シュネルマイスター(欧字名:Schnell Meister 香:速度大師、2018年3月23日 - )は、ドイツ生産、日本調教の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2021年のNHKマイルカップ、毎日王冠、2023年のマイラーズカップ。
馬名の意味は、ドイツ語で「スピードの名人」[5][10]。
戦績
- 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[11]
2020年(2歳)
札幌競馬場での2歳新馬戦でデビューし、1着[12]。3か月後、2戦目のひいらぎ賞も勝ってデビュー2連勝とした[13]。
2021年(3歳)
3歳初戦の弥生賞ディープインパクト記念ではタイトルホルダーの2着となり[14]、皐月賞への優先出走権を獲得も皐月賞には向かわず、NHKマイルカップへ目標を切り替えることになった[15]。
NHKマイルカップでは中団後方からの競馬から、直線ではソングラインとの叩き合いをハナ差制してG1競走初制覇を挙げた[16][17]。外国産馬がNHKマイルカップを制覇するのは2001年のクロフネ以来20年ぶり[17][18]、グレード制導入以降でドイツ産馬のJRAの重賞競走優勝は1995年のジャパンカップでランドが優勝して以来二度目、日本調教馬としては初[18]。欧州生産馬によるJRAのG1競走優勝も2005年安田記念優勝のアサクサデンエン以来16年ぶりの事であった[18]。続く安田記念は初の古馬相手とのレースとなるも、勝ったダノンキングリー・アタマ差2着のグランアレグリアから0秒1差の3着に食い込んだ[19]。
秋初戦、5か月ぶりとなった毎日王冠は前有利の展開ながらゴール前で鋭く伸びると、ダノンキングリーをアタマ差差し切り優勝。重賞2勝目を挙げた[20]。その後はマイルチャンピオンシップに出走。荒れた馬場の内めから脚を伸ばしたがグランアレグリアに届かず、3/4馬身差の2着となった[21]。なお、このレースのパドックにおいて、担当の名畑俊調教助手とともにベストターンドアウト賞に選出されている[22]。
2022年(4歳)
2022年の初戦は、招待が来ていたドバイターフに決定。単勝オッズ1.7倍の1番人気に推されていたが、直線でほとんど伸びず8着に敗れた。
次走、安田記念は2番人気で出走、道中はやや後方から運び、直線は内に進路を取ると一気に追い込み、勝ったソングラインにクビ差の2着に入った[23]。
その後は休養に入り、4か月ぶりとなったスプリンターズステークスで初の1200m戦に出走したが、距離が短く直線の不利もあり9着と過去最低着順に終わった。続く、マイルチャンピオンシップは1番人気に推されたが、末脚が不発に終わり5着に敗れる[24]。続く香港マイルはブービー馬に5馬身離された最下位と惨敗に終わった。
2023年(5歳)
2023年初戦となった中山記念はテオ・バシュロと初コンビを組み直線で最内を突いて伸びたが4着に敗れた。
4月23日に京都競馬場で行われたマイラーズカップは後方3番手で脚を溜め、直線で外から各馬を鮮やかに差し切りゴール。3歳時の毎日王冠以来となる重賞3勝目を飾り、安田記念の優先出走権も手にした[25][26][27]。6月4日の安田記念は後方から上がり最速の末脚で追い込んだものの、スローペースが影響してソングラインを捕え切れず3着に敗北[28]。10月8日の毎日王冠も4コーナー10番手から直線で怒涛の追い込みを見せるも、勝ち馬のエルトンバローズからタイム差無しの3着に惜敗した[29]。
その後、11月19日のマイルチャンピオンシップに出走。単勝1番人気に支持されたが7着に敗れ[30]、このレースが現役最終戦となる。11月22日、馬主のサンデーサラブレッドクラブにより現役引退が発表された。引退後は種牡馬として供用される[31]。
11月23日に手塚調教師は、シュネルマイスターについて「外国産馬でも早熟ではなく、5歳までよく頑張ってくれた」と述べた上で「父はキングマンで、素晴らしいポテンシャルがあるはず。母はドイツオークス馬なので、産駒は中距離までだったら走れると思います」と種牡馬としての活躍に期待を寄せた[32]。11月24日の午前に美浦トレーニングセンターから経由地であるノーザンファーム天栄に向かって出発した[33]。その後、手塚調教師は「とりあえず、無事に送り出せたことが何より。血統のイメージ以上に距離をこなせたし、古馬になってからも走ってくれた。(産駒が誕生予定の)再来年(2025年)が楽しみです」と話している[33]。11月27日、種牡馬としての繋養先が北海道安平町の社台スタリオンステーションとなることが馬主のサンデーサラブレッドクラブにより発表された[34]。
11月30日に、繋養先である社台スタリオンステーションに到着[35]。社台スタリオンステーションの場長の徳武英介は「今まで鞍がついている姿しか見たことはなかったですが、やはりいい馬ですね。日本の馬場に合いそうな脚元をしています。楽しみですね」と話している[35]。11月30日付でJRAの競走馬登録を抹消された[36][37]。
競走成績
以下の内容は、JBISサーチ[11]、netkeiba.com[38]および香港ジョッキークラブ[39]の情報に基づく。
競走日
|
競馬場
|
競走名
|
格
|
距離(馬場)
|
頭 数
|
枠 番
|
馬 番
|
オッズ (人気)
|
着順
|
タイム (上り3F)
|
着差
|
騎手
|
斤量 [kg]
|
1着馬(2着馬)
|
馬体重 [kg]
|
2020.09.05
|
札幌
|
2歳新馬
|
|
芝1500m(良)
|
14
|
6
|
9
|
002.10(1人)
|
01着
|
R1:30.5(34.7)
|
-0.1
|
0横山武史
