アスピドケロン

アスピドケローネ。『アン・ウォルシュ動物寓意譚』第59葉裏より、15世紀、デンマーク王立図書館蔵、コペンハーゲン[1]

アスピドケロン[2]英語 : Aspidochelon)、アスピドケローネ[3]ギリシア語: Ασπιδοχελώνη, ラテン語: Aspidochelone)は、北欧に伝わるクジラに似た怪物である。ギリシア語で「蛇亀」(ασπίςヘビ」+ χελώνιαカメ」)を意味する。別名、ファスティトカロン(Fastitocalon, 「大洋の流れに浮かぶもの」)。

解説

クラーケンにも似ており、巨大な海亀や魚のような姿をしており、背中に苔をはやし、浮島のように移動するといわれる。

中世のヨーロッパでは、海のただ中に浮かんでいたアスピドケロン(アスピドケローネ)を島と誤認して上陸した船乗り達が焚き火を始めたところ、アスピドケロンが目を覚まして海中に沈み、船乗り達は脱出が間に合わず溺死したりした、という噂が信じられていたという[4][5]

脚注

  1. ^ https://render.fineartamerica.com/images/images-profile-flow/400/images-medium-large-5/aspidochelone-legendary-sea-monster-science-source.jpg
  2. ^ ローズ, 松村訳 (2004) で確認できる表記。同書によれば、アスピドデロンとも呼ばれていた。
  3. ^ 松平 (2005) で確認できる表記。
  4. ^ ローズ, 松村訳 (2004)、15頁。
  5. ^ 松平 (2005)、201頁。

参考文献

  • 松平俊久「アスピドケローネ」『図説ヨーロッパ怪物文化誌事典』蔵持不三也監修、原書房、2005年3月、201-202頁。ISBN 978-4-562-03870-1 
  • ローズ, キャロル「アスピドケロン」『世界の怪物・神獣事典』松村一男監訳、原書房〈シリーズ・ファンタジー百科〉、2004年12月、15頁。ISBN 978-4-562-03850-3 

関連項目

外部リンク

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