カシパン、あるいはカシパンウニは、ウニ綱Echinolampadacea目Scutelloida亜目(カシパン目Scutellinaとする説もあり)に分類される棘皮動物の総称。
扁平な円盤形の殻をもつ種が多く、殻板背面には管足による花紋様が形成される[5][6]。タコノマクラなどに似るが、耳状骨が1対である点で区別される[6]。背面の棘は短い[5]。マメウニやボタンウニなどは殻長1センチメートル以下と小型で[6]、粒状あるいはボタン状の殻をもつ[5]。スカシカシパンなどは殻に透かし孔をもつ[6]。
不正形類の1グループであり、カシパン下目Laganiformesとヨウミャクカシパン下目Scutelliformesの2下目に区別される[2][7]。以前はタコノマクラ目Clypeasteroidaのカシパン亜目Laganina[8]あるいはヨウミャクカシパン亜目Scutellinaに分類されていたが[7]、遺伝子解析によりタコノマクラ目とは異なる系統とされ、カシパン目Scutellinaとして独立目とする意見もある[6]。2018年にはカシパン類に対してScutelloidaという学名が新たに提唱されている[1]。一方でWorld Echinoidea Database (2023) ではカシパン類をマンジュウウニ目Echinolampadoida・アメリカマンジュウウニ目CassiduloidaとともにEchinolampadacea目にまとめており、Scutelloidaは亜目として分類されている[9]。
以下の現生科の分類は、World Echinoidea Database (2023) に従う[2]。和名は金沢 (2009)[7]・田中ほか (2019) に従う[6]。
砂泥に潜って生活し、有機物や微生物を食べる[5]。
和名は明治時代以降に命名され、甘食などの菓子パン類に由来すると考えられている[6]。食用とはされない[5]。