インディアンブレッシング (Indian Blessing) とは、アメリカの競走馬である。おもな勝ち鞍は2007年のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ、フリゼットステークス、2008年のプライオレスステークス、テストステークス、ラブレアステークス。2007年度エクリプス賞最優秀2歳牝馬、2008年度エクリプス賞最優秀スプリンター牝馬。
経歴
2歳時
数多くの名馬を管理した調教師ボブ・バファートの管理馬。バファートはインディアンブレッシングに最初の追い切りを掛けた際、その動きの良さに驚き、その場で馬主のアーンハートに電話し「あなたは大変な馬を持った」と興奮しながら伝えたという[1]。バファートはインディアンブレッシングの軽快なスピードを活かすため、力のいる地元デルマーを避け、遠く離れた東海岸のサラトガ競馬場でデビューさせた。
バファートの惚れ込みように、この初戦は圧倒的な1番人気に推され、その期待に応え2着に5馬身以上の差を付けて快勝。初戦勝利を飾った。2戦目には早くもG1フリゼットステークスに出走。ここも4馬身半差で圧勝してG1優勝馬となると、3戦目にアメリカ2歳女王決定戦・ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズに出走した。当日まで降り続いた雨により、開催場のモンマスパーク競馬場は「ブリーダーズカップ史上最悪の馬場」と言われるほどの不良馬場となったが、インディアンブレッシングはスタート直後に先頭に立ち馬群を先導すると、キックバック[2]に苦労する後続馬を尻目に3コーナー手前から独走状態となり、2着に3馬身半差の3連勝でこの年の2歳女王となり、翌1月にはエクリプス賞最優秀2歳牝馬に選出された。
3歳
2ヶ月の休養の後、地元西海岸のサンタアニタパーク競馬場のG2で復帰。初の地元での出走に単勝オッズは1.1倍の大人気となった。このレースではスタートから驚異的なペースで逃げると、ゴール直前に失速しかけて、初めて2着馬に馬体を併せられたものの頭差凌ぎ切り、4連勝で3歳初戦を飾った。優勝タイム1分19秒89は、サンタアニタパーク競馬場のトラックレコードだった。続くG3も優勝し5連勝。しかし次走のフェアグラウンズオークスで、前走でも破っていたジュヴェナイルフィリーズ2着馬プラウドスペルに雪辱され、連勝は途絶えた。3ヶ月休養後、6月のエイコーンステークスも2着だったが、7月のプライオレスステークスと8月のテストステークスの両G1、9月のギャラントブルームハンデキャップ(G2)を制し、重賞を3連勝した。その後、ブリーダーズカップ・フィリー&メアスプリントに出走したが、2着に敗れた。続いて3歳牝馬限定のラブレアステークスに出走。ここでは完勝し、5つ目のG1タイトルを手にした。
4歳
明け4歳となった2009年はドバイへ遠征し、3月28日のドバイゴールデンシャヒーンに出走したが、ビッグシティーマンの2着に敗れた。その後、6月14日のデザートストーマーハンデキャップでは1番人気に推されたが、4着に終わった。そして、8月29日のバレリーナステークスに1番人気で出走したが、ミュージックノートから5馬身差離れた2着と完敗した。続く9月26日のギャラントブルームハンデキャップ(G2)に出走し、連覇を飾った。その後競走馬を引退、繁殖牝馬となった。
競走成績
出走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離 |
着順 |
騎手 |
着差 |
1着(2着)馬
|
2007.08.30 |
サラトガ |
未勝利 |
|
D5.5f
|
1着 |
R.ベハラーノ |
5 1/4馬身 |
(Throbbin' Heart)
|
2007.10.06 |
ベルモントパーク |
フリゼットS |
G1 |
D8f |
1着 |
G.ゴメス |
4 1/2馬身 |
(Backseat Rhythm)
|
2007.10.27 |
モンマスパーク |
BCジュヴェナイルフィリーズ |
G1 |
D8.5f |
1着 |
G.ゴメス |
3 1/2馬身 |
(Proud Spell)
|
2008.01.13 |
サンタアニタ |
サンタイネスS |
G2 |
AW7f |
1着 |
G.ゴメス |
アタマ |
(Golden Doc A)
|
2008.02.09 |
フェアグラウンズ |
シルヴァービュレットデイS |
G3 |
D8.5f |
1着 |
G.ゴメス |
1馬身 |
(Proud Spell)
|
2008.03.08 |
フェアグラウンズ |
フェアグラウンズオークス |
G2 |
D8.5f |
2着 |
G.ゴメス |
2 1/4馬身 |
Proud Spell
|
2008.06.07 |
ベルモントパーク |
エイコーンS |
G1 |
D8f |
2着 |
G.ゴメス |
4 1/2馬身 |
Zaftig
|
2008.07.05 |
ベルモントパーク |
プライオレスS |
G1 |
D6f |
1着 |
J.ヴェラスケス |
5 1/4馬身 |
(By the Light)
|
2008.08.02 |
サラトガ |
テストS |
G1 |
D7f |
1着 |
J.ヴェラスケス |
7馬身 |
(Sweet Hope)
|
2008.09.20 |
ベルモントパーク |
ギャラントブルームH |
G2 |
D6.5f |
1着 |
C.ナカタニ |
6 1/4馬身 |
(Elope)
|
2008.10.24 |
サンタアニタ |
BCフィリー&メアスプリント |
|
AW6f |
2着 |
J.ヴェラスケス |
4馬身 |
Ventura
|
2008.12.27 |
サンタアニタ |
ラブレアS |
G1 |
AW7f |
1着 |
J.ヴェラスケス |
1 1/2馬身 |
(Ginger Pop)
|
2009.03.28 |
ナド・アルシバ |
ドバイGS |
G1 |
D1200m |
2着 |
E.プラード |
0.27秒 |
Big City Man
|
2009.06.14 |
ハリウッドパーク |
デザートストーマーH |
|
AW6f |
4着 |
V.エスピノーザ |
5 1/2馬身 |
Coco Belle
|
2009.08.29 |
サラトガ |
バレリーナS |
G1 |
D7f |
2着 |
J.ヴェラスケス |
5 1/4馬身 |
Music Note
|
2009.09.26 |
ベルモントパーク |
ギャラントブルームH |
G2 |
D6.5f |
1着 |
J.ヴェラスケス |
アタマ |
(Sara Louise)
|
血統表
インディアンブレッシングの血統フォルティノ系(グレイソヴリン系)/Raise a Native5×5=6.25% |
(血統表の出典)
|
父 Indian Charlie 1995 鹿毛
|
父の父 In Excess 1987 鹿毛
|
Siberian Express
|
Caro
|
Indian Call
|
Kantado
|
Saulingo
|
Vi
|
父の母 Soviet Sojourn 1989 鹿毛
|
Leo Castelli
|
Sovereign Dancer
|
Suspicious Native
|
Political Parfait
|
Diplomat Way
|
Peach Butter
|
母 Shameful 1999 鹿毛
|
Flying Chevron 1992 黒鹿毛
|
Carson City
|
Mr. Prospector
|
Blushing Promise
|
Fly Me First
|
Herbager
|
Flying Fable
|
母の母 Lady's Legacy 1993 鹿毛
|
Matchlite
|
Clever Trick
|
Light Up My Life
|
Wavering Lady
|
Wavering Monarch
|
Pia's Lady F-No.2-b
|
父インディアンチャーリーはサンタアニタダービー(G1)の優勝馬。母は準重賞を含む4勝を挙げている。
注釈
- ^ ブリダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ勝利インタビューより。
- ^ 前方の馬が蹴り上げる砂泥など。
外部リンク