陸軍、海軍、空軍に継ぐ第4の軍であり、形式上は国防省の指揮下とされているが、平時は事実上内務省の指揮下にある。任務は国法の遵守に基いて、平時は国内の社会秩序の維持や教育など警察業務を行い、有事の際には準軍事作戦を行なうことである。現在のチリ憲法ではカラビネーロスは非常事態において速やかに直接軍隊に合流することと定められている。また、SWATなどに良く似たGOPE(英語版)(Grupo de Operaciones Policiales Especiales:特別警察作戦部隊)と呼ばれる特殊部隊やラ・モネダ宮殿(大統領官邸)警備隊、大統領警護隊などがある。
歴史
カラビネーロスの起源は1758年に組織された夜警団ドラゴーネス・デ・ラ・レイナ(Dragones de la Reina:女王の竜騎兵隊)まで遡る。ドラゴーネス・デ・レイナは1812年にドラゴーネス・デ・チレ(dragones de Chile:チリの竜騎兵隊)と改名した。この頃、サンティアゴ・デ・チレやバルパライソのような大都市には夜警団やそれから発展した都市警察が存在していたが、地方自治体はほとんどまともな警察組織を持たなかった。そこで1881年、各自治体における地方警察(Policía Rural)の組織が中央政府より発令された。しかし、この地方警察の意思決定は地方自治体に依存しており、しばしば地方の権力者が不当に警察力を濫用した。1896年には大都市で検察(Policía Fiscal)が組織される。
1903年、アラウカニア講和で手に入れたチリ南部アラウカニア地方の治安維持を目的にクエルポ・デ・カラビネーロス(Cuerpo de Carabineros:騎兵軍団)が組織された。これは最初にカラビネーロスの名前を冠した警察組織だった。1908年にはクエルポ・デ・カラビネーロスの士官学校が現在のプロビデンシアで開校した。