クニドスのクテシアス (ギリシャ語 : Κτησίας , Ctesias 、クテーシアス)は、紀元前5世紀 に活躍した古代ギリシア の医師 、歴史家 。カリア のクニドス 出身。クテシアスはアルタクセルクセス2世 の医師で、紀元前401年 、アルタクセルクセス2世が弟の小キュロス に対して遠征を行った時にはクテシアスも随行した。
クテシアスは、川 、ペルシア の歳入、インド (『インド誌(Indica)』)、そしてイオニア方言 で書かれたヘロドトス の『歴史 』に対抗して書いた全23巻から成る『ペルシア誌(Persica)』というアッシリア 史・ペルシア史の本を書いた。『インド誌』は、当時のペルシア人のインド観を記録したものとして価値がある。
『ペルシア誌』
『ペルシア誌』の最初の6巻でアッシリアとバビロン からペルシア帝国 の建国までを、残りの17巻で、それから紀元前398年 までを扱っている。しかし現存しているのは、フォティオス による要約と、アテナイオス 、プルタルコス 、そしてシケリアのディオドロス の中にある断片だけである。とくにディオドロスの第2巻の内容はクテシアスに大きく負ったものである。『ペルシア誌』の価値については、古代から現在にいたるまで、議論の対象となってきた。古代の権威者たちは高い価値があるとして、ヘロドトスの信用を落とすのに『ペルシア誌』を利用したが、多くの人々は歴史的価値は低いと考え、アッシリア王に関するクテシアスの記述は楔形文字 の記録と一致しないと主張した。風刺作家のルキアノス はクテシアスの記述がまったく信頼できないと考え、その著書『本当の話 (Ἀληθῶν διηγημάτων )』の中で、クテシアスを島流しにした。ルキアノスはこう書いている。「大きな罰を受ける者は、生きている時に嘘を語り、偽りの歴史を書いた者である。その中には、クニドスのクテシアス、ヘロドトスなどが含まれる」(2.31)。
著作
参考文献
この記事にはアメリカ合衆国 内で著作権が消滅した 次の百科事典本文を含む: Chisholm, Hugh , ed. (1911). "Ctesias ". Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 7 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 594.
Ed., trad. et commentaire par Dominique Lenfant, Ctésias de Cnide. La Perse. L'Inde. Autres fragments , Collection Budé, Belles Lettres, Paris, 2004 (ISBN : 2-251-00518-8) .
外部リンク