FAAによる空港配置図(2013年5月)
ジョン・F・ケネディ国際空港 (ジョン・F・ケネディこくさいくうこう、英: John F. Kennedy International Airport ) (IATA : JFK , ICAO : KJFK , FAA LID : JFK ) は、アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク市 クイーンズ区 にある国際空港 。
略称としてJFK空港 (JFK Airport)と呼ばれる。旧名アイドルワイルド空港 (Idlewild Airport)。
概要
ニューヨーク/LGA 、ニューアーク とともにニューヨーク都市圏を代表する空港で、その管理・運営・警備 はすべて同地域の地域開発公団であるニューヨーク・ニュージャージー港湾公社 が行っている。
巨大都市 ニューヨークの空の玄関口であるケネディ国際空港は、アメリカを代表する国際空港のひとつで、50を超える国々から100社近い航空会社の定期便が就航、1日の国際便の離着陸は400件に達する。2019年の旅客数は6255万人で、アメリカの空港では6位だった。
4本の滑走路と6つのターミナルを持ち、面積は約2100haで成田国際空港 の約2倍である。
ジョン・F・ケネディ国際空港はデルタ航空 とジェットブルー航空 がハブ空港 にしているほか、アメリカン航空 も準ハブ空港の一つとしており、アメリカ北東部の航空網の中心である。なお、アメリカ以外の航空会社としてブリティッシュ・エアウェイズ の専用ターミナルが存在していた。
歴史
B747SP誕生のきっかけとなった空港
当時パンアメリカン航空の本拠地であったこの空港は、ロンドン ・パリ/CDG ・ローマ からはノンストップで行けるのに対し、日本 からのアクセスは747就航後でもアンカレジ またはホノルル ・シアトル ・ロサンゼルス/LAX を経由する必要があった。そこで、極東からJFKまでの無着陸飛行のためにボーイング社が開発したのが超長距離用747SPである。1976年4月25日、パンアメリカン航空により、世界で初めて同空港から東京 への無着陸直行便が就航した。
構造と機能
第3ターミナル(1960年代)
4本の滑走路が中央ターミナル を囲み、それぞれがペアで平行に走っている。13R-31L滑走路は商用滑走路としては北米最長の4440m。
1948年 から1957年 まではターミナルが1つしかなかった。その後国際線到着ターミナルは老朽化のために14億ドル掛けて2001年 に第4ターミナルとして改装された。その他8つのターミナルは1958年 から1971年 にかけて各ターミナルはそのターミナルのメインとなる航空会社によって設計され作られた。これらのターミナルは貨物の取り扱いに関しても非常に大きな機能を持っている。
パンアメリカン航空のメインターミナルで「パンナム・ワールドポート」の愛称で呼ばれていた第3ターミナルは1962年 に完成した。特筆する点として長円形の屋根が、放射状に32本ものケーブルで吊るされている。屋根は旅客エリアをカバーしている。これは乗客がスポットに泊められた飛行機に楽に移動するための特別な橋となっている。
トランス・ワールド航空 のメインである第5ターミナルも1962年に完成した。家具デザイナーとしても知られるフィンランド 生まれのアメリカ人建築家 エーロ・サーリネン によって設計された。また第3ターミナル、第5ターミナルともに1970年代に改装されている。
貨物の取り扱い量も多く、現在アメリカン航空 、アシアナ航空 、キャセイパシフィック航空 、エミレーツ・スカイカーゴ 、ルフトハンザ・カーゴ 、日本貨物航空 、ユナイテッド航空 など、100社以上が貨物専用便を就航させており、敷地内には航空貨物を取り扱う施設も数多い。
ターミナル
第1ターミナル
第1ターミナル
当初はイースタン航空 (1991年運航停止)によって占められていた。1998年 に、同空港に乗り入れる複数の航空会社 (エールフランス、日本航空 、ルフトハンザ)によって建て替えられた。ゲート数は11。
第2ターミナル
1962年 にノースウエスト航空 、ノースイースト航空、ブラニフ航空 により完成した。のちにパンアメリカン航空も国内線が乗り入れてきた。デルタ航空 が主に利用し、2006年4月までは同社の運営するソング が利用していた。ゲート数は11。
第4ターミナル
第4ターミナル
2001年 に改装された。唯一の24時間利用可能ターミナル。ゲート数は38。かつては国際線到着ターミナル(International Arrivals Terminal)と呼ばれていた。
第5ターミナル
第5ターミナル(TWAターミナル)、エーロ・サーリネン設計、1962年
エーロ・サーリネン の設計で1962年に完成し、旧トランスワールド航空 のターミナルとして使用されていた。TWAターミナル、またはTWAフライトセンター とも呼ばれる。「サーリネンのターミナルビル」としても知られる優美なデザインは、第3ターミナルとともにケネディ空港を代表する建築物となっている。また、歴史的建造物にも指定されている。
4枚のシェルが長さ105m、高さ17mのスペースを覆う。鳥が翼をひろげ飛び立つようなイメージを、コンクリートシェルで表現したデザインは当時の建築界に衝撃を与えた。内部は曲面天井の伸びやかな空間で、シェル面のスリットからの光も魅力的な、安らぎの空間がつくり出されている。[ 3]
第7ターミナル
第7ターミナル
当初、ブリティッシュ・エアウェイズ のターミナルとして1970年 に完成した。1991年 ・2003年 ・2008年 にそれぞれ改装された。ゲート数は20。スターアライアンスの全日本空輸 、エア・カナダ 、スカンジナビア航空 、LOTポーランド航空 、エチオピア航空 、スカイチームのアルゼンチン航空 、ワンワールドのアラスカ航空 の他、アライアンスに属していないエアリンガス などが乗り入れている。
