特に日本において、レーヴァテインを「スルトがラグナロクの時にふるう炎の剣」(詳細はスルトの項を参照)と同一視する傾向がある。たとえば新紀元社から出版されたエンターテイメント系の一般書『Truth In Fantasy VI 虚空の神々』(1990年)では、ラグナロクの解説部分でスルトが持つ炎の剣に触れ、その脚注でレーヴァテインを紹介し、「もしかしたらこのレーヴァテインが、スルトのもつ炎の剣なのかもしれません」[16]と述べている。また同じく新紀元社から出版された一般書『魔法の道具屋』(1992年)では、上記の出自を紹介した上で、「世界をまるごと焼き尽くすという究極の武器」[17]「ラグナロクでスルトが世界を焼き払う剣は、おそらくはこのレーヴァテインである」[17]としている。
巨人スルトは「枝の破滅」(炎の意味)を持っているという記述もある。
しかし『フョルスヴィーズルの言葉』の中では、レーヴァテインがスルトの炎と同じであるとは明言されておらず、また他の神話の中でも、スルトの炎をレーヴァテインと明確に呼んだことはない。
スウェーデンの作家ヴィクトル・リュードベリ(英語版)は、著書『Undersökningar i germanisk mythologi(ゲルマン神話研究(英語版)[19])』[注 9](1886年-1889年、2巻本)の中で、レーヴァテインとフレイの剣(彼はこれを「勝利の剣」と呼んでいる)、さらには他の諸々の武器が同一のものであると主張した。この書籍は神話の翻訳や学術的な研究でなく、彼の手による神話の再解釈・再構成という側面が強く、同書中で彼は、各エッダ詩やサクソの『デンマーク人の事績』、各サガ中に現れる逸話などが、元々は同じ一つの神話であったという説をとっている。
^たとえば1860年の論文「Forbindelsen mellem de norrøne Digte Grógaldr og Fjölsvinnsmál oplyst ved Sammenligning med den dansk-svenske Folkevise om Sveidal.(デンマーク・スウェーデンの民謡『スヴェイダル』との比較によるエッダ詩『グローアの呪文歌』と『フョルスヴィーズルの言葉』の繋がりの解明)」(『Forhandlinger i Videnskabs-Selskabet i Christiania, aar 1860(クリスチャニア学会論集 1860年号)』pp.123-140. Google Books)では、p.139 の脚注1で「古い手書きの写本では L と H を間違えやすい」と述べ、例として『フョルスヴィーズルの言葉』第26スタンザを挙げている。
E. O. G. Turville-Petre, "Myth and Religion of the North: The Religion of Ancient Scandinavia", Weidenfeld and Nicolson:London, 1964. p.132,136 (Chp.5: "Loki", pp.126-146).