ムスキス(バスク語: Muskiz)またはムスケス(スペイン語: Musques)は、スペイン・バスク州・ビスカヤ県のムニシピオ(基礎自治体)である。公式名はバスク語のMuskiz。ペトロノールによる企業城下町としての性格も帯びている。
名称
バスク語ではムスキス(Muskiz)、スペイン語ではムスケス(Musques)であり、かつてはサン・フリアン・デ・ムスケス(San Julián de Musques)とも呼ばれた[1]。バスク地方各地で自治体名改名の動きが起こった民主化期(1975年以降)、正式名をバスク語名に変更した。
地理
ビルバオ都市圏の一部であり、都市圏で「鉱業地区」と呼ばれる地域にある。歴史的には1805年まで存在したバリェ・デ・ソモロストロの一部であり、現在ではビスカヤ県西部の自治体で構成されるラス・エンカルタシオネス郡に含まれる。
ムスキスの集落は大西洋のビスケー湾から約3km内陸、マジョール川やバルバドゥン川が形成する谷に位置する。自治体域自体はビスケー湾にも面しており、アレナ海岸(スペイン語版)はシエルバナとムスキスにまたがっている。北はビスケー湾、東はアバント・イ・シエルバナとシエルバナ、南はガルダメス(スペイン語版)、西はカンタブリア州カストロ・ウルディアレスと接している。
自治体の最高峰は自治体南部にある626mのメリョ峰である。その他の重要な山には、361mのコルベラ岩山、269mのカラスカル峰、229mのラモス峰、203mのハネオなどがある。
地区
自治体は6地区に分けられる[2][3]
公式名 |
バスク語名
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コバロン |
Kobaron |
コバロン |
Cobaron
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(ラ・)リガダ |
(La) Rigada |
ラライナガ |
Larrainaga
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ポベーニャ |
Pobeña |
ポベニャ |
Pobeña
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サン・フアン |
San Juan |
サン・フアン・ムスキス |
San Juan Muskiz
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サン・フリアン |
San Julián |
サン・フリアン |
San Julian
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サンテリセス |
Santelices |
サンテリセス |
Santelices
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人口
経済
1968年には石油企業のペトロノールがバルバドゥン河口の湿地を取得し、1972年にペトロノールの石油精製所が操業を開始した。この石油精製所はビスケー湾沿岸で最大の石油化学コンビナートであり、施設は14回もの拡張を経験している。ペトロノールは人口約7,000人のムスキスにおいて住民の約950人を直接雇用しており、また住民の約1/3がペトロノールに関連する企業に従事しているとされる[6]。
ペトロノールは年間に260万トンの二酸化炭素を排出しており、バスク州の企業としてはもっとも多い、州全体の約10%もの温室効果ガスを生んでいる。ムスキス石油精製所は大気汚染、騒音、土壌汚染、有害廃棄物、汚染排水などの問題を抱えており、さらに過去には火災、爆発、オイル漏れなどの事故が発生している[6]。
ムスキス市議会はペトロノールに好意的なバスク民族主義党(PNV)が伝統的に与党を務めており、2003年の地方選挙では13議席中8議席をバスク民族主義党が獲得した。しかし、2007年の地方選挙ではペトロノールに批判的なバスク連帯(スペイン語版)(EA)が4議席、バスク社会党(PSE)が3議席を獲得し、過半数を獲得した両政党による連立でバスク連帯系の市長が誕生。バスク連帯はムスキスへの新工場の建設に反対したが、バスク州政府は工場建設を承認した[6]。
出身者
脚注
外部リンク
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