ガードナー (英 : Gardner )は、アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 の中央部、ウースター郡 の北部に位置する都市である。2010年 の国勢調査 では人口20,228 人だった。市内にはダン州立公園、ガードナー歴史遺産州立公園、ワンパノアグ湖野生生物保護区、マウントワチュセット・コミュニティカレッジがある。
歴史
町名はトマス・ガードナー大佐の栄誉を称えて名付けられた[2] ガードナーの町に、最初に入植があったのは1764年のことであり、1785年に公式に町として法人化された。これは周辺にあるアシュバーナム、ウェストミンスター、テンプルトン、ウィンチェンドン各町から土地を譲り受けて作られたものだった。1805年頃から、製材と各産業の中心になった。家具生産で長い歴史があることで、「椅子の都市」や「ニューイングランド家具の首都」とも呼ばれている。1910年までに椅子の工場が20か所あり、年に400万脚の椅子を生産した。銀細工でも知られていた。ガードナー州立精神障碍者コロニーがコテージ型住居の利用を広げた。ガードナーは1923年に市として法人化された。
ガードナーはヘイウッド・ウェイクフィールド家具の誕生地であり、ヘイウッド5人兄弟が父の農園に近い厩で家具の生産を始めたのが1826年だった。ウォルター、リーバイ、セス、ベンジャミン、ウィリアムの兄弟はその年に木製の椅子を作り始めた。初期にはウォルターが椅子を手作りしており、足踏み旋盤も使った。間もなくリーバイとベンジャミンがパートタイムで加わり、近くにある田舎の店も営業していた。最初の店の通り向かいに新しい店が建設された。1831年、リーバイがボストンに移転し、そこでアウトレット店を造って椅子を売り、一方ベンジャミンとウィリアムがガードナーに残って椅子を製造していた。1834年、火事のためにヘイウッドの椅子店舗が失われた。1835年、共同経営のB・F・ヘイウッド & Co. が結成され、ベンジャミン、ウォルター、ウィリアムに加えて、モーゼス・ウッドとジェイムズ・W・ゲイツが参加した。ガードナーにはコナン・ボール家具工場もあった。ニコルズ & ストーン・チェアー会社は1762年にウェストミンスターで設立されていた。この会社は20世紀への変わり目にガードナーに移転した。2008年7月時点で、家具の生産を止めると声明を出した。ニコルズ & ストーンの名前による知的財産権と意匠権はニューヨーク州 マンリウスの L. & J.G. スティックリーが買収した[3] 。
最大の椅子、1910年頃
エルム通り、1908年頃
チェスナット通り、1906年頃
地理
ガードナー市は北緯42度34分26秒 西経71度59分27秒 / 北緯42.57389度 西経71.99083度 / 42.57389; -71.99083 (42.573920, -71.990818)に位置している[4] 。
アメリカ合衆国国勢調査局 に拠れば、市域全面積は23.0平方マイル (60 km2 )であり、このうち陸地22.2平方マイル (57 km2 )、水域は0.8平方マイル (2.1 km2 )で水域率は3.52%である。クリスタル湖の傍にある。市内最高地点は標高1,280フィート (390 m) の貯水池丘陵頂部であり、市の中心に近い[5] 。
ガードナーの北はウィンチェンドンとアシュバーナム、東はウェストミンスター、南はハバーズトン、西はテンプルトンの各町に接している。
人口動態
人口推移 年 人口 ±% 1790 531 — 1800 667 +25.6% 1810 815 +22.2% 1820 911 +11.8% 1830 1,023 +12.3% 1840 1,260 +23.2% 1850 1,533 +21.7% 1860 2,646 +72.6% 1870 3,333 +26.0% 1880 4,988 +49.7% 1890 3,424 −31.4% 1900 10,813 +215.8% 1910 14,699 +35.9% 1920 16,971 +15.5% 1930 19,399 +14.3% 1940 20,206 +4.2% 1950 19,581 −3.1% 1960 19,038 −2.8% 1970 19,748 +3.7% 1980 17,900 −9.4% 1990 20,125 +12.4% 2000 20,770 +3.2% 2001* 21,011 +1.2% 2002* 21,194 +0.9% 2003* 21,241 +0.2% 2004* 21,185 −0.3% 2005* 21,090 −0.4% 2006* 21,073 −0.1% 2007* 21,122 +0.2% 2008* 20,873 −1.2% 2009* 20,952 +0.4% 2010 20,228 −3.5% * = population estimate. Source: United States Census records and Population Estimates Program data.[[6]
中心街
以下は2000年 の国勢調査 による人口統計データである[7] 。
基礎データ
人口: 20,770 人
世帯数: 8,282 世帯
家族数: 5,085 家族
人口密度 : 361.4人/km2 (936.0 人/mi2 )
住居数: 8,838 軒
住居密度: 153.8軒/km2 (398.3 軒/mi2 )
人種別人口構成
先祖による構成
フランス系カナダ人 :19.6%
フランス系:17.6%
アイルランド系:12.7%
イギリス系:6.7%
ポーランド系:6.3%
イタリア系:6.2%
年齢別人口構成
18歳未満: 23.7%
18-24歳: 7.7%
25-44歳: 31.8%
45-64歳: 20.7%
65歳以上: 16.1%
