アルカンタラ射場(アルカンタラしゃじょう、ポルトガル語: Centro de Lançamento de Alcântara、英語: Alcântara Launch Center; CLA)は、ブラジルマラニョン州のAlcântaraにあるロケット打ち上げ施設[1]。ブラジル空軍により管理されている。
赤道に最も近い射場であり、このことは静止衛星を打ち上げる際に大きなアドバンテージとなっている。
概要
建設は1982年に始まり、初の打ち上げは1990年2月21日、観測ロケットソンダ2 XV-53であった。1994年にはフランスによりOngoron IとOngoron IIロケットの試験もここで行われている。
観測ロケットとVLSロケットの打ち上に使用される。2003年8月22日のブラジルロケット爆発事故では21人が死亡した。
アルカンタラからブラジル以外のロケットを打ち上げる計画もあり、2003年にはウクライナのツィクロン-4の打ち上げが契約された[2](2009年12月時点で2010年末の打ち上げ予定だったが実現していない[1])。
2006年にはウクライナとの合弁事業としてアルカンタラ射場からツィクロン-4を打ち上げるためにAlcântara Cyclone Space(ポルトガル語版)が設立されたが、2015年7月に中止された[3]。
その後もウクライナ等のロケットの打ち上げを模索する[4]。
2015年11月13日に小型観測ロケットのVS-40M V03がアルカンタラ射場から発射直後に爆発した[5]。けが人はいなかった模様。
現在、軍が管理するCLAの近くにブラジル宇宙機関が管理する民間打ち上げセンターを建設する政府案が存在するが、近隣住民の反対があり進んでいない。
射点
打ち上げリスト
日付 |
ロケット |
ミッション |
結果
|
1990年2月21日 |
ソンダ2 XV-53 |
アルカンタラ 電離層 |
101 km
|
1990年11月26日 |
ソンダ2 XV-54 |
Manival 電離層 |
91 km
|
1991年12月9日 |
ソンダ2 XV-55 |
Aguas Belas 電離層 |
88 km
|
1992年6月1日 |
ソンダ3 XV-24 |
Aeronomy |
282 km
|
1992年10月31日 |
ソンダ2 XV-56 |
Ponta de Areia 電離層 |
32 km
|
1993年3月22日 |
ソンダ2 XV-57 |
Maruda 電離層 |
102 km
|
1993年4月2日 |
VS-40 PT-01 |
VS-40 Test |
950 km
|
1994年8月19日 |
Nike Orion |
MALTED/CADRE 電離層 |
140 km
|
1994年8月20日 |
Nike Orion |
MALTED/CADRE 電離層 |
140 km
|
1994年8月24日 |
Nike Orion |
MALTED/CADRE 電離層 |
140 km
|
1994年8月25日 |
Nike Orion |
MALTED/CADRE 電離層 |
140 km
|
1994年9月9日 |
Black Brant |
電離層 |
250 km
|
1994年9月21日 |
Black Brant |
電離層 |
250 km
|
1994年9月23日 |
Nike Tomahawk |
電離層 |
270 km
|
1994年9月23日 |
Nike Tomahawk |
電離層 |
270 km
|
1994年9月24日 |
Nike Tomahawk |
電離層 |
270 km
|
1994年9月24日 |
Nike Tomahawk |
電離層 |
270 km
|
1994年10月6日 |
Black Brant |
電離層 |
失敗 (250 km)
|
1994年10月14日 |
Black Brant |
Guara H.Alt Spread F 電離層 |
956 km
|
1994年10月15日 |
Black Brant |
電離層 |
250 km
|
1997年4月28日 |
VS-30 XV-01 |
VS-30 Test |
128 km
|
1997年11月2日 |
VLS-1 V01 |
VLS-1 |
打ち上げ中に破壊
|
1998年3月21日 |
VS-40 |
VS-40 Test |
900 km
|
1999年3月15日 |
VS-30 XV-04 |
Operacao San Marcos |
128 km
|
1999年12月11日 |
VLS-1 V02 |
SACI-2 |
指令破壊 (10 km)
|
2000年2月6日 |
VS-30 XV-05 |
Lencois Maranhenses |
148 km
|
2000年8月21日 |
VS-30/Orion XV-01 |
Baronesa |
315 km
|
2002年11月23日 |
VS-30/Orion XV-02 |
Piraperna 電離層 |
434 km
|
2002年12月1日 |
VS-30 XV-06 |
Cuma |
失敗 (145 km)
|
2003年8月22日 |
VLS-1 XV-03 |
SATEC |
失敗 (ブラジルロケット爆発事故)
|
2004年10月23日 |
VSB-30 XV-01 |
Cajuana Test |
100 km
|
2004年10月23日 |
VSB-30 V01 |
VSB-30 飛行試験 |
259 km
|
2007年7月19日 |
VSB-30 V04 |
Cuma II |
242 km
|
2009年5月29日 |
Orion |
Maracati 1 |
93 km
|
Source: Astronautix[6]; Xinhua[7]
|
2009年12月ブラジル連邦共和国大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァはこの地域に存在するマルーンコミュニティーの存在など、環境・社会的問題がロケット打ち上げのスケジュールを遅延させていることを認めた[1]。
脚注
外部リンク
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