同属のものではセイタカイワヒメワラビ H. alpina が静岡県と四国、及びそれ以南に知られる。本種より大きくて葉身は70cm以上、1mくらいにはなる。また葉や軸に粘毛があって生きた状態では触るとねばねばすること、胞子嚢群を葉の縁が反転して覆うことなどで区別される。他にオオイワヒメワラビ H. tenuifolia が沖縄本島で採集された記録があるものの、現在では見られない。これはセイタカイワヒメワラビに似て、葉柄が太くて線毛の様子が異なる。またセイタカイワヒメワラビと本種との雑種と思われるものも発見されており、アイイワヒメワラビと呼ばれる[3]。
それ以上に外見が似ているのがヒメワラビThelypteris torresiana var. clavata である。ただしこの種は葉柄の毛が落ちてもざらつかないこと、基部には鱗片もあること、胞子嚢群は裂片の主脈と縁の中間位に並んで生じること、胞子嚢群に包膜があること、また根茎が短くまとまることなど多くの点ではっきり区別出来る。なお、分類的にはこの種はヒメシダ科に属し、系統的にも遠く、区別点が多いのもそのためである。その割に見てくれはよく似ている。ちなみにヒメワラビに似た植物は他にも幾つかあり、当然ながら本種にも似ている。それらについてはヒメワラビの項に纏める。