サクソン (SAXON )は、イギリス のヘヴィメタル ・バンド である。
「アイアン・メイデン 」「デフ・レパード 」らと、NWOBHM ムーヴメントを牽引してきたとされるバンドの一つで、その活動は40年以上に及ぶ[1] 。
当バンドのほか、離脱したオリジナルメンバーが結成したもう一組の「サクソン」も存在する。
概要
スウェーデン・セルヴェスボリ公演 (2008年6月)
イングランド ・ヨークシャー のローカル・バンド「COAST」のビフ・バイフォード (Vo)とポール・クィン(G)、「SOB」のグラハム・オリヴァー(G)とスティーヴ・ドーソン(B)が合流し「Son of a Bitch」を結成。そこに「the glitter band」で活動していたピート・ギル(Ds)が加わった1977年 、ロック・バンド「サクソン (SAXON)」を結成。このラインナップでNWOBHM ムーヴメント基点の年である1979年 に、アルバム『サクソン』でデビュー。
1980年 に2ndアルバム『ホイールズ・オブ・スティール 』発表後にワールドツアーを行い、第1回「モンスターズ・オブ・ロック 」に出演。1981年 の4thアルバム『デニム・アンド・レザー 』は、母国でシルバーディスクを獲得した。アルバムタイトルに代表される楽曲の多くは、バイク乗りをテーマにした歌詞や彼らのスタイルをテーマにしている影響で、ヨーロッパ のバイカーによる支持が多かった。
1981年 に初来日。同年ピート・ギル(Ds)が脱退し、ナイジェル・グロックラー に交代。
1984年 の6thアルバム『CRUSADER』をリリース。北米進出を狙って、当時のLAメタル ・ムーヴメントを意識したポップな音楽性にシフトしたため、従来のファンから不評を買い低迷期に入る。1986年 にスティーヴ・ドーソン(B)が脱退し、同年リリースのアルバム『ロック・ザ・ネイションズ 』ではバイフォードがベースも兼任して[2] 、その後ポール・ジョンソンが正式ベーシストとして加入した。しかし、ジョンソンは短期間で脱退し、1988年 にニッブス・カーターが加入。
1991年 の10thアルバム『ソリッド・ボール・オブ・ロック 』から徐々に原点に戻り、作品を重ねるごとに良質なヘヴィメタル・アルバムを発表し続ける。1995年 のアルバム『ドッグス・オブ・ウォー』リリースの翌年、オリジナルメンバーのグラハム・オリヴァー(G)が解雇される。新たにダグ・スカーラットが加入。
その後、離脱したグラハム・オリヴァーとスティーヴ・ドーソンがバンド名の「Saxon」を商標登録し、サクソン名義で活動を展開。問題視した本家バンド側は差し止めを裁判に訴え、バンド名使用で争うようになる。最終的に条件付きのバンド名「Oliver/Dawson Saxon」として活動を認められ、もう一つの「サクソン」が派生した。(#オリヴァー/ドーソン サクソン (Oliver/Dawson Saxon) の節も参照)
2007年 、結成30周年。HR/HM フェス『LOUD PARK 』参加のため、26年ぶりに来日[3] 。ファンからの反応が好評で、翌2008年 や2011年 には単独での来日公演を開催した[4] 。
2012年 、バンドの伝記映画『ヘヴィメタル・サンダー』が公開。日本では2016年 に上映された[5] 。
2021年 、バンドに影響を与えたクラシック・ロック・バンドの楽曲を取り上げたカヴァー・アルバム『インスピレイションズ』を発表[6] 。
2022年 のアルバム『カルペ・ディエム〜鋼鉄の瞬間〜 』は全英アルバムチャート で17位に達し、バンドにとって38年ぶりの全英トップ20アルバムとなった[7] 。
2023年 4月、ギターのポール・クィンが、長年蓄積されたストレスや疲労による自身のパフォーマンス低下を理由に、ツアー活動からの引退を発表した。ただしバンドから脱退はせず、レコーディング等には参加する意向である[8] 。またツアーでは、ポールの代わりにダイアモンド・ヘッド のブライアン・タトラーが参加する[9] 。
メンバー
現ラインナップ
ビフ・バイフォード Biff Byford - ボーカル (1977- )
ポール・クィン Paul Quinn - ギター (1977- )
ダグ・スカーラット Doug Scarratt - ギター (1996- )
ニッブス・カーター Nibbs Carter - ベース (1988- )
ナイジェル・グロックラー Nigel Glockler - ドラム (1981-1987, 1988-1999, 2005- )
ビフ・バイフォード(Vo) 2018年
ポール・クィン(G) 2018年
ダグ・スカーラット(G) 2018年
ニッブス・カーター(B) 2018年
ナイジェル・グロックラー(Ds) 2007年
旧メンバー
グラハム・オリヴァー Graham Oliver - ギター (1977-1996)
スティーヴ・ドーソン Steve Dawson - ベース (1977-1986)
ピート・ギル Pete Gill - ドラムス (1977-1981)
ポール・ジョンソン Paul Johnson - ベース (1986-1988)
ナイジェル・ダラム Nigel Durham - ドラム (1988)
