日本の大阪府 で育てられたアトランティックジャイアント(2007年7月撮影)
アトランティックジャイアントの果実の中身
アトランティックジャイアント (Atlantic Giant) とは、巨大な実を付けるカボチャ である。アメリカ合衆国 で付けられた名称で、学名 ではない。アトランティックジャイアント(大西洋 の巨人 )という名称で呼ばれてこそいるが、必ずしも大西洋沿岸で育てられているわけではない。日本 でも栽培されており、「おばけかぼちゃ」と呼ばれることもある[ 1] 。
実の大きさは180cm を超え、重量は数百kg に育つこともある。例えば、2011年にカナダ のオンタリオ州 で育てられたアトランティックジャイアントの場合、収穫時の実の重量は824.9kgを記録した。しかし、このカボチャの巨大さは、セイヨウカボチャ (Cucurbita maxima )の変種の表現型 (遺伝的要素と生育環境との相互作用によって生じた姿)なので、生育環境によっては、ここまで巨大にはならない場合もある。このカボチャが生育可能な気候の地方でツル や葉 を広げるのに十分な土地 を用意して、1つの株に1つの実だけにして育てる(1つの実だけに養分を集中させる)ことなど、様々に手をかけることで、アトランティックジャイアントが出現する。
このように、育て方などにも実の大きさが左右されるため、食用よりは、どのくらいの大きさにまで育てられたかを競ったり、その大きさを展示物として楽しんでもらったり、子供の遊び道具やジャックオーランタン の材料としたりするイベント に使われる[ 2] 。
アメリカ合衆国における「アトランティックジャイアント」の商標 は1985年9月を以って法律による保護期間が終わり、社会的な共有財産(パブリックドメイン )となった。そして、2004年にはアトランティックジャイアントに関連する全ての表現型が、社会的な共有財産となった。
脚注
参考文献
Susan Warren, "Backyard Giants: The Passionate, Heartbreaking, and Glorious Quest to Grow the Biggest Pumpkin Ever"(裏庭の巨人 - かつてない巨大なカボチャを育てるための探求) Bloomsbury Publishing, 2007. ISBN 1-59691-278-2