オハイオ郡(英: Ohio County)は、アメリカ合衆国ウェストバージニア州の北部パンハンドル部に位置する郡である。人口は4万2425人(2020年)[1]。郡庁所在地はホイーリングであり、同郡で人口最大の都市である。
オハイオ郡はホイーリング都市圏に属している。
歴史
オハイオ郡は1776年にバージニア州ウェストオーガスタ地区から分離して設立された。郡名は西側郡境となっているオハイオ川から採られた。1777年から1797年まで郡庁所在地はウェストリバティ(元ブラックスキャビン)にあったが、その後はホイーリングにある。
オハイオ郡設立された時の郡域は今よりもかなり大きな1,432平方マイル (3,710 km2) あり、現在はペンシルベニア州のワシントン郡やグリーン郡も含まれていた。メイソン=ディクソン線が定義され、ペンシルベニア州とバージニア州の間にあった境界論争が解決されてから、オハイオ郡はその面積を減らしていった[2]。
郡政府
オハイオ郡は、3人の委員で構成される郡政委員会が統治している。委員は3つの小選挙区からそれぞれ1人が選ばれ、任期は6年間であり、偶数年毎に1人が改選されている。委員会は毎年議長を互選している。委員会は郡管理官を指名し、日々の任務遂行を監督させている。その他に選挙で選ばれる役人として、郡事務官と資産評価官がいる。
裁判所では近くのハンコック郡やブルック郡と共にウェストバージニア州の第1司法巡回地区に入っている。ウェストバージニア州では巡回裁判所判事は党派選挙で選ばれ、任期は8年間、定数は4人である。巡回裁判所事務官も党派選挙で選ばれ、任期は6年間である。また第1司法巡回地区と同じ管区であるウェストバージニア州第1巡回家庭裁判所の管区に属している。ウェストバージニア州の家庭裁判所判事は2008年から8年任期で選ばれるようになった。定数は2人である。
治安判事は党派選挙で選ばれ、任期は4年間である。空席が生じた場合はそれぞれの巡回裁判所判事が代行する。巡回裁判所判事や家庭裁判所判事とは異なり、弁護士経験がなくてもよい。郡内の治安判事定数は4人である。
ウェストバージニア州では、各郡の検察官は党派選挙で選出され、任期は4年間である。郡保安官は職権上郡財務官も兼ね、やはり選挙で選ばれ、任期は4年間であるが、再選は2期までしか認められない。
州議会と連邦議会への代表
ウェストバージニア州議会上院では、オハイオ郡の大部分がハンコック郡、ブルック郡、マーシャル郡と共に上院第1選挙区に属している。定数は2人であり、2年毎に1人が改選される。
ウェストバージニア州議会下院では、郡の一部が第2、第3、第4選挙区に属し、残りは第3選挙区に属している。任期は2年間である。
アメリカ合衆国議会下院では、ウェストバージニア州第1選挙区に属しており、その中に州北部の郡がほとんど含まれている。上院議員は州全体の代表となる。
地理
アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は109平方マイル (282 km2)であり、このうち陸地106平方マイル (275 km2)、水域は3平方マイル (7 km2)で水域率は2.46%である[3]。郡内最高地点はウェストアレクサンダーの南西約1マイル (1.6 km) の標高1,420フィート (430 m) の地点である[4]。
主要高規格道路
隣接する郡
オハイオ郡は、隣接州と同じ名称を持つ郡として国内に4つしかない郡の1つである。他の3つはカリフォルニア州ネバダ郡、オクラホマ州テキサス郡、ペンシルベニア州デラウェア郡
国立保護地域
人口動態
人口推移
|
年 |
人口 |
|
%±
|
1790 | 5,212 | | — |
1800 | 4,740 | | −9.1% |
1810 | 9,182 | | 93.7% |
1820 | 9,182 | | 0.0% |
1830 | 15,584 | | 69.7% |
1840 | 13,357 | | −14.3% |
1850 | 18,006 | | 34.8% |
1860 | 22,422 | | 24.5% |
1870 | 28,831 | | 28.6% |
1880 | 37,457 | | 29.9% |
1890 | 41,557 | | 10.9% |
1900 | 48,024 | | 15.6% |
1910 | 57,572 | | 19.9% |
1920 | 62,892 | | 9.2% |
1930 | 72,077 | | 14.6% |
1940 | 73,115 | | 1.4% |
1950 | 71,672 | | −2.0% |
1960 | 68,437 | | −4.5% |
1970 | 64,197 | | −6.2% |
1980 | 61,389 | | −4.4% |