フリッツ・ランドウ Fritz Randow - ドラム (1999-2004)
ヨルグ・マイケル Jörg Michael - ドラム (2004-2005)
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
ライヴ・アルバム
1982年 『イーグル・ハズ・ランデッド』 - The Eagle Has Landed -英5位
1989年 Rock 'N' Roll Gypsies
1990年 Greatest Hits Live
1998年 The Eagle Has Landed Part2
1999年 BBC Sessions
2006年 The Eagle Has Landed Part3
2012年 Heavy Metal Thunder - Live: Eagles Over Wacken
2014年 St. George’s Day Sacrifice: - Live in Manchester
2016年 Let Me Feel Your Power
オリヴァー/ドーソン サクソン (Oliver/Dawson Saxon)
オリヴァー/ドーソン サクソン Oliver/Dawson Saxon
ドイツ・ブランデ=ヘルナーキルヒェン公演 (2014年7月)
基本情報 別名
Son of a Bitch 出身地
イングランド ジャンル
ヘヴィメタル ハードロック 活動期間
1995年 - 現在 レーベル
Hengest Records Phoenix Music Angel Air Records 公式サイト
オフィシャル (OliverDawson-Saxon-163079953711145) - Facebook メンバー
ブリ・ショーネシー (Vo ) グラハム・オリヴァー (G ) ギャヴ・コールソン (G) スティーヴ・ドーソン (B ) ポール・オリヴァー (Ds ) 旧メンバー
ピート・ギル (Ds) ハイドン・コンウェイ (G)、ほか
オリヴァー/ドーソン サクソン (Oliver/Dawson Saxon )は、「サクソン」のオリジナルメンバー グラハム・オリヴァー(G)とスティーヴ・ドーソン(B)を中心とした「サクソン」名義の派生グループ。
もう1つのサクソン
1995年 、「サクソン」のオリジナルメンバー グラハム・オリヴァー(G)とスティーヴ・ドーソン(B)が、サクソン結成以前に活動したバンド「Son of a Bitch 」の再興プロジェクトを開始し、サクソン・オリジナルドラマーのピート・ギルも合流。翌年にサクソンから解雇されたオリヴァーは「Saxon」を商標登録した上で、Son of a Bitchから「サクソン」名義で活動するようになる。
本家の「サクソン」側は当初、楽曲を演奏する程度のライヴまでは寛容な態度をとっていたが、徐々にビジネスを拡大し商標登録もして対抗されたため、バンド名の使用を差し止める訴えを裁判所に起こした。高等裁判所はオリヴァー側が取得した「Saxon」の商標効力を無効にし、バンド名に主宰者名を含めることを義務付け、本家のロゴを使用しないことを条件に活動を許された。
活動は「サクソン」時代の楽曲を主体としたライヴ中心だったが、2012年 にOliver/Dawson Saxon名義で初のスタジオ・アルバム『Motorbiker』をリリース。2019年には来日公演も実現している[10] 。
メンバーの変遷は、旧メンバーを参照のこと。
メンバー
※2021年9月時点
現ラインナップ
ブリ・ショーネシー (Bri Shaughnessy) - ヴォーカル (2011- )
グラハム・オリヴァー (Graham Oliver) - ギター (1995- ) - 「サクソン」オリジナルメンバー
ギャヴ・コールソン (Gav Coulson) - ギター (2016- )
スティーヴ・ドーソン (Steve Dawson) - ベース (1995- ) - 「サクソン」オリジナルメンバー
ポール・オリヴァー (Paul Oliver) - ドラムス (2010- ) - グラハムの息子
ブリ・ショーネシー(Vo) 2014年
グラハム・オリヴァー(G) 2014年
スティーヴ・ドーソン(B) 2014年
旧メンバー
ピート・ギル (Pete Gill) - ドラムス (1995-1999) - 「サクソン」オリジナルメンバー
テッド・ブレット (Ted Bullet) - ヴォーカル (1995-1999)
ハイドン・コンウェイ (Haydn Conway) - ギター (1995-2016)
ケヴ・ムーア (Kev Moore) - ヴォーカル (1999)
ナイジェル・ダラム (Nigel Durham) - ドラムス (1999-2010)
ジョン・ワード (John Ward) - ボーカル (2000-2011)
サポート
カイル・ヒューズ (Kyle Hughes) - ドラムス (2019)
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
1996年 : Victim You - Son of a Bitch名義
2012年 : Motorbiker
ライヴ・アルバム
脚注
外部リンク