スタジオを開設する1896年を含む1890年代から妹のフランシスが結婚しリバプールへ移る1899年まで、マーガレット・マクドナルドが共同作業の相手に選んだのは、もっぱら妹である[10]。四季に合わせたテーマを選んで描いた連作4点に彫金の額縁を添えるなど、合作の形態を展開している。また近年、バッファロー大学特別コレクションの収蔵図書からウィリアム・モリス作『グエネヴィア防衛』(Defence of Guenevere)[16] が再発見され、ふたりが提供した挿絵をオンラインで見ることができる[17][18]。
ウィーンで夫妻は1902年に大きな仕事を受注する。ウィーン工房の発起人で出資者のフリッツ・ワーンドルファー Fritz Waerndorfer(ドイツ語)が郊外に別荘を建てようとしており、ウィーンで活動する芸術家としてふたりに部屋の装飾をさせたいと申し入れてきた。すでに前出の#ホフマンとコロマン・モーザーがそれぞれ1室ずつあてがわれ、施主はマッキントッシュ夫妻に音楽室の内装を依頼する。そこでマーガレットの作品をパネルに仕立てて『#風のオペラ』『#海のオペラ』を楽器の装飾に、また部屋のシンボルとなる『#七王女』を三連祭壇画の形式で壁にかけるプランを立てた。これらをマクドナルド・マッキントッシュの最高傑作と評する声もあり[21]、現代の美術評論家アメリア・レビタス Amelia Levetus は「夫妻最高の傑作であり、なによりも思うさま力を発揮せよという求めに応じた」と評している[22]。
発想とスタイル
写実ではなく想像力に依拠する姿勢を貫いたマクドナルド・マッキントッシュは、スケッチブックをつけなかった[23]。制作に大きなインスピレーションを得る源は聖書、『オデッセイア』、モリスとロセッティの詩、モーリス・メーテルリンクの作品などである。しばしば作品を共作した姉妹はともに同時代の芸術の概念を無視したとグリーソン・ホワイト Gleeson White は記す。「この姉妹二人はまったくの無邪気を装いつつ、他人からエジプトの装飾に特に関心があったと定義されようとも認めはしない。『何物にも偏っていません』と言うばかりで理論を示して展開するわけでもない。」
最もよく知られた作品は『メイクィーン』(The May Queen)というジェッソパネルで、やはりパネルの『The Wassail』とペアにして女性起業家クラントンがイングラム街で経営する喫茶室の、女性ランチョンルームに納められた。
これとは別にウィロー・ティールームズの特別喫茶室 (ルームドリュクス) には、柳の木に寄り添う女性像『Oh ye, all ye that walk in Willowwood』を組み込んだ。同店はインテリアの修復を2017年 - 2018年に行うと、この女性像の複製画を元の部屋の本来の位置に取り付けている。現在、これら3点のオリジナルは、すべてケルビングローブ美術館・博物館(グラスゴー)が展示する。
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^Robertson, Pamela, ed (2001). “The Chronicle: the letters of Charles Rennie Mackintosh to Margaret Macdonald Mackintosh, 1927.”. Mackintosh, Charles Rennie, and Pamela Robertson (再版 ed.). Glasgow: Hunterian Art gallery, University of Glasgow. OCLC47777244。ISBN0904254755, 9780904254754。
^Morris, William (1858). The Defence of Guenevere : and other poems / by William Morris. London: Bell and Daldy ; Chiswick Press ; Whittingham, Charles (1795-1876). 歴代の所有者は Dannreuther, Edward(1844-1905)、Taylor, George Warington(1835-1870)、De Beaumont, Robin。
^“The defence of Guenevere : and other poems”. search.lib.buffalo.edu. University Libraries, University at Buffalo. 2019年11月19日閲覧。 特別収集品、稀覯本(Special Collections Rare Books PR5078 .D4 1858)
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