年齢の中央値: 38歳
性比(女性100人あたり男性の人口)
世帯と家族 (対世帯数)
18歳未満の子供がいる: 30.3%
結婚・同居している夫婦: 44.4%
未婚・離婚・死別女性が世帯主: 12.7%
非家族世帯: 38.6%
単身世帯: 32.4%
65歳以上の老人1人暮らし: 13.5%
平均構成人数
収入
収入と家計
収入の中央値
世帯: 37,334米ドル
家族: 47,164米ドル
性別
男性: 35,804米ドル
女性: 26,913米ドル
人口1人あたり収入: 18,624米ドル
貧困線 以下
対人口: 9.6%
対家族数: 7.0%
18歳未満: 12.8%
65歳以上: 11.7%
市内にはガードナー高校があり、生徒数は約800人である。
ガードナー公共図書館、1899年
図書館
ガードナーの公共図書館は1885年に開設された[8] [9] 。当初の建物は現在ガードナーの歴史博物館になっている。2008会計年度で、ガードナーは予算の1.84%、734,164ドルを図書館に使っており、住民1人当たり35ドルほどになっている[10] 。
公共交通
ガードナーの公共交通は大半をモンタチューセット地域交通局が担当している。モンタチューセット地域(マサチューセッツ州の北中部)で、バスの路線便、シャトルサービス、さらに補助的交通を運行している[11] 。
1871年からボストン・バーレ・アンド・ガードナー鉄道が町に鉄道を運行していた。ガードナー駅は1980年から1986年までマサチューセッツ湾交通局 のフィッチバーグ線の終着駅になっていたが、1987年初めにフィッチバーグ で打ち切りとなった[12] 。
行事
長年、ガードナーの市営ゴルフコースはマサチューセッツ州中部高校クロスカントリー地区選手権の開催場所だった。3年に1度はマサチューセッツ州高校州クロスカントリー選手権も開催されている。この丘陵性の2.9マイル (4.7 km) のコースで、これまでの記録は1998年にアンディ・パウェルが出した14分0秒であり、女子の記録はリン・ジェニングスが1977年に記録した15分50秒である。
大衆文化の中で
1992年の映画『青春の輝き 』はガードナーで撮影された。
脚注
^ “Mayor's Office ”. Gardner Massachusetts . 2015年9月26日時点のオリジナル よりアーカイブ。2015年9月17日 閲覧。
^ Gannett, Henry (1905). The Origin of Certain Place Names in the United States . Govt. Print. Off.. pp. 134. https://books.google.co.jp/books?id=9V1IAAAAMAAJ&pg=PA134&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q&f=false
^ Stickley.com
^ “US Gazetteer files: 2010, 2000, and 1990 ”. United States Census Bureau (2011年2月12日). 2011年4月23日 閲覧。
^ U.S. Geological Survey 7.5 x 15 minute topographic map series, Gardner quadrangle
^ 1950 Census of Population . 1: Number of Inhabitants . Bureau of the Census. (1952). Section 6, Pages 21-7 through 21-09, Massachusetts Table 4. Population of Urban Places of 10,000 or more from Earliest Census to 1920. http://www2.census.gov/prod2/decennial/documents/23761117v1ch06.pdf 2011年7月12日 閲覧。 .
^ “American FactFinder ”. United States Census Bureau. 2008年1月31日 閲覧。
^ C.B. Tillinghast. The free public libraries of Massachusetts. 1st Report of the Free Public Library Commission of Massachusetts. Boston: Wright & Potter, 1891. Google books
^ Levi Heywood Memorial Library Retrieved 2010-11-10
^ July 1, 2007 through June 30, 2008; cf. The FY2008 Municipal Pie: What’s Your Share? Commonwealth of Massachusetts, Board of Library Commissioners. Boston: 2009. Available: Municipal Pie Reports . Retrieved 2010-08-04
^ “Montachusett Regional Transit Authority ”. 2012年10月4日 閲覧。
^ Belcher, Jonathan (2012年8月31日). “Changes to Transit Service in the MBTA district ” (PDF). NETransit. 2012年10月4日 閲覧。
参考文献
Rouland, Steve Heywood-Wakefield Modern Furniture , 1994.
外部リンク