おのみちバス
おのみちバス株式会社は、広島県尾道市東尾道18-1に本社を置く日本のバス事業者である。尾道市営バスの乗合事業を継承し、貸切事業も行う。また、市営索道事業の指定管理者となっている。 歴史バス事業の市営化1920年代頃の尾道市は中小零細のバス事業者が乱立し、乗客の獲得合戦、運行の不正確さ等混乱を来していた。 そのため、主に市内中心部を東西に運行していた路線等について、市が集約し買い上げる形で1932年に誕生したのが尾道市営バスである。 向島町営バスの吸収その後旧市街地を中心に路線を伸ばし、尾道大橋開通および向島町営バスの合併により対岸の向島へ、1983年の因島大橋開通時より因島市へも路線を伸ばした。他社と同様モータリゼーション等の進行に伴い、昭和末期から路線の廃止、減回が相次いだが、近年は新規路線の開拓、観光路線の充実等が見られる。利用者数面では、1964年には1,317万人の利用があったが、2004年になって300万人前後にまで落ち込んでいる[1]。 また2006年度より5年計画でCNGバスを10台導入する計画が発表され、交通局内にCNG充填所を建設。2007年2月9日にお披露目式が行われ、翌10日よりまず2台で市内本線および市民病院路線で運行されている。 近年、CNGバス及び商用トラックは排出ガスの点から注目されており、購入には補助金等の優遇措置がとられ、その普及が図られている。 第三セクター化2008年4月、市交通局の事業がおのみちバス株式会社に移管された。おのみちバスは出資金3億円で市が2億7500万円(91.7%)、民間が2500万円(8.3%)を負担し、うち1億5000万円を資本金に充てている。 年表
営業所
路線長江通りを離合するおのみちバスと中国バス 2009年8月1日より大幅なダイヤ改正を行い、路線名の変更などが行われる。 また2011年5月6日に農協病院(JA尾道総合病院)の平原台への移転にともなうダイヤ改正が行われ再び大幅な改訂が行われた。 (経路名/経路名)はいずれか一つを経由する。 2017年4月1日より路線番号を導入している[6][7][8]。 一般
市内沿岸部を貫く国道2号線(在来線)を中心に沿い「東行」「西行」と称し、尾道駅を経由または発着し連続運行をしている。東行きは市境付近の高須地区を経由する。
2009年7月31日まではそれぞれの路線名がついていたが三美園地区の尾道中学校・高等学校が向島地区へ移転したことをきっかけに路線名称を統合した物で、それぞれの地区への経路はそのままである。どの路線も長江通り(広島県道363号栗原長江線)を経由するが、道路は全般にわたり狭隘で中型車の運用が目立つ。 このうち栗原循環線は元々は亀川までの旧市街地を循環する市内線であったが新尾道駅の開業と共に路線が延長された。路線延長の際は中国バスとの路線権利の関係で一部の便のみしか新駅まで延長されなかったが、現在では全便乗り入れている。
新高山地区に作られた尾道市民病院への大切な足となる路線。基本は尾道駅と市民病院への往復運転であるが、近隣のふくしむらへの循環運転や後述の尾道工業団地線・駅前向東線・尾道学園線と瀬戸田線も乗り入れる。
久山田地区にある尾道市立大学へ向かう路線。尾道バイパス-平原台-JA尾道総合病院を経由する便もあるが数は少ない。 急行便の設定があるが、各停の平原台を経由しない門田トンネル便のことを指すもので、元々は本数も利用も少なかったが、2010年春の改正時に雨天通学時に運行する臨時便に代わって学休便として増便され、学生から通学便として広く認知されるようになった。更に2011年春の改正時に尾道駅からの直通便も設定された、同線で初となる桜土手経由であるが途中バス停には停車しない、因島線・市内本線用の大型車で運用されることが多い。
2013年4月1日に開設、東尾道駅と向島にある尾道学園を市民病院経由で結ぶ。在来国道2号線経由のため東尾道駅-市民病院間の経路は尾道工業団地線と大きく異なる。その後、東尾道駅-市民病院間は廃止された。
「兼吉」(「尾道渡船」向島側乗船場)より、島内各所および対岸の岩子島を結ぶ。しかし平日には二十数本、土曜は数本まで減便、日・祝日は運休するので利用には注意が必要である。兼吉バス停では、大林宣彦監督の映画「あした」で使用されたオープンセットが移築され待合所として使用されている。
2013年4月1日時刻改正により、島内ターミナルが「兼吉」から「向島支所・駅前渡船(向島側乗船場)」に変更となり、併せて向東線(潮見が浜線)立花線(江の浦線)岩子島線(向島循環線)へと名称変更された。岩子島線は循環線を維持するものの、道越を先回りする終日片方向運転となる。兼吉には向東線と立花線の一部の便が経由するのみとなり、それも平日に限られる。さらに市民病院・兼吉線も尾道学園線に改組され兼吉には立ち寄らなくなった。
