株式会社きのとや(英: KINOTOYA)は、北海道札幌市白石区に本社を置く製菓販売業者。本項目では、持株会社「北海道コンフェクトグループ」や製造会社「Kコンフェクト」についても記述する。
概要
日本国内初となるケーキの宅配サービス開始を契機に1店舗の売上が日本一になるなど、一気に顧客を獲得していった。北海道産の原料を活用した洋菓子を製造・販売している。また、環境問題や社会貢献に対しても積極的に取り組んでいる。
名称は、創業者で代表取締役会長の長沼昭夫の義父の出身地である新潟県北蒲原郡中条町(現在の胎内市)に「乙寶寺」(おっぽうじ)という寺があり、「乙寺」(きのとでら)とも呼ばれていた[2]。「乙饅頭」(きのとまんじゅう)という酒饅頭を作っている酒屋があり、創業から250年続いていることやお菓子とのつながりもあるので縁起が良い名前であると思い、義父の提案もあって平仮名で「きのとや」とした[2][3]。また、「乙」(きのと)という文字には甲乙丙でいう2番目、女性的、お洒落という意味があり、洋菓子やケーキの店にぴったりだと思ったこと[3]、2番目とは常に上を目指して謙虚に努力することであり、もっと美味しいお菓子や高品質のサービスを提供していくという思いを込めている[3]。
主な商品
「デコレーションケーキ」を主力としているほか、北海道大学と提携してミルククッキー「札幌農学校」を販売し、売上の一部を北大に寄付している[2]。
- ケーキ(札幌近郊限定)
- 焼きたてチーズタルト
- 札幌農学校
- 北海道焼きチーズ
- きのとやバームクーヘン
- 南郷通り
- スフレ
- プリン
- 北海道 黒千石のカラメルパイ
- エルムの森
沿革
「きのとや」創業は、金融会社を営んでいた長沼昭夫の義父が[4]、現在の白石本店がある白石区南郷通にビルを建て、1階のテナントを探していたことがきっかけとなった[5]。義父はお菓子屋に入居して貰いたいのだが中々決まらずに困っており、「だったら自分でやってみよう」と思って創業を決意した[5]。当初は喫茶店として営業しており、ケーキは仕入れることで対応しようと思ったたがどこも売ってくれず、知り合いのケーキ屋に頼み込んでようやく仕入れることができたものの[6]、仕入れたケーキは思うように売れなかったため、職人を探してケーキの自社製造を始めた[5]。また当初はパンも取り扱っていたものの半年ほどで撤退している[4]。
店舗
- 白石本店・KINOTOYA Cafe - 札幌市白石区東札幌3条5丁目1-20
- 琴似店・KINOTOYA Cafe - 札幌市西区八軒5条西3丁目4-16
- ファーム店・KINOTOYA Cafe - 札幌市清田区清田1条4丁目4-25
- 東苗穂工場直売店 - 札幌市東区東苗穂5条3丁目7-36
- 大丸店・KINOTOYA Cafe - 札幌市中央区北5条西4丁目 大丸札幌店地下1階
- 丸井今井店 - 札幌市中央区南1条西2丁目 丸井今井札幌本店大通館地下2階
- 大通公園店・KINOTOYA Cafe - 札幌市中央区大通西3丁目 北洋大通センター1階
- 新さっぽろ店 - 札幌市厚別区厚別中央2条5丁目 サンピアザ地下1階
- 新千歳空港店 - 千歳市美々 新千歳空港ターミナルビル センタープラザ2階
- 新千歳空港ファクトリー店 - 千歳市美々 新千歳空港ターミナルビル センタープラザ2階
- KINOTOYA BAKE ポールタウン店 - 札幌市中央区南2条西3丁目 さっぽろ地下街ポールタウン
受賞・選定
- 『北海道グッドデザインコンペティション2004』金賞「アンジェトワール」[7]
- 「はばたく中小企業・小規模事業者300社」[17]
北海道コンフェクトグループ
「札幌農学校」「SNOWS」などの新ブランドの台頭や千秋庵製菓のグループ入りを背景に、一体化したグループでの認知度の向上や戦略展開、持合株式の整理、海外展開の強化を目的として2022年9月に持株会社「北海道コンフェクトグループ」を設立[18]。社名は海外展開を見据えて高品質な原材料の揃う北海道をイメージして北海道を冠したものとした[18]。
- 子会社
- きのとや(2代目法人) - 洋生菓子販売・宅配、オンライン販売
- Kコンフェクト - グループ各社の菓子製造・開発、卸販売、催事事業
- COC - 「SNOWS」ブランド他新規ブランド開発運営、グループのデザイン・バックオフィス支援
- 千秋庵製菓 - 和洋菓子製造販売、オンラインビジネス物流支援
- ユートピアアグリカルチャー - 酪農事業、原材料加工、乳卵製品オンライン販売
- 北の食品 - ソーセージ、海産物等食品卸販売 2022年「木野商事」時代に買収
テレビ番組
書籍
関連書籍
脚注
外部リンク