1990 | 50,871 | | −17.1% |
2000 | 47,427 | | −6.8% |
2010 | 44,443 | | −6.3% |
2020 | 42,425 | | −4.5% |
イーデマー、現在はスタイフェル美術センター
以下は2000年の国勢調査による人口統計データである。
基礎データ
- 人口: 47,427人
- 世帯数: 19,733 世帯
- 家族数: 12,155 家族
- 人口密度: 172人/km2(447人/mi2)
- 住居数: 22,166軒
- 住居密度: 81軒/km2(209軒/mi2)
人種別人口構成
先祖による構成
- ドイツ系:27.0%
- アイルランド系:13.7%
- イギリス系:10.4%
- イタリア系:8.4%
- アメリカ人:8.3%
- ポーランド系:6.7%
|
年齢別人口構成
- 18歳未満: 21.3%
- 18-24歳: 10.5%
- 25-44歳: 25.1%
- 45-64歳: 24.4%
- 65歳以上: 18.8%
- 年齢の中央値: 41歳
- 性比(女性100人あたり男性の人口)
世帯と家族(対世帯数)
- 18歳未満の子供がいる: 25.9%
- 結婚・同居している夫婦: 47.3%
- 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 11.2%
- 非家族世帯: 38.4%
- 単身世帯: 33.7%
- 65歳以上の老人1人暮らし: 16.0%
- 平均構成人数
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収入
収入と家計
- 収入の中央値
- 世帯: 30,836米ドル
- 家族: 41,261米ドル
- 性別
- 男性: 31,132米ドル
- 女性: 21,978米ドル
- 人口1人あたり収入: 17,734米ドル
- 貧困線以下
- 対人口: 15.8%
- 対家族数: 11.5%
- 18歳未満: 20.1%
- 65歳以上: 10.4%
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都市と町
法人化市と町
未編入の町
- ベティゼイン*
- クリントン
- イーデン
- エルムグローブ*
- グレッグスビル*
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- マウントエコー
- モザート
- ポイントミルズ
- ロニーズポイント
- ウォーウッド*
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(*)これらはホイーリング市に編入されている
管理地区
- 第1地区 - リバティ
- 第2地区 - リッチランド
- 第3地区 - トリアデルフィア
教育
高等教育機関
- ウェストリバティ大学
- ホイーリング・ジェスイット大学
- ウェストバージニア北コミュニティカレッジ
- ウェストバージニア実業カレッジ
公共教育学区
郡内の公立学校は全てオハイオ郡教育学区が管轄し、高校は9年生から12年生、中学校は6年生から8年生、小学校は幼稚園から5年生を教えている。教育委員会は選挙で選ばれる5人の委員で構成され、他に監督官と副監督官がいる。また現地支配人もいる。
- ホイーリングパーク高校
- ブリッジストリート中学校
- トリアデルフィア中学校
- ウォーウッド中学校
- ホイーリング中学校
- ベスレヘム小学校
- エルムグローブ小学校
- マディソン小学校
- ミドルクリーク小学校
- リッチー小学校
- スティーンロッド小学校
- ウォーウッド・グレードスクール
- ウッズデール小学校
- ローズベル公立学校
- S・D・インターカレッジ
私立学校
ホイーリング・チャールストン教区が幼稚園から8年生を教える学校5校と、高校1校を運営している。
- ホイーリング・セントラル・カトリック高校
- コーパス・クリスティ教区学校
- アワーレディ・オブ・ピース・スクール(マーシャル郡にあるが、オハイオ郡の生徒も受け入れている)
- セントマイケル教区学校
- セントビンセント・ド・ポール教区学校
- ホイーリング・カトリック小学校
- リンスリー・スクール、高い権威のある私立学校である
著名な出身者
オハイオ郡出身の政治家として、アメリカ合衆国下院議員9人、同上院議員1人、ウェストバージニア州知事1人、ウェストバージニア州控訴裁判所判事4人、ウェストバージに州上院議長2人、同下院議長4人を輩出してきた。
行事
- オハイオ郡祭は毎年10月に、オグルベイ公園第1会場で開催されている。
脚注
外部リンク
座標: 北緯40度06分 西経80度37分 / 北緯40.10度 西経80.62度 / 40.10; -80.62