仲町 六絵(なかまち ろくえ、1977年 - )は日本の小説家。女性[1]。
経歴・人物
愛知県生まれ[2]。しかし生後間もない頃には奈良県の平城京周辺で育った[3]。また大学時代は京都府北白川周辺に住んだという[3]。現在、大阪市在住[4]。
もともとは歌人として、『塔』短歌会員として活動[5]。京都大学短歌会にも参加し、同時期の会員に島田幸典や澤村斉美らがいる[6]。20代の初めから半ばにかけては短歌誌に毎月投稿し[7]、NHK歌壇などに投稿した短歌が採用されるも、大阪に転居した途端に歌が詠めなくなってしまう[4]。しばらくの空白を経て物の怪の物語を、掌編小説を中心に書き始め、古本小説大賞を始め懸賞小説などに投稿した[4]。怪談に魅入られたきっかけは子どものころに読んだ児童向けの雨月物語であったという[2]。
2008年、「鳥の家」にて第6回ビーケーワン怪談大賞 優秀賞を受賞。2009年、「水晶橋ビルヂング」にて第7回ビーケーワン怪談大賞 優秀賞を受賞。2010年、「おいでるかん」にて第5回『幽』怪談文学賞に佳作入選。同年、「雪まろの夏」にて第20回ゆきのまち幻想文学賞 入選。同年、「砂の兵団~BATTLE DOLL MASTERS~」にて第8回jump Novel Grand Prixテーマ部門 (テーマ「好敵手」) 候補作。同年、「典医の女房」にて、短編ながら第17回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞受賞[8]。2011年5月、「典医の女房」に続編3話を加筆した連作短編集『霧こそ闇の』(メディアワークス文庫)にて本格的に作家デビュー。
現在はメディアワークス文庫から『からくさ図書館来客簿』シリーズや『南都あやかし帖』など、日本の歴史に取材したファンタジー作品を発表している。
評価
デビュー作『霧こそ闇の』の帯には、中山義秀文学賞受賞作家の上田秀人が、次のような推薦文を寄せている。
闇に棲む者にも人と変わりのない想いがある。光の生み出す陰が、今よりも濃い戦国の時代だからこそ許された人と化生との愛。自然を敬った日本の美しき心が紡ぎ出す物語。これぞまさに伝奇小説である。 — 上田秀人、推薦文
また、京大SF・幻想文学研究会の企画した「本格ライトノベル大賞32選」においては、『霧こそ闇の』は「巧すぎてカテゴリエラー」「時代ものの筆致」と書かれ、ライトノベルの枠に収まらない作品として評価された[9]。
作品リスト
書籍
- シリーズ外作品
- からくさ図書館来客簿シリーズ
- あやかしとおばんざいシリーズ
- 京都西陣なごみ植物店シリーズ
- おとなりの晴明さんシリーズ
アンソロジー収録・雑誌寄稿作品
「」内が仲町六絵の作品
- ビーケーワン怪談大賞傑作選
雑誌掲載コラム
― 英傑私がたり 「第六天魔王、あるいは尾張の大うつけがいる日常」収録。
WEB書下ろし小説
- 公開終了[注 1]
- メディアワークス文庫公式サイト「ウェブ書下ろし小説」
- 第5回「庄五郎の槍 ―龍馬の仇討ち人―」-『夜明けを知らずに』番外編
- 第16回「スモモもモモも桃のうち」-『からくさ図書館来客簿』番外編
- 第38回「ファールス風青菜の煮込みと神仏のいたずら」-『南都あやかし帖』番外編
- 「猫絵の名前」(おとなりの晴明さん 第二集『蛍ほろほろ』番外編)
- 「猫の手」(おとなりの晴明さん 第四集 番外編)
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク