くま川鉄道株式会社(くまがわてつどう、英:Kumagawa Railroad Co., Ltd.)は、熊本県人吉市に本社を置き、同市や球磨郡の町村と民間企業が出資している第三セクターの鉄道会社である[3]。人吉盆地の球磨川流域を走る鉄道路線の湯前線を経営している[4]。
湯前線は旧日本国有鉄道(国鉄)特定地方交通線の一つで、1987年の国鉄分割民営化に伴いJR九州が、さらに1989年10月にくま川鉄道が経営を引き継いだ[5]。
KT-100形・KT-200形が新製から約25年経過して老朽化したことに伴い、2013年度に3両、さらに2014年度に2両を(新車両に)更新し、計5両体制とした[9][20]。新車両のデザインは、九州新幹線や「SL人吉」、熊本駅などを手掛けた水戸岡鋭治が担当した。新車両は「田園シンフォニー」として2014年3月に3両(KT-501、KT-502、KT-503)[9]、2014年12月に2両(KT-504、KT-505)[21]が運行を開始した。2009年に在来車KT-103・KT-203の2両を改装して運行を開始した「KUMA1」「KUMA2」は2014年1月時点で廃車予定はなく7両体制が続くも[9]、2016年6月26日に営業運転を終了した[12][13]。
また、赤字続きのくま川鉄道再生に向け、2011年度までの2年間で橋梁を7500万円で整備し、2012年度に線路(レール)の磨耗、枕木の老朽化を修繕する方針としていた[20]。
2020年7月の令和2年7月豪雨で甚大な被害を受けて全線が運休となり、2021年11月に肥後西村 - 湯前間が運転再開、その後2025年度内に、人吉温泉 - 肥後西村間が運転再開の予定となっているが、復旧にあたっては過去3年間赤字の鉄道会社に対して国が事業費の97.5%を実質負担する大規模災害の特例支援措置が適用され、残り2.5%も県や人吉球磨地域の市町村が負担する見込みとなっている。県や地元市町村は被災後「くま川鉄道再生協議会」を設立し、同社の支援策を協議。国の特例措置を受ける前提として、自治体などが鉄道の施設や用地を保有し、運行事業者の負担を軽くする上下分離方式の導入が決定している[22]。