太陽への旅路
『太陽への旅路 』(Long May You Run )はスティーヴン・スティルス とニール・ヤング によるスティルス=ヤング・バンド名義のスタジオ・アルバム で、1976年にリプリーズ・レコード から発売された。Billboard 200 チャートで26位を記録し、アメリカレコード協会 によってアメリカ合衆国でゴールドディスク に認定された。このアルバムはスティルスとヤングのコンビでの唯一のスタジオ・アルバムとなっている。
背景
クロスビー、スティル、ナッシュ&ヤングの1974年のスタジアムツアー (英語版 ) の後、カルテットによる新しいアルバムを仕上げる試みは険悪な雰囲気のまま結果を伴わずに終了した。デヴィッド・クロスビー とグラハム・ナッシュ はパートナーシップ を再開し、スティルスとヤングはそれぞれのソロのキャリアを継続した。中断されたCSNYのアルバムからの楽曲はグループメンバーによる複数のアルバムに採用され、スティルスは自身のスタジオ・アルバム『スティルス (英語版 ) 』に「ニュー・ママ」を、『イリーガル・スティルス (英語版 ) 』に「ローナー (英語版 ) 」を収録した。
1976年前半にスティルスとヤングは和解に達し、10年前に結成したバッファロー・スプリングフィールド 時代のギターの探求を再開したいという二人の願望から、共同アルバムのプロジェクトを開始した。クロスビーとナッシュも参加し、一時は待望されていたCSNYの再結成アルバムになるかと思われた。しかしながら、ナッシュとクロスビーは自分達の1976年のアルバム『ホイッスリング・ダウン・ザ・ワイヤー 』のセッションを完了するための期限のためにマイアミ を離れ、ヤングとスティルスはこれに反発してマスターテープから二人のボーカルその他を削除した[ 3] 。クロスビーとナッシュは二度とヤングともスティルスとも仕事をしないと誓ったが、1年も経たないうちにアルバム『CSN 』のためにグループを再結成した。
スティルスの当時から現在のツアーバンドを含むスティルス=ヤング・バンドは、アルバムのリリースに先立つ1976年にツアーを開始した。ツアーは6月23日にミシガン州クラークストンで始まりましたが、19回の日程の後でヤングは7月20日にスティルスへの電報で降板し、スティルスは10月までソロでコンサートツアーを行うことを余儀なくされました[ 4] 。電報には次のように書かれていた:「親愛なるスティーヴン、自然に始まった物事がそのように終わるのは面白い。桃を食べろ。ニール」。ヤングは後に、彼の脱退の不可解な個人的な理由として「声の問題」があったことを挙げたが、それ以来、ツアーは「機能していなかった」、「何らかの形でバランスが崩れていた」と述べている。ツアー中、評論は "Young Hot、Stills Not" というタイトルでヤングを称賛しながら、スティルスに厳しいレビューを書いていた。スティルスは大酒を飲み始め、ツアースタッフがわざと自分を悪く見えるようにしているのではないかと不満をぶつけるようになった。しかし、ヤングがスティルスにレビューを読まないように言った後でも、彼はアドバイスを受け入れず、ヤングは去っていった[ 5] 。
アルバムの先行シングル「太陽への旅路」は全英シングルチャート で71位を記録した[ 6] 。この曲は、ニール・ヤングの最初の車(ヤングは「モート」と呼んでいた[ 7] )のエレジーであり、この車は1962年にオンタリオ州ブラインド・リバーでトランスミッションが故障して廃車になった1948年製ビュイック・ロードマスター (英語版 ) の霊柩車 である[ 6] 。モートは、モート2と呼ばれる1953年製ポンティアックの霊柩車とは別の車両であり、スティルスと一緒に旅行していたリッチー・フューレイ は、ヤングが1966年にハリウッド の交通渋滞の中を運転しているのを目撃し、それがバッファロー・スプリングフィールドの結成に結びついた[ 8] 。2010年1月22日に、ヤングはザ・トゥナイト・ショー・ウィズ・コナン・オブライエン の最終回で "Long May You Run" を演奏した[ 9] 。数週間後、ヤングはバンクーバーで開催された2010年バンクーバー冬季オリンピック の閉会式で、オリンピック聖火の消灯に合わせてこの曲を演奏した[ 10] 。
収録曲
サイド1
# タイトル 作詞・作曲 時間 1. 「太陽への旅路 - Long May You Run」 ニール・ヤング 3:53 2. 「メイク・ラヴ・トゥ・ユー - Make Love to You」 スティーヴン・スティルス 5:10 3. 「ミッドナイト・オン・ザ・ベイ - Midnight on the Bay」 ニール・ヤング 3:59 4. 「黒いサンゴ - Black Coral」 スティーヴン・スティルス 4:41 5. 「オーシャン・ガール - Ocean Girl」 ニール・ヤング 3:19
サイド2
# タイトル 作詞・作曲 時間 1. 「レット・イット・シャイン - Let It Shine」 ニール・ヤング 4:43 2. 「12/8ブルース - 12/8 Blues (All the Same)」 スティーヴン・スティルス 3:41 3. 「フォンテンブロー (英語版 ) - Fontainebleau」 ニール・ヤング 3:58 4. 「ガーディアン・エンジェル - Guardian Angel」 スティーヴン・スティルス 5:40 合計時間:
39:10
参加ミュージシャン
追加ミュージシャン
製作
スティーヴン・スティルス – プロデューサー、ミキシング
ニール・ヤング – プロデューサー、ミキシング
ドン・ゲーマン (英語版 ) – プロデューサー、レコーディング、ミキシング
トム・ダウド – 共同プロデューサー
スティーヴ・ハート – レコーディング助手
マイケル・ラスコ – レコーディング助手
アレックス・サドキン (英語版 ) – ミキシング
トム・ウィルクス (英語版 ) – アルバムデザイン
チャート
『ロング・メイ・ユー・ラン』のシングルチャート成績
年
シングル
チャート(1976年)
最高
順位
1976
"Long May You Run"
全米 Record World シングル[ 19]
122
オランダ(シングル・トップ100 )[ 20]
18
フランス(シングル・トップ100)
76
"Midnight On The Bay"
全米 ビルボード・トップ100[ 21]
105
認定
ツアー
ツアー[ 24]
日程
都市
国
会場
チケット
売上
1976年6月23日
クラークストン
アメリカ合衆国
Pine Knob Music Theatre
売切れ
$138,995
1976年6月24日
1976年6月26日
ボストン
ボストン・ガーデン
15,550/15,550
$127,000
1976年6月27日
スプリングフィールド
シヴィック・センター
10,000
$70,000
1976年6月29日
フィラデルフィア
ザ・スペクトラム
18,500/18,500
$125,980
1976年7月1日
ユニオンデール
ナッソー・コロシアム
1976年7月2日
1976年7月4日
ナイアガラ・フォールズ
コンヴェンション・センター
9,000
$54,000
1976年7月5日
ロチェスター
Community War Memorial Auditorium
9,000/11,000
$60,071
1976年7月7日
プロヴィデンス
Providence Civic Centre
18,781
$140,684
1976年7月9日
ランドーヴァー
Capital Centre
1976年7月10日
1976年7月11日
ハートフォード
Colt Park
$167,000
1976年7月13日
リッチフィールド
Richfield Coliseum
14,815/19,276
$97,452
1976年7月14日
シンシナティ
Riverfront Coliseum
16,960/16,960
1976年7月15日
ピッツバーグ
しヴィック・アリーナ
17,334/17,334
$117,371
1976年7月17日
グリーンズボロ
グリーンズボロ・コロシアム
10,743
$83,785
1976年7月18日
シャーロット
Charlotte Coliseum
1976年7月20日
コロンビア
Carolina Coliseum
9,892
$65,128
1976年7月21日
アトランタ
Omni Coliseum (キャンセル)
1976年7月23日
ジャクソンビル
Civic Auditorium
1976年7月24日
マイアミ
マイアミ球場
12,231/22,000
$101,928
1976年7月25日
レークランド
Lakeland Civic Center
9,000
$71,000
1976年7月27日
モービル
Municipal Auditorium
1976年7月28日
シュリーブポート
Hirsch Memorial Coliseum
1976年7月29日
メンフィス
Mid South Coliseum
1976年7月30日
ダラス
Dallas Memorial Coliseum
1976年7月31日
ノーマン
LLoyd Noble Center
1976年8月2日
ヒューストン
Sam Houston Coliseum
1976年8月3日
サン・アントニオ
Convention Center
1976年8月10日
シカゴ
シカゴ・スタジアム
1976年8月13日
セントポール
スポーツセンター
1976年8月14日
ミルウォーキー
サマーフェストのメインステージ
1976年8月17日
サンフランシスコ
Cow Palace
1976年8月19日
コンコード
Concord Pavilion
1976年8月21日
サンディエゴ
バルボアスタジアム
1976年8月24日
イングルウッド
ザ・フォーラム
1976年8月29日
デンバー
Red Rocks Amphitheatre
1976年8月30日
1976年8月31日
1976年9月2日
バンクーバー
カナダ
PNEコロシアム
1976年9月4日
シアトル
アメリカ合衆国
Seattle Coliseum
1976年9月8日
エドモントン
カナダ
不明
1976年9月10日
カルガリー
参加ミュージシャン [ 25] [ 26]
セットリスト
1976年6月26日のボストン・ガーデン公演のセットリスト[ 27]
「愛への讃歌 」"Love the One You're With"(スティルス)
「ローナー (英語版 ) 」"The Loner"(ヤング)
「太陽への旅路」"Long May You Run"(ヤング)
「フォー・ホワット・イッツ・ワース 」"For What It's Worth"(スティルス)
「ヘルプレス 」"Helpless"(ヤング)
「ブラック・クイーン」"Black Queen"(スティルス)
「サザン・マン (英語版 ) 」"Southern Man"(ヤング)
「オン・ザ・ウェイ・ホーム」"On the Way Home"(ヤング)
「チェンジ・パートナーズ (英語版 ) 」"Change Partners"(スティルス)
「トゥー・ファー・ゴーン」"Too Far Gone"(ヤング)
