コウヤコケシノブ
分類
学名
Hymenophyllum barbatum (v. d. B.)
コウヤコケシノブ Hymenophyllum barbatum (v. d. B.) はコケシノブ科 に属するシダ植物 の1つ。薄くて比較的幅広い葉の縁に鋸歯がある。
着生植物 で常緑性 の小型のシダ[ 1] [ 2]
葉柄は細い糸状で葉身より短い[ 3] [ 3]
胞子嚢群は葉の先端近くに多くあり、裂片の先端に一つずつ生じる。胞子嚢群は腹背側に位置する2枚の包膜に挟まれる。包膜は基部まで裂けており、先端の縁には鋸歯がある。
和名は和歌山県 の高野山 にちなみ、ここが最初の発見地であるが、特にこの地を記する必要がないほどの普通種である[ 3]
群落の様子 青森県 以南の本州 、四国 、九州 、琉球列島 に産する[ 1]
岩の上や樹幹に着生して生育するが、時に地面にも生える。湿った環境に多く見られるが、比較的乾燥したところにも出現する。この類の中ではありふれた種である[ 4]
日本産の同属とは異なる特徴があり、コウヤコケシノブ亜属とする。独立属としてコウヤコケシノブ属 Hymenophyllum を認める判断もある。他種との区別点としては葉の縁医に鋸歯があることがあげられる。コケシノブで鋸歯があるのは日本では本種だけ[ 5] H. denticulatum にも鋸歯がある。ただしこの種は日本では石垣島だけに知られる[ 6] H. oligosorum も似ているが数は少ない。鋸歯がないので区別は容易である[ 7]
世界的には変異が大きく、細分される可能性がある。極端なものでは台湾で葉の長さ25cm、幅2cmに達するものが知られている[ 6]
^ a b 以下、主として岩槻編(1992),p.83
^ 初島(1975),p.133
^ a b c 牧野(1961),p.12
^ 池端(2006),p.37
^ 光田(1986),p.101
^ a b 岩槻編(1992),p.83
^ 池畑(2006),p.37
岩槻邦男編、『日本の野生植物 シダ』、(1992)、平凡社
牧野富太郎、『牧野 新日本植物圖鑑』、(1961)、図鑑の北隆館
初島住彦 『琉球植物誌』追加・訂正版、(1975)、 沖縄生物教育研究会
池端怜伸、『写真でわかるシダ図鑑』、(2006)、トンボ出版
光田重光、『しだの図鑑』、(1986)、保育社 
