アルシエティナ水道(ラテン語: Aqua Alsietina)は古代ローマの水道(ローマ水道)で、テヴェレ川右岸側の2つのローマ水道のうち、最も古い方である。アウグスタ水道(ラテン語: Aqua Augusta)と呼ばれることもある。
アルシエティナ水道はローマの北西約40kmにあるブラッチャーノ湖周辺の地域が水源で、紀元前2年頃に初代皇帝アウグストゥスによって造られた。ローマ水道の技術書の著者でありローマ水道長官でもあったフロンティヌスによれば、水道の全長は32.814km(22.172ローマ・マイル)で、そのうち0.529km(0.358ローマ・マイル)が水道橋上の導水渠で、残りは地下の導水渠で構成されていた
[1]。水量は15,680m3/日(392クイナリア)[2]で、給水範囲はテヴェレ川右岸のみが対象であった。水質は飲用に適さず、主に模擬海戦を行うためのナウマキア・アウグスティ(オランダ語版)への給水と、灌水などの目的で使われた。
なお、中世に修復されパオラ水道(ラテン語版)と名を変えて現在まで存続している水道施設は、アルシエティナ水道ではなく、トライアーナ水道の施設である。
導水渠の経路
関連項目
参考文献