"4+20"(スティルス)
「ワードゲーム」"Word Game"(スティルス)
「バイイン・タイム」"Buyin' Time"(スティルス)
「イヴニング・ココナッツ」"Evening Coconut"(ヤング)
「メイク・ラヴ・トゥ・ユー」"Make Love to You"(スティルス)
「カウガール・イン・ザ・サンド (英語版 ) 」"Cowgirl in the Sand"(ヤング)
「ザ・トレジャー」"The Treasure"(スティルス)
「組曲: 青い眼のジュディ 」"Suite: Judy Blue Eyes"(スティルス)
脚注
出典
^ Ruhlmann, W.. “Long May You Run – Stephen Stills | AllMusic ”. allmusic.com . 26 July 2011 閲覧。
^ Christgau, Robert (1981). “Consumer Guide '70s: S” . en:Christgau's Record Guide: Rock Albums of the Seventies . Ticknor & Fields . ISBN 089919026X . https://www.robertchristgau.com/get_chap.php?k=S&bk=70 March 13, 2019 閲覧。
^ Zimmer, Dave, and Diltz, Henry. Crosby Stills & Nash: The Authorized Biography , St. Martin’s Press, 1984. ISBN 0-312-17660-0 , p. 185.
^ Matthias Butterweck. “Numbers On The Site – The Neil Young Tour statistics ”. Butterweck.de . 8 August 2018 閲覧。
^ “Stills & Young Tour – Rolling Stone 1976 – The Uncool - The Official Site for Everything Cameron Crowe ” (英語). 2020年3月17日 閲覧。
^ a b “Long May You Run by Neil Young Songfacts ”. Songfacts.com . 8 August 2018 閲覧。
^ Shakey: Neil Young's Biography; Jimmy Mcdonough, Random House; First Edition (May 7, 2002) p. 104
^ Shakey: Neil Young's Biography; Jimmy Mcdonough, Random House; First Edition (May 7, 2002) p. 146
^ Carter, Bill (2010) (英語). The War for Late Night: When Leno Went Early and Television Went Crazy . Penguin. p. 342. ISBN 978-1-101-44342-2 . https://books.google.com/books?id=WUyzf2cJzu8C&q=Long+May+You+Run+conan+tonight+show&pg=PT342 19 April 2020 閲覧。
^ Kines, Lindsay (March 1, 2010). “"These Games have lifted us up," Furlong tells Olympians ”. The Montreal Gazette. 4 October 2012時点のオリジナル よりアーカイブ。1 March 2010 閲覧。
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^ “norwegiancharts.com - Norwegian charts portal ”. norwegiancharts.com . 2020年6月21日 閲覧。
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^ “RECORD WORLD MAGAZINE: 1942 to 1982 ”. worldradiohistory.com . 2020年7月5日 閲覧。
^ “Record World 18 September 1976 ”. 2022年8月30日 閲覧。
^ Hung, Steffen. “The Stills-Young Band - Long May You Run ”. hitparade.ch . 2020年11月24日 閲覧。
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^ Roberts, David (2016). Stephen Stills: Change Partners
^ “Neil Young News: Drummer Joe Vitale on His 50-Year Saga w/ Crosby, Stills, and Nash, Buffalo Springfield, & Stills-Young Band | Rolling Stone ” (英語). 2020年9月22日 閲覧。
^ “Neil Young ” (英語). sugarmtn.org . 2020年9月22日 閲覧。
外部リンク