961年(昭和36年)、苫小牧市に工場を持つ王子製紙の副社長らが視察でヨーロッパに訪れた。苫小牧沖の鮭からスモークサーモンが作られていることを知った彼らは、帰国後に製法を研究し、1965年(昭和40年)に販売をはじめた。1967年(昭和42年)に王子サーモンを製造し、苫小牧沖でとれたマスノスケを原料にした。これが日本でのスモークサーモン製造のはじまりという。やがて苫小牧沖でのマスノスケ漁獲が減少し、同社の原料の大半は輸入鮭に切り替わった[2]。
脚注
- ^ 『男の軌跡-風雪波乱のひと 第七集』1988年 日刊工業新聞編集局編 にっかん書房)
- ^ 山下諭市「スモークサーモン」、石毛直道・奥村彪生・神崎宣武・山下諭一・編『日本の郷土料理』1(北海道・東北I)80-81頁、ぎょうせい、1986年。王子サーモン株式会社「会社案内」、2012年1月閲覧。山下「スモークサーモン」は発端のヨーロッパ旅行を昭和38年(1963年)のことと記す。
関連項目