サヴォイ・レコード(Savoy Records)は、アメリカのジャズ・レコード・レーベル。1940年代中期にスタートし、ビバップの普及に寄与した。
ジャズのカタログはサヴォイ・レーベル・グループ(SLG)が統制を執っており、1990年代から2010年代までは、日本コロムビア[1]がSLGを所有していた。
UKマンチェスターに同名で異なるレーベル(現在は閉鎖)があるが、これはロックのレーベルである。
歴史
1942年にハーマン・ルビンスキーとオジー・カデーナによりニュージャージー州ニューアークに設立。初期のビバップの重要なアルバムを発行した。ロックンロールが台頭する中で、ルビンスキーはゴスペルにシフトしていき、1950年代はジェイムズ・クリーヴランドらにより隆盛した。
1960年代初期よりアヴァンギャルド・ジャズも録音しており、ポール・ブレイやエド・カラン、ビル・ディクソン、マーク・ルヴィン、チャールズ・モフェット、ペリー・ロビンソン、ジョセフ・シアーニ、アーチー・シェップ、サン・ラ、マーゼット・ワッツ、ヴァルド・ウィリアムズ等がいた。
ルビンスキーはアフリカ系アメリカ人に対して、粗末な扱いをしており、彼等からは嫌われていた。このことについて、ジャーナリストのタイニー・プライスが黒人向け新聞「The Newark Herald News」にてサヴォイとルビンスキーについて言及している。
1986年にマラコ・レコードがサヴォイのゴスペルのカタログを獲得[2]。1974年にルビンスキーが死去して以後、クライヴ・デイヴィス(当時アリスタ・レコードのマネージャー)がビバップのカタログを獲得した。
1992年からは日本コロムビアがカタログを所持し、アメリカのサヴォイ・レーベル・グループ(SLG)が統制をした。旧音源はサヴォイ・ジャズより再発された。
2017年、アメリカのコンコードがSLGを買収したことを発表[3]し、SLGは、コンコードが形成するコンコード・ミュージック・グループ傘下に収まった[4]。
現在サヴォイ・ジャズにはジョン・コルトレーンの息子のラヴィ・コルトレーンやマッコイ・タイナー等が所属している。
サヴォイ・レーベル・グループ
- SLG
- 429レコード
- デノン
- サヴォイ・ジャズ (旧サヴォイ・レコード)
- デノン・クラシックス
- リージェント (Regent)
- ギルド (Guild)
- ディスカバリー (Discovery)
- シグナル (Signal)
ミュージシャン
外部リンク
参考文献
- 『ジャズ名門レーベル大事典 Swing Journal 1999年5月臨時増刊』スイングジャーナル社、1999年、314頁
- ジョン・ワート『ニューオーリンズR&Bをつくった男 ヒューイ・“ピアノ”・スミス伝』陶守正寛訳、DU BOOKS、2022年
脚注
- ^ 2002年10月~2010年9月まではコロムビアミュージックエンタテインメント
- ^ Malaco.com - The Malaco Story
- ^ Concord acquires Savoy Label Group - and its 3,000+ recordings - Music Business Worldwide
- ^ Savoy Label Group | Concord Music