ギリー・タイル(英語: girih tiles)は、イスラーム幾何学模様(英語版)の作成に用いられる5種類のタイルである。
紐模様が描かれており、イスラーム建築を装飾する際に利用される。
1200年頃から使用され始め、1453年に建設されたイランのエスファハーンにあるダルベ・イマーム廟(英語版)を皮切りに、その並べ方が多様になっていった。
5種類のタイル
5種類のタイルの形状は以下の通りである。
- 10個の内角が144°の正十角形
- 内角が72°、144°、144°、72°、144°、144°の細長い(一様で無い凸の)六角形
- 内角が72°、72°、216°、72°、72°、216°の蝶ネクタイ形(非凸六角形)
- 内角が72°、108°、72°、108°の菱形
- 5個の内角が108°の正五角形
ギリー・タイルの出現
11世紀後半になると、北アフリカのイスラーム芸術家たちは平面充填の前身である「モザイクタイル」を使い始める[1] 。13世紀になると、イスラーム教徒は算術計算と幾何学の発展により「モザイクタイル」を構成する新しい方法、ギリー・タイルを発見した[2]。
ギリー
ギリー(英語: Girih)とは、タイルを装飾する線(紐模様)である。ペルシア語で「結び目」を意味する「گره」に由来し、タイルから模様が形成される[3]。大抵の場合、タイルの輪郭ではなく、ギリー(および花などの細かい装飾)だけが浮かび上がって見える。タイルの辺の中点で、辺に対して54°(3π/10ラジアン)の角度で2本の直線が交差している。
例
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トルコの
ブルサにある、オスマン帝国の
グリーンモスク(英語版)のスルタン・ロッジ入口の内部アーチ(1424年)、星や五角形などが描かれている。
ペンローズ・タイルとの関係
ギリー・タイルの一部はペンローズ・タイルのカイトとダートから構成される。
脚注
外部リンク