『アンフレンデッド』(原題:Unfriended)は2014年にアメリカ合衆国で製作されたホラー映画である。監督はレヴァン・ガブリアーゼ、主演はシェリー・ヘニッヒが務めた。キャッチコピーは「アナタモ、SNSデ呪ワレル。」、「検索したら呪われる―」、「あなたのSNSに彼女が現れたら、必ず死ぬ。」、「自殺した友だちにSNSで呪われる―」。
ストーリー
カリフォルニア州フレズノ。地元の高校に通うローラ・バーンズは、泥酔して脱糞する様子を撮影された上に、それをYouTubeにアップロードされた。酷いネットいじめを苦にしたローラは公の場で拳銃自殺をし、その様子をLiveLeakで中継した。
それから1年後、ローラの幼馴染で親友だったブレアはSkypeで彼氏のミッチと話をしていた。2人はプロムの夜に初めてセックスをすることで合意した。ロマンティックな雰囲気になったところに、3人のクラスメート(ジェスとアダム、ケン)が会話に乱入してきた。5人が楽しく会話していると、billie227という未承認ユーザーが会話に加わっていることに気が付いた。5人はそのユーザーを追い出そうとしたが、どうやってもできなかったため、クラスメートの誰かの悪ふざけだろうと考えてそのまま放置した。
ヴァルをチャットに招待した後、ジェスのFacebookにパーティーの席上で乱痴気騒ぎに興じているヴァルの写真が投稿された。身に覚えがないジェスはその写真をすぐさま削除したが、今度は、同じ写真がアダムのアカウントで投稿された。その後、billie227はローラ・バーンズが自分の苦しみを訴える動画を投稿した。それはまるでアマンダ・トッドの告発メッセージのようであった。悪質な嫌がらせに憤慨したヴァルは警察に通報し、Skypeを切断した。一方、ブレアのアカウントにも謎のリンクが送り付けられてきた。ブレアがそのリンク先を訪ねると、ヴァルが「ローラには死んでもらいたい」とネット上に書き込みした証拠があった。ブレアが困惑していると、突如としてヴァルがSkypeに再接続してきた。そこに映っていたのは、微動だにせずに一点を見つめるヴァルと漂白剤のボトル、割れた鏡であった。ブレアがヴァルに電話をかけるも、彼女のそばにある携帯電話が反応しているのがSkypeに映っているにもかかわらず、全く動かないヴァルに5人が困惑していると、突如ヴァルを映していた映像が床に向くと同時に悲鳴が上がる。直後に彼女の自宅に駆け付けた警官と床に倒れているヴァルが映り込む。警官は彼女が漂白剤を飲んで自殺したと本部に報告する。
ケンはbillie227をグループから削除するためにアンチウイルスソフトを用いて排除を試み、成功したかに思われたが、アダムが警察に通報を試みるとその電話に出た人物はbillie227と思われる人物であり、更にbillie227はケンの自室の映像をSkype上で流し始めた。自室を映している撮影個所をケンは探すが、それを発見した直後にSkypeは何者かの力で切断される。復旧したSkypeに映っていたのは、ケンがミキサーの中に手を突っ込みながら絶叫し、最後はミキサーの刃で自分の喉を切り裂いて死んでいく映像であった。
生き残った4人はbillie227がローラの怨霊で、自らのいじめの引き金となった人物に復讐しようとしているのだと確信するも、超自然的な力の前には為す術もなかった。恐怖に震える4人に対し、billie227は「10本の指」ゲームに参加することを命じてきた。そのゲームの中で、4人が抱えていた秘密が次々と暴かれていくことになった。
キャスト
※()は日本語吹替。
製作
ガブリアーゼに本作の企画書が持ち込まれたとき、そのタイトルは『Offline』となっていた。ガブリアーゼはいじめをテーマにした作品に興味を惹かれ、「現代のいじめの性質は私の子供の頃のそれから変わってしまいました。インターネットがあるために、いじめっ子たちは放課後も被害者をいじめ続けることが可能になったのです」と述べている[4]。
本作は16日間で製作された。最初の3日間でキャスティングが行われ、残り6日間は半日を費やして主要撮影が行われた。その後の数日間で追加撮影とポスト・プロダクション作業が行われたのである[5]。本作の撮影では長回しの手法が多用され、約10分間のロングカットで撮影されていった。シェリー・ヘニッヒは「長回しの撮影は気力と体力の面でつらいものがあった」と回想している[6]。試行錯誤が続いた現場では、ヘニッヒの「全編ノーカットで撮影してはどうか」という提案が実行に移されたこともあった。本作のエンディングシーンはその際に撮影されたものが使われている[5]。
『Offline』というタイトルに対して、「あまりにもありふれた語句の上、それでは本作がどんな物語なのか分からない」という意見がスタッフから複数出たことを受け、本作のタイトルは『Cybernatural』に変更されることになった。しかし、劇場公開時に、本作のタイトルが『Unfriended』に再変更された[4]。
公開・マーケティング
2014年7月、本作のティーザー・トレイラーが公開された[7]。同月20日、本作はファンタジア映画祭でプレミア上映を迎えた[8]。2015年1月12日、本作の予告編第1弾が公開された[9]。2月6日、VineやYoutube上の有名人が一堂に会したプレイリスト・ライブにおいて、本作が特別に上映された[10]。13日、本作の広告活動の一環として、Kik Messenger上でローラ・バーンズと会話できるイベントが始まった[11]。
2015年3月13日、本作はサウス・バイ・サウスウエストで上映された。アフターパーティーを主催したブラムハウス・プロダクションズは、会場で本作の特別カードを配布し、本作をテーマにしたプリクラを撮影できるブースを設置した[12]。その後、ローラ・バーンズのFacebookアカウント及びSkypeアカウント、Twitterアカウントが開設された[13]。
興行収入
本作は『モール・コップ ラスベガスも俺が守る!』と『ディズニーネイチャー サルの王国とその掟』と同じ週に公開され、1200万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていたが、実際の数字はそれを上回るものであった[14]。2015年4月17日、本作は全米2739館で封切られ、公開初週末に1584万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場3位となった[15]。
評価
本作はその斬新な演出(ネット画面に向かう登場人物だけをひたすらに映し続ける)のために、賛否が大きく分かれることとなった。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには159件のレビューがあり、批評家支持率は62%、平均点は10点満点で6点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『アンフレンデッド』はファウンド・フッテージで撮影されたホラー映画の定型を破り、その技巧によって、ティーンエイジャーの殺人犯を題材にした映画というジャンルに、本当に恐ろしい一作を付け加えた。」となっている[16]。また、Metacriticには30件のレビューがあり、加重平均値は59/100となっている[17]。なお、本作のCinemaScoreはCとなっている[18]。
続編
2015年4月、ユニバーサル・ピクチャーズは本作の続編の企画にゴーサインを出したとの報道があった[19][20]。2017年10月、『Unfriended: Game Night』というワーキングタイトルの下、続編の撮影が始まったと報じられた[21]。2018年3月9日、続編の正式なタイトルが『Unfriended: Dark Web』に決まった[22]。
出典
外部リンク