|
54
|
(テンウォークライ)
|
460
|
0000.12.19
|
中山
|
ひいらぎ賞
|
1勝
|
芝1600m(良)
|
12
|
5
|
6
|
001.90(1人)
|
01着
|
R1:35.8(35.4)
|
-0.5
|
0C.ルメール
|
55
|
(ワザモノ)
|
474
|
2021.03.07
|
中山
|
弥生賞ディープ記念
|
GII
|
芝2000m(良)
|
10
|
8
|
10
|
004.90(2人)
|
02着
|
R2:02.2(34.5)
|
-0.2
|
0C.ルメール
|
56
|
タイトルホルダー
|
480
|
0000.05.08
|
東京
|
NHKマイルC
|
GI
|
芝1600m(良)
|
18
|
7
|
15
|
003.70(2人)
|
01着
|
R1:31.6(34.0)
|
-0.0
|
0C.ルメール
|
57
|
(ソングライン)
|
480
|
0000.06.06
|
東京
|
安田記念
|
GI
|
芝1600m(良)
|
14
|
8
|
13
|
010.20(4人)
|
03着
|
R1:31.8(33.4)
|
-0.1
|
0横山武史
|
54
|
ダノンキングリー
|
474
|
0000.10.10
|
東京
|
毎日王冠
|
GII
|
芝1800m(良)
|
13
|
1
|
1
|
002.60(1人)
|
01着
|
R1:44.8(33.0)
|
-0.0
|
0C.ルメール
|
56
|
(ダノンキングリー)
|
482
|
0000.11.21
|
阪神
|
マイルCS
|
GI
|
芝1600m(良)
|
16
|
2
|
3
|
004.60(2人)
|
02着
|
R1:32.7(32.9)
|
-0.1
|
0横山武史
|
56
|
グランアレグリア
|
480
|
2022.03.26
|
メイダン
|
ドバイターフ
|
G1
|
芝1800m (Gd)[注 1]
|
14
|
4
|
12
|
001.70(1人)
|
08着
|
R
|
(5馬身 1/4)
|
0C.ルメール
|
57
|
Lord North Panthalassa
|
計不
|
0000.06.05
|
東京
|
安田記念
|
GI
|
芝1600m(良)
|
18
|
5
|
9
|
004.90(2人)
|
02着
|
R1:32.3(32.9)
|
-0.0
|
0C.ルメール
|
58
|
ソングライン
|
490
|
0000.10.02
|
中山
|
スプリンターズS
|
GI
|
芝1200m(良)
|
16
|
8
|
15
|
008.50(3人)
|
09着
|
R1:08.3(34.4)
|
-0.5
|
0横山武史
|
57
|
ジャンダルム
|
490
|
0000.11.20
|
阪神
|
マイルCS
|
GI
|
芝1600m(良)
|
17
|
2
|
4
|
003.60(1人)
|
05着
|
R1:32.8(33.5)
|
-0.3
|
0C.ルメール
|
57
|
セリフォス
|
494
|
0000.12.11
|
沙田
|
香港マイル
|
G1
|
芝1600m(Gd)[注 2]
|
9
|
1
|
4
|
013.00(3人)
|
09着
|
R1:35.68(35.97)
|
-2.27
|
0C.ルメール
|
57[注 3]
|
California Spangle
|
490[注 4]
|
2023.02.26
|
中山
|
中山記念
|
GII
|
芝1800m(良)
|
14
|
8
|
13
|
009.20(4人)
|
04着
|
R1:47.3(34.9)
|
-0.2
|
0T.バシュロ
|
58
|
ヒシイグアス
|
504
|
0000.04.23
|
京都
|
マイラーズC
|
GII
|
芝1600m(良)
|
15
|
6
|
10
|
002.50(1人)
|
01着
|
R1:31.5(32.9)
|
-0.0
|
0C.ルメール
|
58
|
(ガイアフォース)
|
490
|
0000.06.04
|
東京
|
安田記念
|
GI
|
芝1600m(良)
|
18
|
7
|
14
|
004.20(1人)
|
03着
|
R1:31.6(32.8)
|
-0.2
|
0C.ルメール
|
58
|
ソングライン
|
490
|
0000.10.08
|
東京
|
毎日王冠
|
GII
|
芝1800m(良)
|
12
|
1
|
1
|
002.90(2人)
|
03着
|
R1:45.3(33.3)
|
-0.0
|
0C.ルメール
|
58
|
エルトンバローズ
|
500
|
0000.11.19
|
京都
|
マイルCS
|
GI
|
芝1600m(良)
|
16
|
5
|
9
|
002.50(1人)
|
07着
|
R1:32.9(33.4)
|
-0.4
|
0C.ルメール
|
58
|
ナミュール
|
504
|
- 海外の競走の「枠番」欄にはゲート番を記載
- 香港のオッズ・人気は香港ジョッキークラブのもの
血統表
脚注
注釈
- ^ 馬場状態の発表は「Good」[40]。これをJRAは「良」と発表した[41]。馬場状態#芝馬場参照。
- ^ 馬場状態の発表は「Good」[42]。これをJRAは「良」と発表した[43]。馬場状態#芝馬場参照。
- ^ 斤量は126ポンドで[42]、メートル法に換算すると約57.15キログラム(小数点第3位以下を四捨五入)。これをJRAは「57.0kg」と発表した[43]。
- ^ 馬体重は1081ポンドで[42]、メートル法に換算すると約490.33キログラム(小数点第3位以下を四捨五入)。これをJRAは「490kg」と発表した[43]。
出典
外部リンク