定福寺(じょうふくじ)は、和歌山県橋本市賢堂(かしこど)にある高野山真言宗の寺院。山号は紫雲山。本尊は阿弥陀如来[1]。
高野山の参詣道である黒河道の起点に位置しており[1][2]、庫裏は国の登録有形文化財に登録されている[2]。
高野七口押印帳のスタンプ設置場所である。[3]
歴史
創建時期は明らかでないが、16世紀の永禄年間の建立であるとの伝承がある[2]。本尊の木造阿弥陀如来坐像は平安時代中期、10世紀から11世紀の作とみられ[1]、境内にある石造九重塔は銘記から弘安8年(1285年)の建立と判明する[4]。
隣接して八幡宮が設置されており、神仏習合の形を残している。
境内
- 本堂
- 庫裏
- 本尊(阿弥陀如来坐像)
文化財
- 庫裏(国の登録有形文化財)
- 木造阿弥陀如来坐像(秘仏、和歌山県指定文化財)
- 九重石塔(橋本市指定文化財)
庫裏は入母屋造、桟瓦葺きで、屋根の妻面を漆喰塗とする。鬼瓦に宝暦11年(1761年)の銘があることからこの頃の建立とみられる[2]。2006年(平成18年)11月29日に国の登録有形文化財に登録された[5]。
本尊の木造阿弥陀如来坐像はヒノキの一木造りで、平安時代中期、10世紀から11世紀の作とみられる[1]。像高は88cm。秘仏であり通常は公開されていない。1996年(平成8年)4月17日に和歌山県指定文化財に指定された[6]。
九重石塔は基礎部に「弘安第八暦乙酉二月十三日」の銘があり、弘安8年(1285年)の建立と判明する[4]。現在は相輪の6段目から上を欠き、塔身も8重目の屋根石が欠けていて、完形ではないものの、橋本市内における石造層塔の現存例が少ないこと、建立年代が明確であることから資料としての価値が高い[4]。高さ244cm。1981年(昭和56年)8月28日に橋本市指定文化財に指定された[7]。
民俗文化財
高野参詣道・黒河道
門前を高野参詣道である黒河道が通っている。定福寺と黒河口女人堂跡間を両端とする約16kmの参詣道で、2016年(平成28年)10月24日には世界遺産(文化遺産)にも登録されている。橋本から高野山への近道とされ、大和国からの参詣人が多いことから「大和口」とも呼ばれた。
特産物・行事
交通アクセス
鉄道
橋本市コミュニティバス
- 中ルートの「賢堂」停留所が近い
- 右まわり・左まわりそれぞれ3便ずつの運行となっている
脚注
出典
参考文献
- 高野山結界道、不動坂、黒河道、神谷坂及び関連文化財学術調査報告書 2012 和歌山県教育委員会
外部リンク