2009年4月1日に開設された新規路線。元々は2007年2月に東神観光バス尾道営業所が日東電工尾道事業所の従業員送迎用貸切バスを受諾したのが始まり。その後おのみちバス、鞆鉄道、中国バスが参入し、一般路線化したものである。なお一般路線化を前提に日東電工が工業団地内にバスロータリーを造り尾道市に寄贈[15]している。なお路線は元々送迎バスの性格を持っているため、上り下りの便で運行間隔に偏りがあったり、日東電工の社員寮が沿線にある地域を主に開設されている。
因島大橋開通後の因島への足で、本四バス開発と因の島運輸との共同運行である。因島市は尾道市に合併されたが、回数券や乗降バス停の取り扱い等は従前と同じく他路線と一部異なる。また、しまなみライナー (尾道 - 今治線)の廃止に伴い、しまなみライナー(福山・広島 - 今治線)の今治方面と尾道方面を因島大橋で乗り継ぐ際には割引運賃が適用される。2008年6月1日の道路交通法改正以降、シートベルトが設置されていないバスは緩和措置の適用を受け、しまなみ海道を60km/h以下で走行している。車内には60km/h以上で走行すると点灯する警告灯(黄色)が運転席後部の、旅客から見える部分に設置されている。おのみちバス担当便は固定であるが、因島側の本四バス開発と因の島運輸は毎年担当便を入れ替え、売上等に偏重の出ないようにしている。新尾道駅発着便および駅前渡船経由・安郷発着便は2014年9月1日ダイヤ改正で廃止されている。
2010年4月1日運行開始。広島県立瀬戸田病院の尾道市への移管(尾道市立市民病院付属瀬戸田診療所)にともない、平日の一部の便は尾道市民病院を経由するように設定された。また瀬戸田地区への観光への便として往復割引も設定されている。生口島内は尾道発降車、尾道行乗車のみで、島内相互の利用はできない。2011年5月6日より平原台のJA尾道総合病院を発着する便も平日の一部のみ作られ、尾道市民病院は休日も経由するようになった。また瀬戸田側の停留所も生口橋入口、高校前(広島県立瀬戸田高等学校)、林公民館が追加された。
高速バス現在は運行していない。 かつて運行していた高速バスクロスウェイエクスプレス(尾道-松江線)
しまなみサイクルエクスプレス(尾道-今治線)
エアポートバス(尾道-広島空港線)→「エアポートリムジン (広島空港線)」も参照
定期観光など
スクールバス
他社との関係古くは尾道 - 三原間の営業をめぐり三原市と競合。三原市交通局誕生の引き金となる。バス黄金期には共同で福山 - 尾道 - 三原間の路線を運行するなどをした一方、新道(国道184号、尾道バイパスなど)の完成による新規路線の開設、合併による路線の延長などをめぐり、中国バス、鞆鉄道等、他事業者との競合・競争が繰り返されてきた。中国バスのエリアである北部地域にも一時乗り入れを行ったが、三原市との競合(当時)であった中野方面を除き撤退。その後、如水館高校開校に伴い中国バスと共に通学路線を運行している。現在では共通回数券制度、停留所の統一、他社エリアへの進出(松永等)などが行われるようになった。 乗車方法現金及びICOCAとその相互利用可能な交通系ICカードが利用できる。後部ドアから乗車し整理券をとるかICOCAを読み取り機にタッチし、前部ドアから下車時に現金もしくはICOCAを読み取り機にタッチし精算する。ICOCAならびに相互利用可能な交通系ICカードへのチャージにはバス車内では対応していないので注意が必要である。チャージ可能なおのみちバス関連施設は本社および尾道駅と新尾道駅のバスセンターの3か所である。またICOCA定期券は券面に印字されないため、別紙で「ICOCA定期券内容控」が交付される。 割引制度
マスコットキャラクターなど![]() 一般公募で社章、ロゴマーク、マスコットキャラクターが決定された。 ロゴマークは「Onomichi Bus」から「OB」と表記し、さらにBをハートマークを横倒しにしたデザインとし、「人に優しいバス」を表現している。また「∞(無限大)」に見えることから「未来に向って限りなく飛躍発展する」ことを表現している[18]。 マスコットキャラクターはネコとバスを合わせたキャラクターで、名前も公募の上2008年9月21日に行われたバスまつりにて「はっぴい」と命名された。またあわせてCNGノンステップ環境ロゴが「おもいやり のせて走るよ みんなの ちきゅう(頭文字が「おのみち」となる)」と発表された。 脚注
関連項目外部リンク |