ウィリエール グランツーリヅモ2013アルテグラD2
ウィリエール・トリエスティーナ (Wilier Triestina)は、イタリアの競技用自転車メーカー。主にロードバイク を生産している。
歴史
Wilier Triestinaは ピエトロ・ダル・モリン(Pietro Dal Molin)によって、1906年 イタリアのベネチア 郊外の北イタリアでは有数の陶器の生産地である、モンテ・グラッパ の麓、ブレンタ川 沿いの町バッサーノ・デル・グラッパ にある工場で自転車の製造を開始した。第一次世界大戦 後はモリンの息子のマリオが会社を指揮し、業績を発展させた。第二次世界大戦 後、Wilierはトリエステ出身のジョルダーノ・コッター をキャプテンとするプロフェッショナルレーシングチームを編成。1945年秋にはウィリエール・トリエスティーナというブランド名に改称。同時にシンボルマークとして、ハルベルト (鉾槍 )のマークを採用した。1948年にはフィオレンツォ・マーニ がジロ・デ・イタリア を制覇したことで名を覇せた。1949年と1950年にはツール・ド・フランス でも大活躍した。最盛期には300人の社員を保有し、1日200台の自転車を製造した。しかし、世界大戦の影響と、スクーターの発達により経営が圧迫され、1952年にその生産を終えた。
1969年 、ロッサーノ・ヴェーネト 出身のリノ・ガスタルデッロ(Lino Gastaldello)とその息子がWilierの商標を取得。同ブランドで自転車の製造を再開した。リノ・ガスタルデッロは2010年1月23日に死去。その後は、アンドレア・ガスタルデッロ(Andrea Gastaldello;CEO)、エンリコ・ガスタルデッロ(Enrico Gastaldello;コマーシャルディレクター)、ミケーレ・ガスタルデッロ(Michele Gastaldello;プロダクトディレクター)の3人の息子によってWilierは運営されている。現在のファクトリは、ロッサーノ・ヴェーネト (Rossano Veneto)に位置する。
社名の由来
「Wilier Triestina」という社名は、以下の事柄に由来している。WilierとTriestina双方とも第二次世界大戦 後のイタリアの愛国心に触発されたものである。
Wilier - (イタリア語発音: [‘viljɛr] ) イタリア語では「ヴィリエール」に近い発音となる。Wの文字はイタリア語で「万歳」を意味する"Viva"に由来している。イタリア語は一部例外を除いてWが存在せず、Wはdoppia vu(2つのV)と呼ばれる。“V iv a l’I talia li berata e r edenta”で、「解放され取り戻されたイタリア万歳」の意味。
Triestina - (イタリア語発音: [tries’ti:na] ) 「トリエスティーナ」。アドリア海 に面した都市、トリエステ を示す形容詞。
競技成績
世界選手権自転車競技大会ロードレース2008 では同社のCento 1(チェントウノ)がデビューウィンを飾っている。
トライアスロン のオリンピックディスタンスにおいて、同社のImperiale(インペリアーレ)が、2010年アジアチャンピオン、2011年全日本チャンピオンを獲得している。
2006年-2012年にはUCIプロチーム にはランプレ に機材を供給している。この間の成績についてはランプレ の該当期間の成績を参照
2013年は「チーム コロンビア・コルデポルテス」、「OCBCバンク・シンガポールプロサイクリングチーム」、「ヴァンダーキッテン」の3チームに機材を供給する。
2019年12月2日、ウィリエールがUCIワールドチーム のアスタナプロチーム との提携を開始した。ウィリエールが最新モデルのロードバイク「ゼロSLR」とTTバイク「ターバイン」をアスタナに供給し、アスタナは製品の設計、特に新しいバイクの開発に関わり、さらなる性能の向上を目指す。なお、ウィリエールは、アスタナプロチームに加えてUCI女子チームのアスタナと、UCIコンチネンタルチームのアスタナシティ、ヴィノアスタナモーターにもバイクを供給する。
製品ラインナップと特徴
ZERO SLR - 軽量ディスクロードバイクでは世界初のケーブルをフル内装した電動変速専用フレーム。トタル・ディレクトエネルジー がツール・ド・フランス で使用。
Zero.9 LTD - 60Tカーボンを採用したオールラウンドレーシングバイク。日本オリジナルモデル。
Cento10PRO - 110周年記念として開発されたCento10Airから、さらに剛性を高めたモデル。春のクラシックレース2019でプロチームが使用。
Cento10Elite(AIR) - 110周年記念として開発されたエアロレーシングバイク。Cento10 (チェントディエチ)はイタリア語で110を意味する。同型フレームで剛性を高めたPROが発売された後、AIRからEliteへ改名された。
Cento10NDR - 開発に2年以上を費やしたアクティフレックスシステムを採用し、2つのブレーキシステム(ダイレクトマウントキャリパーブレーキ&ディスクブレーキ)に対応したレーシングバイク。
Cento1AIR DISC - ベストセラー「Cento1AIR」のディスクブレーキモデル。エアロ系ディスクロードバイクの新たな選択肢。
Cento1AIR - 60Tカーボンを採用したカムテール デザインのエアロレーシングバイク。ロードレースはもちろんショートトライアスロンにも最適。
Cento1NDR - ユーザーのニーズに応えた最新のチェントウノ。2つのブレーキシステム(ダイレクトマウントキャリパーブレーキ&ディスクブレーキ)に対応したレーシングバイク。
GranTurismoR Team Disc - 46T/30Tカーボンを使い、高い快適性も備えたディスクブレーキ専用のロードバイク。
GranTurismoR Team - 46T/30Tカーボンを使い、高い快適性も備えたロードバイク。
イゾアール - XP 名前の由来はフランスのイゾアール峠。ツール・ド・フランスでもたびたびコースに採用されているイゾアール峠(2645m)の名前より。カーボン製ロードバイクの初級モデル。
モンテグラッパ - 由来はバッサーノ・デル・グラッパ近傍の山の名前、ジロ・デ・イタリアでも度々登場する峠がある。ロードバイクの入門用のアルミ製モデル。
Mortiloro - イタリアの自転車レース、ジロ・デ・イタリアの中でも最も過酷な峠の名前より。
バッサーノ - Wilier発祥の地、バッサーノ・デル・グラッパより。
マロスティカ - イタリアのベネチア地方の街の名前より。
Zero.7 - フレーム重量750グラムを達成した軽量モデル。
グランツーリズモ - 2011年に追加されたモデル。「高速での長距離走行」に特化したモデル。
CENTO1 - 左右非対称チェーンステーを採用。CENTO1 SLは2011年ツール・ド・フランスにてスプリント賞を獲得。
ルロワ - 2009年をもって生産終了になったモデル。後継はImperiele。
Imperiele - 皇帝という意味。エアロダイナミクスの権威、ジョン・コブ(John Cobb)との共同制作によるもの。チェントウノのエアロモデル。
日本での取り扱い
生産
イゾアールやグランツーリスモといった中下位機種は台湾でのOEM製造。
近年はフラッグシップモデルでも中国製となっている。
参考文献
CYCLE SPORTS誌 2008年1月号「2008 最新ロードバイク注目15モデル試乗」
CYCLE SPORTS誌 2007年3月号「プレミアムモデル徹底テスト 最高級ロード試乗」
BiCYCLE CLUB誌 別冊 ロードバイクインプレッション2008
BiCYCLE CLUB誌 別冊 ロードバイクインプレッション2007
History of Wilier Triestina
索引
外部リンク