M256は、メルセデス・ベンツの直列6気筒ガソリンエンジンの系列であり、M276系列の後継である。
メルセデス・ベンツにとって、1997年(M104系列)以来、約20年ぶりの直列6気筒エンジンであり、電化を前提にして設計された初めてのパワーユニットである。直列エンジンの採用により、エンジン左右のスペースに補器類を配置することが可能になったほか、これまでエンジン回転を動力源としていた、エアコンディショナーやウォーターポンプなども電動化されたため、エンジン前部のベルト駆動装置が不要となり、よりコンパクトなエンジンとなった。また、エンジン近接型の触媒を採用し、より効率的な排出ガス処理を可能にした。さらに、12mmオフセットされたエンジンや、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE®摩擦低減加工を施すことで、フリクションロスを低減している。
新たに「ISG (インテグレーテッド・スターター・ ジェネレーター)」が搭載され、メルセデス・ベンツでは初のマイルドハイブリッドモデルとなった。ISGは、エンジンとトランスミッションの間に配置された電気モーターを指し、オルタネーターとスターターの機能も兼ねている。 この電気モーターと「48V電気システム」により、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキ による発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電する。エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と、力強い加速を実現した。
一部モデルには、排気によるターボチャージャーが効果を出しづらい、低回転域で過給を行う「電動スーパーチャージャー」も搭載されている。「電動スーパーチャージャー」 と「ISG」による動力補助および排気ターボチャージャーとの組み合わせで、ターボラグを解消し、あらゆる回転域で俊敏なエンジンレスポンスを実現する、と謳われている。
2018年3月、Sクラス(W222)から、順次導入された[1]。
バリエーション
エンジン型式
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総排気量 cc
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ボア×ストローク mm
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最高出力 kW(PS)/rpm
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最大トルク Nm(kgm)/rpm
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搭載モデル
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販売期間
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M256
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2,996
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83.0×92.3
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330 (449)/ 5,800~6,100
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560 (57.1)/ 2,200~5,000
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S 500 4MATIC (W/V223)
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2021年1月-
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Mercedes-AMG E 53 HYBRID 4MATIC+ (W/S214)
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2024年12月-
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Mercedes-AMG CLE 53 4MATIC+ (C/A236)
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2024年6月-
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320 (435)/ 5,800~6,100
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Mercedes-AMG GLE 53 4MATIC+ (W/C167)
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2020年5月-
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520 (53.0)/ 1,800~5,800
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Mercedes-AMG E 53 4MATIC+ (W/S213、C/A238)
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2018年9月-2024年1月
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Mercedes-AMG CLS 53 4MATIC+ (C257)
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2018年9月-2023年8月
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Mercedes-AMG GT 53 4MATIC+ (X290) |
2019年2月-
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270 (367)/ 5,500~6,100 |
500 (51.0)/ 1,600~4,500 |
Mercedes-AMG GT 43 4MATIC+ (X290)
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S 580 e 4MATIC ロング (V223)
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2022年6月-
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S 450 (W/V222) S 450 エクスクルーシブ (W222) |
2018年3月-2021年1月
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E 450 4MATIC エクスクルーシブ (W/S213)
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2020年9月-2022年9月
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E 450 4MATIC スポーツ (C/A238)
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2020年10月-2022年9月
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CLS 450 4MATIC スポーツ (C257)
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2018年6月-2022年9月
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GLE 450 4MATIC スポーツ (W167)
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2019年6月-2022年3月
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参考文献
- ^ 『ISG搭載モデル「S 450」を発表』(プレスリリース)メルセデス・ベンツ日本株式会社、2018年3月1日。https://media.mercedes-benz.jp/ISG%E6%90%AD%E8%BC%89%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB-S-%E3%82%92%E7%99%BA%E8%A1%A8/。2019年4月12日閲覧。
関連項目