『輪廻』(原題:Something Magic)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、プロコル・ハルムが1977年に発表した9作目のスタジオ・アルバム。バンドは本作のプロモーション・ツアーを最後に一度解散した[6]。
背景
1976年にアラン・カートライトがバンドを脱退し、ベース・パートはクリス・コッピングが引き継いで、ピート・ソリーが新たなキーボード奏者として加入した[7]。
本作で共同プロデューサーを務めたロン・アルバートとハワード・アルバートの兄弟は、過去にスティーヴン・スティルス、カーヴド・エア、クリス・ヒルマン、ウィッシュボーン・アッシュ等の作品を手掛けてきた[8][9]。バンドが本作のために用意した曲の約半分はアルバート兄弟により却下され、ゲイリー・ブルッカーはその穴埋めとして、キース・リードが以前書いた詩を元に、LPのB面を占める組曲「小さな虫と無言の樹の物語」を作った[6]。本作のオリジナルLPは見開きジャケットとなり、内側に「小さな虫と無言の樹の物語」の詩の全内容が掲載された。
なお、後のリマスターCDにボーナス・トラックとして収録された「ユード・ベター・ウェイト」と「ディス・オールド・ドッグ」は、アルバート兄弟に却下された曲の未発表ライヴ音源である[6]。
反響
アメリカのBillboard 200では147位に終わり、プロコル・ハルムのスタジオ・アルバムとしては初めて全米トップ100入りを逃す結果となった[5]。一方、オランダ[2]及びノルウェー[3]のアルバム・チャートでは、いずれも3週連続でトップ20入りした。
収録曲
特記なき楽曲は作詞がキース・リード、作曲がゲイリー・ブルッカーによる。
- 魔法を呼ぶ嵐 "Something Magic" – 3:36
- 薄氷の上を "Skating on Thin Ice" – 4:49
- ウィザード・マン "Wizard Man" – 2:41
- 妖婦(サイレン)の爪あと "The Mark of the Claw" – 4:39
- 時の探訪者 "Strangers in Space" – 6:08
- 小さな虫と無言の樹の物語:イントロダクション、小さな虫の侵入そして脅威 "The Worm & the Tree Part One" – 7:50
- a "Introduction"
- b "Menace"
- c "Occupation"
- 小さな虫と無言の樹の物語:樹の衰弱そして戦い "The Worm & the Tree Part Two" – 5:29
- a "Enervation"
- b "Expectancy"
- c "Battle"
- 小さな虫と無言の樹の物語:新しい生命の芽ばえ、エピローグ "The Worm & the Tree Part Three" – 5:20
- a "Regeneration"
- b "Epilogue"
2009年リマスターCDボーナス・トラック
- バックギャモン "Backgammon" – 3:23
- ユード・ベター・ウェイト[ライヴ] "You'd Better Wait" – 4:44
- ディス・オールド・ドック[ライヴ] "This Old Dog" – 3:41
参加ミュージシャン
脚注