なお、2026年をもって運営を終了し建物は取り壊し予定で、ここを利用している航空会社の多くは新しくできるターミナル6に移行予定。
第8ターミナル
第8ターミナルのアメリカン航空のボーイング767
当初、アメリカン航空 のターミナルとして1960年 に完成した。ゲート数は15。
2007年 8月 に新しい第8ターミナルが完成して、従来2ターミナルに別れていた国際線、国内線などが統合された。ゲート数は29。
2022年12月からはブリティッシュ・エアウェイズとイベリア航空が第7ターミナルから、2023年5月からは日本航空が第1ターミナルから移転し、ワンワールド加盟各社のハブターミナルとなる。[ 4]
現存しないターミナル
第3ターミナル
1960年 にパンアメリカン航空により完成し、同社のターミナルとなっていた。1971年 には拡大し“フライングソーサ”という屋根が有名で最も大きなターミナルとなっていた。かつてここには、イスラム革命 以前のイラン航空 が乗り入れていた際、このターミナルを利用していた。パンナムの倒産した1991年 以降はデルタ航空 が買い取り、改装された。ゲート数は17。通称「ワールドポート 」。その後第3ターミナルの全機能が第4ターミナルに移管されており、第3ターミナルは2014年に完全に解体された。
第6ターミナル
イオ・ミン・ペイ の設計で1969年に完成し、旧ナショナル航空のターミナルとして使用されていた。通称「サンドローム 」。ナショナル航空が旧パンアメリカン航空 に買収されると、隣接する第5ターミナルを使用していた旧トランスワールド航空が第6ターミナルを買収し、その一部をユナイテッド航空にリースした。2001年 にトランスワールド航空がアメリカン航空に買収されると、ジェットブルー航空 が同ターミナルを買収、750万ドルをかけた大改修の後、同航空のハブとして再開業されたが、2010年に第5ターミナルに移転し2011年に解体。ゲート数は21。
新しいターミナル6が建設中で、2026年より運用開始予定。
第9ターミナル
1959年 に10のゲート数で完成した。アメリカン航空 の国内線を中心に利用されていた。2007年 に完成した新しい第8ターミナルは、第9ターミナル敷地を中心に建設された。
タワーエアターミナル
タワーエア が第7ターミナルから1993年 に貨物区域の旧パンアメリカン航空整備施設オフィス棟を改装し移転。1995年 には3つのフィンガーを追加し2000年の同社倒産まで運用。
ターミナルビル概略図
ターミナルビル概略図
第1ターミナル
第2ターミナル
第4ターミナル
第5ターミナル
第7ターミナル
第8ターミナル
主な就航路線
就航都市
国際線
アジア
アフリカ
ヨーロッパ
北アメリカ
中央アメリカ
カリブ海
南アメリカ
オセアニア
アクセス
エアトレイン
エアトレイン
1998年から高速軽軌道システム「エアトレイン」の建設 が始まった。2001年の9.11テロ の影響で当初の計画を大幅に縮小し、予定より1年遅れの2003年12月17日に開業した。ケネディ空港内の各ターミナルや、駐車場 、レンタカー 会社 のオフィスなどを結び、地下鉄A線 のハワード・ビーチ-JFKエアポート駅 系統と、地下鉄E,J,Z線 のサットフィン・ブールバード-アーチャー・アベニュー-JFKエアポート駅 /ロングアイランド鉄道 のジャマイカ駅 発着系統(それぞれ、地下鉄接続駅→ターミナル1→2→4→5→7→8→地下鉄接続駅の運行)、そして空港内環状線(ターミナル1→8→7→5→4→2→1の順の一方循環)の三つの運行系統がある。ターミナルおよび駐車場エリア間の移動は無料、地下鉄接続駅(ジャマイカ駅およびハワードビーチ駅)利用の際は運賃 8.5ドル[ 5] がかかる。マンハッタンへはジャマイカ駅乗り換えで地下鉄E線 利用が便利(本数が比較的多く、早朝深夜以外はマンハッタンまで快速運行)。
バス
市営(MTA )の空港連絡バス(Q3、Q6、Q7、Q10、B15系統)がニューヨーク地下鉄 とロングアイランド鉄道 の駅まで運行されており、ニューヨーク地下鉄には無料で乗り換えることができる。マンハッタンへの直行バスは営業停止となっている。
タクシー
JFK空港からマンハッタンへのタクシー運賃は一律52ドルとNY市により規定されおり、平日夕方利用の際には4ドル50セントの追加料金がかかる。また、有料道路料金とチップは別途請求となる。もし、マンハッタンで数か所立ち寄る場合は、はじめに降りる場所までが先述の料金で、そこから先はメーター料金が追加。
(*注意事項として)不法営業のいわゆる白タクがターミナルビル付近で客引きをしていることがあり、タクシーは必ずタクシー乗り場から乗車のこと。正規のタクシー運転手が車から降りて客引きをすることはなく(違法でもある)、また、マンハッタンまでで200-400ドルという法外な高値を要求されるケースが後を絶たないので要注意。
自動車
マンハッタンの中心部から高速道路利用で約30分(渋滞 がない場合)でアクセスできる。タクシー や空港リムジンバス 、レンタカー などでのアクセスが一般的である。
ニューヨーク市とその3つの主要空港の位置関係
ニューヨーク周辺には、2.ニューヨーク/LGA や3.ニューアーク などの空港がある。
ラガーディア空港やニューアーク空港への直行バスはなく、タクシーやリムジン手配か、バスなど公共機関乗り継ぎとなる。
ニューヨーク市 とその3つの主要空港の位置: 1. JFK、2. LGA 、3. EWR
事故
事件
脚注
関連項目
外部リンク
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